新登場AWS Mainframe Modernizationとは
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新登場AWS Mainframe Modernizationとは
システム運用
アンドエンジニア編集部
2022.01.03
この記事でわかること
AWS Mainframe Modernizationはメインフレームワークロードをクラウド移行するサービスです
移行手法はリファクタとリプラットフォームをサポートします
必要なサービスに応じて料金体系が設定されており、最低限のコストと期間でシステム移行可能です

AWS Mainframe Modernizationとは

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2021年11月30日、AWSは「AWS re:Invent」において新サービスとなる「AWS Mainframe Modernization」を発表しました。AWS Mainframe Modernizationはメインフレーム環境をAWSに移行促進するためのサービスです。 【参考】:Accelerate Your Mainframe-to-Cloud Journey with the AWS Mainframe Modernization Service and AWS Partners

Google Cloudでもパートナーと連携してメインフレームモダナイゼーションを展開していますが、ここではAWSの新サービスに注目して紹介していきます

メインフレーム モダナイゼーション概要

まず最初に、一般的なメインフレーム モダナイゼーションの概要をお話しします。メインフレームとは企業の基幹業務を支えてきたコンピュータシステムです。汎用機や汎用コンピュータ、ホストコンピュータ等とも呼びます。

メインフレームは商用のコンピュータシステムとして登場し、長らく大手企業の業務システムとして利用されてきたものです。その後処理の分散化により、分散システムやダウンサイジングが進みましたが、それでも重要データの保全に欠かせないシステムとして現在も業務活用されています

モダナイゼーションとはITシステムの刷新を意味します。既存のソフトウェアやデータの資産を有効に活用し、最新テクノロジーをベースとして製品や設計手法により置換を行うことを意味します。

メインフレーム モダナイゼーション手法

システムの置き換えを既存の資産をベースに進めるために、いくつかの手法があります。以下が代表的な移行手法となります。

リビルド 再設計・再構築となる全面的にシステム見直し(作り直し)する手法です。既存のしがらみがなければ良いのですが、実際は運用方法や操作方法を現行システムに合わせたり近づけたりしますので、なかなか簡単に行かず、初期工数・初期投資がかかる傾向があります。

リホスト 同等のソフトウェアをオープンサーバで稼働させるものです。パッケージソフトウェアの場合によく活用されます。

リライト 既存のソフトウェア資産を、最新のJava等に置き換えて保全性を高めるものです。

リプレース 既存ソフトウェア資産を、同等の機能を有するパッケージ製品・ミドルウェア等への置き換えを進めます。

この他に、メインフレームを残しつつ最新システムからのアクセスを実現するラッピングや、外部インターフェイスをそのままに内部コードの単純化や最適化を進めるリファクタリング等の手法があります。

AWSのクラウド移行手法

AWSのクラウドへ移行する手法は、前述のモダナイゼーション手法に相当するクラウド移行の考え方が6つ定義されています。直接関係するのは以下の4つです。 【参考】:AWS への移行

リロケート・リホスト アプリケーションやデータを変更せずにクラウド環境へ移設する手法です。

リプラットフォーム アプリケーションをコンテナ化しクラウドネイティブとして使用します。

リファクタ 内部コードを修正し、クロスプラットフォーム対応させクラウドで使用します。

上記の他に再購入による環境入れ替えや、保持や廃止も移行オプションとして定義されています。 【参考】:AWS規範的ガイダンスでアプリケーションをモダナイズするための戦略AWSCloud

AWS Mainframe Modernizationの概要

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AWS Mainframe Modernizationの概要情報として、以下のポイントがアナウンスされています。

移行性向上とコスト削減 クラウド移行を促進しモダナイズすることで、従来の維持コストや運用コストを低減します。

リファクタのツール提供 ソフトウェア・ツールを活用し、従来のアプリケーションをクラウドアプリケーションに転換します。

コストをかけずにメインフレームをモダナイズ メインフレームモダナイゼーションにより、必要なコンポーネントを選択し余分なコストをかけずにデプロイ・実行可能です。

なおサイト情報は2021年12月現在プレビュー版ですので、今後記載内容に変更の可能性があります。 【参考】:AWS Mainframe Modernization

AWS Mainframe Modernizationの移行ステップ

AWSが提供するメインフレームモダナイゼーションの移行ステップは、次の4段階からなります。 ・ステップ1(Analyze) アセスメントを実施し、依存関係を確認します。その後移行の進め方をコード変更のインパクト分析とともに進めます。

ステップ2(Develop) 必要とされるコード開発に着手します。さらに追加機能を合わせてコード開発のステップで進めます。

ステップ3(Deploy) 実行環境と、それに合わせたアプリケーションを作成します。作成完了後環境に応じてデプロイを行います。

ステップ4(Operate) 実際のアプリケーションを起動し動作上問題がないか、環境・アプリケーション両面でモニターを継続します。 【参考】:Getting Started with AWS Mainframe Modernization

AWS Mainframe Modernizationの移行パターン

AWS Mainframe Modernizationサービスでは、2種類の移行パターンがサポートされています。 ・リファクタ COBOLのコードをJavaに置換するために、移行ツールで自動リファクタリングを進めます。初期リリースではBlu Ageのリファクタリングツールのみサポートされています。

リプラットフォーム メインフレーム互換のミドルウェアエミュレーションにより実行環境を置き換えます。この場合コード移行のリスクを最小化することができます。初期リリースではMicro Focus middleware emulatorのみサポートとなります。

どちらの方法で移行を進めたとしても将来的にマイクロサービス化を進めることに違いはありません。なお移行対象としてはCOBOL・PL/1・JCL・CICS等で、多くのメインフレーム資産が移行可能となります。

データベースはPostgreSQL互換のAmazon Auroraが推奨されています。移行するアプリケーションによってはAmazon RDS for PostgreSQLや自前で用意したデータベースでも構築可能です。 【参考】:AWS Mainframe Modernization FAQs

PostgreSQLとは?MySQL・Oracleとの違いを解説

AWS Mainframe Modernizationのツールと料金体系

AWS Mainframe Modernizationでオプション利用可能なツールはマイクロフォーカス社のツールです。 ・AWS Mainframe Modernization Micro Focus managed runtime  アプリケーション実行ランタイムです。

・AWS Mainframe Modernization Micro Focus developer   移行を支援する開発環境が提供されます。

サービス料金体系は必要とされる上記コンポーネントのプラン選択に応じて課金されます。さらに使用インスタンスに応じて金額が設定されています。この他モダナイゼーションのステップに応じてAnalyzerやRefactoringを行いますが、ビルドツールやAnalyzerは追加コストなしに利用可能です。 【参考】:AWS Mainframe Modernization Pricing

メインフレームモダナイゼーションの求人

AWSでは「Mainframe Modernization Architect」という職種を自社サイトで求人しています。AWSではこの領域のニーズが高いと判断していると考えられます。 【参考】:amazon jobs Mainframe Modernization Architect

メインフレームエンジニアの活躍の場が期待できます

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基幹システムの場合はこれまでクラウドサービスとは無縁でしたが、今後モダナイゼーションのサービス利用により移行事例が増えていくと考えられます。COBOL経験者は旧来のメインフレーム環境のみならずクラウドでも活躍の場が提供されます

AWSでも「Mainframe Modernization Architect」として採用が進められていますので、今後もシステム移行のニーズに応えられるよう準備をおすすめします。

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