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失敗してもおいしい個人開発のススメ!「MENTA」設立者が語る、すべての開発者が"10年構想"を意識すべき理由
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失敗してもおいしい個人開発のススメ!「MENTA」設立者が語る、すべての開発者が"10年構想"を意識すべき理由

アンドエンジニア編集部
2021.12.20
この記事でわかること
個人開発のモチベーションは人それぞれ。入江慎吾さんは自分のアイディアを誰かに使ってもらって、フィードバックをもらう瞬間が楽しい
個人開発のヒントは、自身の経験や、身の回りの「もっとこうだったらいいな」から見つける
まずは1個、アウトプットしてみることが大切 。仮に失敗したとしても、確実にスキルアップに繋がる

エンジニアとして仕事をしているなか で「自分も何か新しいサービスを作ってみたい」と思う人は少なくないと思います。

現役エンジニアやデザイナーと、そのスキルを学びたい人を繋げるオンラインプラットフォーム「MENTA」の設立者である入江慎吾さん(MENTA株式会社表取締役)もそんな一人でした。

長崎県の五島列島出身で、今は福岡県を拠点とする入江さん。専門学校を卒業後、Web制作会社を経てフリーランスとなりました。フリーになってからの10年はシステムの受託開発などを請け負っていましたが、「どうしてもサービスを作りたい」という気持ちから一念発起。個人開発に専念してMENTAを作り上げました。

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MENTA株式会社 代表取締役 入江慎吾さん

MENTAはエンジニアやデザイナーを目指す人、初心者が「こんな時どうしたらいいの?」と悩んだ時に相談できる相手(メンター)がいるオンラインプラットフォームです。現場で活躍する先輩プログラマーからマンツーマンでスキルを教わったり、定期的に開催されるオンラインイベントではユーザー同士の交流もできます。登録者数は2021年11月時点で4万人突破と成長を続けるサービスです。

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「MENTA」のサービスサイト

この記事では個人開発に至る道のり、自ら開発するためのヒント、モチベーションを保って開発を続けられる秘訣などを入江さんに伺いました。

 前回のインタビューはこちら↓

エンジニア特化の学習プラットフォーム「MENTA」が繋ぐ”新時代”の師弟関係とは

個人開発は自分のアイディアを誰かに使ってもらえて、反応を得られることが楽しい

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

「個人開発」についてお話を聞かせてください。 まず、入江さんが「モノづくり」に興味を持ったきっかけは何でしょうか?

入江さん
入江さん

元々は子供の頃に絵を描くのが好きだったんです。 小学生の頃に漫画を描いていました。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

最初は絵だったんですか?

入江さん
入江さん

はい、描いた漫画をクラスで回し読みしてもらっていました。 自分が作ったものを誰かに見てもらい、フィードバックをもらう のが嬉しかったんです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

反応は大切ですね。

入江さん
入江さん

当時の経験が、「サービスを作って、誰かに使ってもらうこと」の原点だと思っています。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

これまで個人開発で作られたサービスはどれくらいあるんですか?

入江さん
入江さん

30個ほどですね。 最初は人に使われることや収益性、ビジネスモデルなどはあまり考えていませんでした。 面白そうなものをポンポンと作っていました

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2011年6月から、さまざまなサービスやアプリを開発
アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発を始めようとしたのはいつ頃だったのでしょうか?

入江さん
入江さん

ちょうどiPhone3が発売された頃です。 本格的にフリーランスになろうと思ったきっかけもiPhoneアプリの登場でしたね。 あっ、このなか にアプリ作れるんだ、全世界で販売できるんだ!って盛り上がりました。

入江さん
入江さん

最初は趣味レベルでアプリを作っていました。 当時はまだアプリも少なく、その時に作ったものが結構ヒットしたことが印象深いです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

どれくらいのヒットだったのでしょうか?

入江さん
入江さん

日本で全国ランキング3位まで上がりました。 Twitterで実際にアプリを使った人とコミュニケーションを取ったり、会って友達になったりもしました。 そういう体験をして、「あ、こういう生き方がしたいな」と思ったのが、今に繋がっていると思います。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

その時のサービスはどういったものだったのでしょうか?

入江さん
入江さん

「ツボッター」というTwitterのクライアントアプリです。 当時、まだ顔文字がiPhoneに登録されていなかった時代で。 顔文字を500種類くらい登録して、入力できるのがウリのアプリでしたね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

「ツボッター」というネーミングの由来はなんだったんですか?

入江さん
入江さん

僕の妻の苗字が「ツボタ」なんです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

え、そうなんですね!(笑)

入江さん
入江さん

ツボッターは、妻から「Twitterで顔文字を載せられるやつ作って」と言われて作りました。 アイディア元なので、ネーミング時に掛け合わせた感じですね(笑)

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「ツボッター』の画面

個人開発のヒントは、身の回りに起きている変化のなかで見つける

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

入江さんはどういうところから個人開発のヒントを見つけているんですか?

入江さん
入江さん

まず自分の原体験があって、そこに社会的に起きている問題や、「これはこうしたら良いよね」というものを形にできないかというところから見つけています。 今はビジネスモデルも考えつつ、面白そうだったら形にする感じですね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

常に社会へアンテナを張っている、ということでしょうか?

入江さん
入江さん

そうですね。 色んな情報を見て、「これもいける、あれもいける」と企画を肉付けしています。 アイディアリストをいくつか作っていて、そのなかでいま自分がやりたいものを選んで進めていますね。

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思いついたフラッシュアイディアなどは「Trello」で管理
アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

サービスを作る時は、将来的なことも考えているのでしょうか?

入江さん
入江さん

昔は思い付きでどんどん作ってました。 でも、今は成功するために10年単位で先を考えないといけないと思っています。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

10年単位…!

入江さん
入江さん

成功するまでに、ですね。僕も制作会社から独立するまでに10年かかりましたし、フリーランスも10年やってましたから。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

社会情勢や世界の経済情報も考えたりするのでしょうか?

入江さん
入江さん

というよりは、身の回りに起きている変化ですね。 例えば、「このアプリ使いにくい」だったり「もっとこうだったらいいな」的なことです。 それらを常にメモしておいて、広げていくことが多いですね。

入江さん
入江さん

やっぱりMENTAも10年くらいかけないと高い目標には到達できないなと思っていて。それに耐えうるようなテーマであるかどうかは大事だと思っています。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

身近にある課題を解決する意識を持っていれば、本質的に意味のあるプロダクトが作れるということですね。 入江さんがサービスを作る時、競合は見たりするのでしょうか?

入江さん
入江さん

見てないですね。 自分が作りたいと思ったら、やります。 競合を追い抜いていくサービスはどんどん出てくるので、競合がいるから勝てないとは思っていないんです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

チャンスは誰にでもある、ということですね!

入江さん
入江さん

逆に言うと、競合でうまくいっている王道サービスがあった時、そのサービス はやり方を変えられないことが多いです。 王道以外の方法でアプローチされる と、追い抜かれた時に「変えよう!」と思っても変えられないんですよね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

それはなぜでしょうか?

入江さん
入江さん

「売り上げが落ちるから」でしょうか。サービスやアプリ開発の世界でも細分化とかパーソナライズ化が進んでいて、そういう意味ではすごくチャンスがあると思っています。

入江さん
入江さん

やり方としては、仮に競合があったとしたら、そのなかでニッチな部分を攻めるのはやったりするかもしれません。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

なるほど…! 発想段階から、具体的にサービス内容を考えはじめるまでのフローとして勉強になります。

入江さん
入江さん

ただ、競合は調べられたら調べた方が良いと思います。 みんながこういうものを使っているんだとわかりますから。 でも、それは参考にはするけど、「やらない理由」にはしないですね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発に決まりごとみたいなものはあるのでしょうか?

入江さん
入江さん

「こういうものが無いと作っちゃいけない」とかはありません。 ちょっとでも面白そうだなと感じたら、どんどん作ってみたら良いと思います。

入江さん
入江さん

仮に失敗したとしても、スキルアップに繋がります。 個人開発はすべて一人でやるので、失敗しても得るものは大きいですね。 企画、デザイン、広報、戦略と、様々なことが学べるんです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

失敗が血となり、肉となるわけですね。

入江さん
入江さん

失敗しても確実にスキルアップしますし、作ったものはポートフォリオ、作品として残っていきます。 「10年前にあれ作ったなぁ」と見返したりするのも楽しいですよ。

プログラミングスキルの高さ=サービス開発ができる、わけではない

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

オンラインコミュニティ「入江開発室」について教えてもらえますか?

入江さん
入江さん

入江開発室は、個人開発をしたい人たちが集まって意見交換できるコミュニティです。 元々、僕のなかでは個人開発を日本全体でやっている人が少ないな、勿体ないなと思っていて。そこを応援したい気持ちがあって立ち上げました。

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アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

参加しているのはどういう方が多いのでしょうか?

入江さん
入江さん

エンジニアさんで、プログラミング自体はもうできる人達が多いです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

基本は経験者でしょうか?

入江さん
入江さん

エンジニア経験が2、3年〜10年くらいの人までいます。 フリーランスの人も制作会社の人も、いつかは自分のサービスを作りたいと思っているんですよね。

入江さん
入江さん

ただ、お金と時間の現実的な問題や、アイディア、企画などの問題があってできていない人も多いですね。 入江開発室のなかでも 、「本当はやりたいけどできない。その原因は何だろう?」というのを考えているところです。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発に興味はあっても悩んでいる人は、コミュニティで意見交換できると解決のヒントが得られるかもしれませんね。 やはり、スキルがある方のほうが上手くいくのでしょうか?

入江さん
入江さん

いえ、開発力があるエンジニアさんだからサービスを上手に作れるかというと、そうではありません。 個人開発は、決められた仕様通りに作るのではなく、発想や考えがそもそもないところから始まるからです。

「まずは1個の アウトプットを作ってみる」ことが大切

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発をやってみたい人は、まず何から始めたらいいでしょうか?

入江さん
入江さん

まずアウトプットで1個作ってみるのが良いと思います。 最初は難しいかもしれませんが、「ちょっとやってみよう」という気持ちで1つのサービスを作ることを体験すると、見えてくるものがあります。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

最初の一歩が大切ということですね。 入江さんが開発する モチベーションはどういったものなのでしょうか?

入江さん
入江さん

僕の場合は、MENTAが100万人に使われるサービスになった時にやり切ったと言えると思います。 そういうイメージを持つと、頑張ろうって気になりますね

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

モチベーションは何でもいいのでしょうか?

入江さん
入江さん

人それぞれ、何でも良いと思います。 例えば、サービスを作って売却することをモチベーションにする人がいてもいいと思うんですよ。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

人それぞれのモチベーションがありますよね。

入江さん
入江さん

本当に様々だと思います。 どこにモチベーションを感じるのかは、その人の今までの経験や生き方で決まってきますから。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発を長く続けられる秘訣はありますか?

入江さん
入江さん

先ほどお伝えしたように、10年単位で考えられるか、自分が長く取り組めるテーマであるかどうかがすごく大事だと思っています。 やりたくないけど、周り的にこれウケそうだなというのは絶対続かないですね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

本当にモノづくりが好きだから続けられているということもありますよね?

入江さん
入江さん

僕の場合、エンジニアとして何か作っている時はどちらかというと苦痛を感じる方なんです。

入江さん
入江さん

ただ、アイディアを思いついた時に、頭のなか でイメージしたものが誰かに使われて反応が返ってくる時が楽しいですね。 それがやめられないポイントになっていると思います。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

個人開発は自分を見つめ直す機会にもなりそうです。 MENTAに登録すると、そういう側面もあるのかなと思いました。

入江さん
入江さん

自分で納得できる生き方を見つけることができれば、そこに集中してやるだけです。 やりがいも出てくると思うので、MENTAではそういう手助けをできたら嬉しいですね。

アンドエンジニア編集部
アンドエンジニア編集部

本日はインタビューありがとうございました!

ライター

アンドエンジニア編集部
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