DXに貢献するHRテック企業に注目し、キャリアアップを図ろう
HRテック企業
DXに貢献するHRテック企業に注目し、キャリアアップを図ろう
システム運用
アンドエンジニア編集部
2021.07.15
この記事でわかること
HRテックはDXの1つであり、AIやクラウドなどの最先端技術を利用した人材活用や組織の活性化、効率化を目指す仕組み
HRテックは人事部門の定常的業務からの脱却と戦略部門への脱皮を可能とする新しいテクノロジー
HRテック市場は非常に有望な市場で、今後も高い成長が見込まれ、ITエンジニアには大いに活躍できる場がある

HRテックとは?

HRテックとは

ITエンジニアの皆さんは、「HRテック」という言葉を聞いたことはありますか? HRテックは、人事部門や人事システムの開発に従事する方々にはよく知られるようになった新しいテクノロジーの概念です。この記事では、HRテックについて分かりやすく解説し、HRテックの開発で注目されている企業について取り上げていきます。HRテックなんて興味がないという方、実はHRテックは今ブームのDXそのものなのです。ぜひ最後までお読みください。

HRテックは人事DX

HRテックとは、人的資源や人事の意味を表すHR"Human Resource"とテクノロジー"Technology"から生まれた造語であり、"Human Resources Technology"の略語です。採用・人材育成・人事考課・勤怠関連などの幅広い人事業務で、AI・ビッグデータ・クラウドなどの最先端技術を利用して、人材の活用・組織の活性化・効率化を目指す仕組みをHRテックと呼んでいます

この説明を聞いて、「HRテックなんて、従来からある人事管理システムの名前を変えただけじゃないか?」と思われた方もいるでしょう。実際には、従来からあるパッケージをリニュアルして、HRテックと称して販売しているベンダーもありますが、HRテックは、人事業務の抜本的改革を可能とする人事DXと呼んで良いでしょう。

HRテックが必要な理由

今、HRテックが注目されている主な理由は、以下の3つです。

・少子高齢化による労働力不足、団塊世代の一斉退職などによって人材不足が起きた

・働き方改革の動きによって生産性向上の必要性が求められている

・時短勤務、シフト勤務、リモートワークなどの多様な働き方に対応する必要が生じた

こうした流れに対して、従来型の人事管理手法では対応することが困難になりました。「終身雇用制度」「年功序列」「新卒一括採用一括入社」といった伝統的な日本の雇用体系が崩れ、雇用の流動化や働き方の多様化の中、DXが追い風となって、最新テクノロジーを活用した新たな仕組み登場し、注目を浴びたことが大きな転機となりました。

一方、人事部門は勤怠管理・給与計算・人事異動といった定常的業務の遂行から脱却し、「人事戦略」による経営への貢献が求められています。終身雇用制度が崩壊し、中間採用やキャリア採用といったフレキシブルな採用活動も当たり前の時代となりました。こうした中で、人事部門は機能や仕事の全面的な見直しを迫られています。対応が困難となっていたのです。

以上のような背景があって、HRテックへの期待が高まっているものと考えられます。

HRテックは人事システムとは違う

HRテックを従来型の「人事管理システム」と同一視する人がいますが、次の3点のいずれかを満たしていれば、HRテックとして認められています。

・最先端技術のクラウド、ビッグデータ解析、AIなどの最先端技術を利用した人事DXとも呼べる仕組である

・定常業務から脱却を導き、「人事業務の刷新」に寄与できる仕組みである

・PCやモバルイ端末などを活用し、リモートワークや働き方改革に対応した仕組みである

HRテック市場は急速に拡大しており、中にはブームに便乗した製品も一部にはありますが、しっかりと見極め、導入の目的を明確にして製品の選定をすることが求められます。

HRテック導入によるメリット

メリット

HRテックの概要や、必要とされる理由などについては理解できたかと思います。では、HRテックを導入することでどんなメリットを得ることができるのでしょうか?

1.人事関連業務の効率化

これは最もイメージしやすい効果、メリットの1つです。勤怠管理を例に見てみましょう。出退勤の時間を記録する方法は、ハンコからタイムレコーダー、さらには端末入力・生体認証などへと変遷していますが、シフト勤務やテレワークの普及によって限界が生じています。

また給与計算も、勤務時間をベースとした計算が主流です。働き方改革を主導すべき部門で、行われている定常業務は旧態依然の状態にあります。

この定常業務からの脱却・改革をしない限り、「働き方改革」は絵に描いた餅状態です。

これを解決する鍵が、HRテックです。HRテック製品には、こうした人事部門の業務を効率化し、人事部門の戦略部門への転換をサポートする仕掛けが盛り込まれています。あるべき人事の姿を明確にし、自社に合ったHRテック製品を導入することで、人事改革が可能となります。これがHRテック導入の最大のメリットです。

2.人的生産性の向上

HRテックによって、人材情報の蓄積と定量的な分析が可能になります。人材データを利活用した人員配置や異動を進めることで適材適所の人事政策が具現化し、組織の活性化や生産性向上を図れます。

HRテックの目的には従業員の能力を最大限に引きだして、そのポテンシャルを高めることがあります。従業員1人1人が自分の能力や適性に合った部門に配属され、自らのを能力を最大限に発揮することで、組織目標と個人目標が融合し、強い組織を実現するのです。

3.人材確保の強化

自社に必要な人材を確保することが採用活動の目的です。採用後、HRテックは従来は縦割りになっていた採用と人事・労務と教育などに関する従業員のデータを一元管理し、採用後もトレース・フォローが可能になります。これによって、最適な採用・教育・人事の実現に向けたスパイラルアップを繰り返しながら、自社の求める人材確保の体制構築を目指すことができます。

4.人事評価の適正化

人事評価制度に対する不満は、各社で見受けられます。しかし、その中身に踏み込むことはなく、人事評価データを単なる昇給、昇格のデータとしてしか取り扱っていない企業もありました。「元気である、行動的だ、上司の受けが良い」といった人が高い評価を得るような属人的人事評価が横行し、不公平感が生まれ、正当な評価をされない従業員のモチベーションが低下するといった問題がどこの企業でも見受けられました。

HRテックは、従業員1人1人の業績、貢献度などの客観的データの蓄積と提供を可能とすることで、属人的評価から客観的・合理的評価への人事評価の変革を支援します。適正で公平な人事評価制度は従業員のモチベーションをアップし、企業の活力ある組織づくりを促進してくれます。

優れたHRテック企業ランキング

企業ランキング

人事のDXとして注目を浴びるHRテックですが、ここでは優れたHRテック企業の一例を紹介いたします。ここで紹介するのは、第5回 HRテクノロジー大賞を受賞した日本アイ・ビー・エムと、「HR Tech GP2019 Final 」の受賞企業3社の計4社です。これら企業の事例に学び、学んだことをぜひエンジニアの皆さんの成長に活かしてください。

日本アイ・ビー・エム(第5回HRテクノロジー大賞)

日本IBMは、自社のAI技術であるWatsonを駆使したE-ラーニングシステム『Your Learning』を活用して社員教育を推し進め、継続して学ぶ文化の醸成を実現しています。『Your Learning』にはSNS機能を利用して各社員が自律的に学習する仕掛けが組み込まれており、『Your Learning』利用による社員の学習時間の大幅な増加、社員のエンゲージメント向上などの優れた成果が高く評価されて大賞受賞となりました。『Your Learning』は、 LearningDX製品として高い注目を浴びています。

株式会社KAKEAI 「HR Tech GP2019 Final グランプリ受賞」

KAKEAIは、マネジメントの属人性という面に着目し、マネジメントの要素を脳科学に基づき、独自のUX・UI技術を用いてそれらをデータ化し、プロダクトとして成立させました。KAKEAIはマネージャーとメンバーをつなぐマネジメントナレッジのプラットフォームとして、個々人のアイデアや知見・思いが共有され、展開することを実現した点がが高く評価さています。

株式会社トランス株式会社(現アッテル) 「HR Tech GP2019 Final  人事賞受賞」

「アッテル」は、AIが採用候補者の入社後の活躍・早期退職を予測するサービスです。採用から退職に至るまでの 人事データを一元管理し・分析ができる基盤、さらにはHR に特化したAIの予測アルゴリズムを備えています。人材採用において、これまでのように「勘」や「経験」に頼らず、事実とデータに基づいて自社従業員と採用候補者を比較・分析し、入社後の活躍や早期退職の可能性を高い精度で予測することを可能にしています。

株式会社soeasy  「HR Tech GP2019 Final  オーディエンス賞受賞」

「soeasy buddy」は、簡単にスマホ動画のマニュアルを作れるサービスです。組織の1人1人のメンバーが持つスキルや知識を分かりやすい動画でシェアし、学び合うことで組織力を強化できます。例えば、営業トーク・クレーム対応の応酬話法・オペレーションのマニュアルなど、組織が持つあらゆるノウハウを蓄積し、組織の成長を支援していきます。

HRテック市場の動向と将来性

将来性

DXブームや働き改革と相まって、HRテックは非常に注目されていますが、その動向や将来性はどうなのでしょうか?HRテックの市場規模・将来性・エンジニアとしての可能性などについて見ていきましょう。

HRテックの市場規模

HRテック市場は成長途上と言われますが、今後はどのように推移していくのでしょうか?この点について、調査機関であるミック経済研究所のレポートを見る限りは、今後も有望な成長市場であることが分かります。

日経新聞によると、2019年度のHRテック市場は規模は342.2億円、2020年度は426.0億円と力強く成長しています。Withコロナの2021年度でも前年比132.9%の566.0億円が見込まれており、2025年には1,710億円の市場規模で、2020年の4倍になると予想しています。

HRテックの将来性

HRテックの市場を牽引しているのは、採用管理や労務管理などの管理系のシステムや製品が中心です。これはDXがレガシー系システムのリプレイスからスタートとしていることが想定されますが、今後は従業員のモチベーションアップや人材強化などの非管理系システムにシフトしていくでしょう。

また、人事部門を定常業務から解放し、より創造的で戦略的な役割を果たせる部門に脱皮させるためのさまざまな仕掛けが登場してくるかもしれません。DXがやっとスタートしたばかりの日本では、HRテックはこれから大きな成長が期待される分野と言っても間違いではないでしょう。

ITエンジニアとしてHRテックを推進する

ITエンジニアである皆さんにとって、人事は実は非常に近い存在です。採用面接・入社後検収・勤怠管理・給与計算・人事評価・異動・コンプライアンスなど、あらゆる場面で人事のお世話になっているはずです。それら人事の変革につながるHRテックは、ワーカーである皆さんの活躍の場をさらに広げてくれるでしょう。

また、DXは企業が再生するためのカギですが、DXの1つであるHRテックの開発や導入も重要な要素です。次代を担うITエンジニアの皆さんは、HRテックの開発や展開にぜひ積極的に参加することをおすすめします。

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