
目が疲れているエンジニア必見!今すぐできる簡単ストレッチで目の疲れを吹きとばせ!【動画あり】
エンジニアといえば目の疲れ、と言っても過言ではないほど、エンジニアはディスプレイを見つめっぱなし。
朝起きたらスマホで最新の技術情報を調べ、日中は仕事で一日中ディスプレイを見つめ、夜はSNSと技術調査でまたスマホを見つめる…そんな毎日になっている人も少なくないだろう。
目の疲れが慢性化している…どうやって目の疲れを取れば良いのかわからない…。
そんな悩みを抱える人のために、NODAPAI GYM(地図)を経営するパーソナルトレーナー「のだぱい」が、「今すぐ眼精疲労に効くストレッチ」のやり方を動画付きで教えてくれた。
(エンジニアの姿勢とストレッチについて基礎から解説してくれた前回記事はこちら)

細かい話の前に!今すぐ1分でできる「目のストレッチ」

皆さん忙しいと思うので、説明はあとにして、いますぐできる目のストレッチを教えますね。

展開が早くて助かる〜〜!

スマホで読んでいる人向けに説明しますが、PCで見ている人でもやり方は大きく変わりません。 もちろん、強い痛みを感じるようであれば無理せず中止してくださいね。

記事を読みながらできたほうが良いと思うので、まずスマホを顔の正面にもっていきます。 そして、記事を見たまま、空いている手で片目を覆いましょう。


次に、「首を絶対に回さん!!!目だけ動かす!!」という強い気持ちを持ってください。 持てました?

借金で首が回らなくなった時のことを思い出しています。


上のgifのように、スマホ画面を視界の外側に持っていきながら、目でそれを追っていきます。 gifなので早送りになってますが、だいたい深呼吸を1回している間に「もう目が外側を向けない!」というところまで持っていければオッケーです。 首を回しちゃうと意味がないので、目だけで追うことを意識します。

うお〜〜〜〜目が変な感じします! 外側を見続けるって難しいですね、目が戻っちゃう。

スマホ画面に目線で食らいつく!という気持ちでやるとキープしやすいですよ。 目って意外と後ろまで回るので、いけるようであれば真横よりさらに先を目指しましょう。 これができたら次は反対の目もやってみましょう。

頑張ってスマホ画面を追いかけると、たしかに180度を越えたとこまで見えますね。 新感覚だ。

やってみてどうですか?

両目やるとちょっとスッキリした感じがします!! なんだろう、目の中がストレッチされた感じがありますね。

仕事で目が疲れたらやってみると良いですよ。 ただし…そもそも画面を見つめること自体、テクノストレス(ディスプレイを見つめることによる疲労)がかかって目に悪いので、次やるときは自分の指を目で追ってやってみてください。

どうしてこれで目の疲れが取れるんだろう。 どちらかというと目をいじめている動きですよね。 無理やり外側を見ているし。

前回の記事でも説明しましたが、筋肉のコリを取るためにはマッサージだけではなくストレッチやトレーニングのような動きをすることも大切なんです。 この記事の後半で、なぜこのストレッチが効果的なのかを説明しますね。

わーい!
眼精疲労は寝ても治らない!?

ところで皆さん「眼精疲労」ってどういう意味かご存知ですか?

「目がしんどくてどうにもならん」くらいの意味で使ってますよね。

大体あってます。 日本眼科学会のWebサイトでは「眼精疲労とは、視作業(眼を使う仕事)を続けることにより、眼痛・眼のかすみ・まぶしさ・充血などの目の症状や、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態」と定義しています。

いろんな症状をまとめて眼精疲労と呼んでいるんですね。

大事なところは最後の「休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態」のところです。 眼精疲労は寝ても完全には回復しないんです。

えっ、じゃぁもうこの記事終わっちゃうじゃないですか。

そこで終わらせないために私がいるんですよ。 休んでも回復しないときは何をすればいいと思いますか?

薬を使う? 目が充血しているときは目薬を使いますよね。 昔ドライアイになったとき、2000円くらいする目薬を使ったことがあります。

薬はただの対症療法なので、それですべて解決というわけにはいきません。

確かに、目が潤っても奥の方になんかダルい感じが残ることがあります。

そんなときに効くのが最初にやったようなストレッチです。 肩こりも、湿布や塗り薬だけではダメで、マッサージやストレッチすることも重要ですよね。 目も一緒なんです。

え、目はさすがに肩の筋肉とは違うんじゃないですか?

そう思いますよね。 具体的に目が疲れる仕組みを見ていくと、答えがわかりますよ。
画面を見るだけで緊張しっぱなし?目の筋肉を理解しよう

エンジニアのみなさんがバグ修正で画面を見つめているとき、目のどの筋肉が酷使されてると思いますか?


目のピントを合わせる筋肉かな?

目のピント調節は、毛様体筋といって、眼球に中にある筋肉の仕事ですね。 「目を使う」というと、たしかに毛様体筋をイメージする人が多いです。 ただ、他にも酷使されてる筋肉があるんですよ。

え、何だろう…。 コードを追うときに目を左右に動かすから、その筋肉は使いそうですよね。

お!いい線いってます。 目を左右に動かす筋肉は上の図でいうと、主に内側直筋(ないそくちょくきん)と外側直筋(がいそくちょくきん)にあたります。

漫画『嘘喰い』では、この筋肉が異様に発達していて、動体視力が常人を遥かに超えているキャラが出てきましたね。

読んだこと無いのでちょっと何言ってるかわかんないですね。

ただ、これらの筋肉って、目で何かを追う以外にも使われるんです。 エンジニアの皆さんは特に使っているんですけど、わかりますか?

う〜ん、上司に激詰めされて視線が泳ぐときとか?

まぁそういうこともありますが…。 実は、ディスプレイを見つめているだけで、内側直筋を酷使しているんです。 例えば人間がディスプレイを見ているとき、上から見ると目はこうなっています。


近くの文字を見るために、内側直筋を縮めて、寄り目がちになるわけですね。 皆さんはデバッグの際に一文字一文字細かく見ることもあるでしょうから、寄り目が続いているはずです。

あ〜、なるほど。 近くを見るときって、水晶体だけ変化しているイメージでしたが、眼球も寄り目になるように動いているんですね。

逆に、遠くを見ているときは外側直筋が収縮しています。


今度は相対的に離れ目になっていますね。

人間は、数百万年の間、日中には獲物を狩り、夜は洞穴で家族と食事したり道具の手入れをして暮らしていました。 つまり、狩りで遠くを見つめる「離れ目」と、道具を作る「寄り目」を使い分けていたんです。

ところがエンジニアはどうでしょう。

ずっと寄り目だ…。 大草原の動物を追いかけるのではなく、テキストエディタの小さな文字を追いかけていますね。

エンジニアは寄り目にする筋肉、つまり内側直筋を一日中緊張させているうえ、遠くを見ないので外側直筋が弱くなっている。 つまり、筋肉が凝り固まってバランスが悪くなっているんですね。 これが目の疲労感の原因のひとつです。

最初のストレッチで外側を見ようと頑張っていたのは、この話につながってくるわけですね。

前回の記事で詳しいメカニズムは説明しましたが、筋肉にバランス悪く負荷をかけることはいろいろな問題を引き起こします。 「眼精疲労は寝てるだけでは治らない」と最初に説明したとおり、内側直筋ばかり使うことで起きた問題はただ寝ているだけでは治りません。 ストレッチをするか、反対側の筋肉、つまり外側直近を鍛えることで解決できます。 解決方法について、一緒に見ていきましょう。

わーい!
どうすれば目の疲れは取れる?ヒントは「バンプ」

まずは、日常的にできる方法をご紹介します。 内側直筋と外側直筋のバランスを整える、おすすめの趣味があるんですけど。 ヒントは「バンプ」です。

え?「バンプ」ってなんだ…? バンプ…バンプ…BUMP OF CHICKEN…? BUMP…遠く…見る…(中学生の思い出が走馬灯のように駆け巡る)…。

「天体観測」だ!!!!!!

そうです! 重要なことは、①遠くを②じっと見る、ということです。

昔「遠くの森をぼーっと見ると目に良い」みたいな話が流行った気がしますが、「ぼーっと」ではなく「じっと」見ることが大切なんですね。

ぼーっとやっててもストレッチ効果が薄いので、意識することが重要です。 都会だと星もなかなか見えないと思うので、作業の休憩時間に窓から外を見るのもいいと思います。 遠くのオフィスの窓の向こうでデバッグしているエンジニアを観察するのもいいし、緑は目にいいので、100m先の街路樹の葉っぱの葉脈まで見つめるくらいのつもりで遠方凝視しましょう。

今はリモートワークで一日中家にいるので、遠くを見ようにも家の壁に阻まれる、という人が多そうです。 目が疲れたなと思ったら、ベランダに出たり散歩に出たりして、あえて遠くをじっと見ると、内側直筋の緊張が解けてリラックスできるかも。

もちろん、単純に目を閉じて休むのも大切です。 日常生活で、目を開けておく必要がない時間って意外と多いんですよ。 ぼくはトイレで用を足す時とか、手を洗う時も目を閉じて瞑想してます。

目を休める方法として、目を温めるタイプのアイマスクってありますよね。 あれって疲れに効果あるんですか?

血行を促進するという意味で効果はありますよ。 ただ、サウナ→水風呂のように、温冷交代浴のほうが効果があるので、温めるだけではなく、本当は冷やせると良いです。

そうか…目の周辺だけサウナに入っていると考えるとわかりやすいし実践しやすいですね。 自宅なら顔を洗うとか氷で冷やすとかできそう。
どうして目が疲れると肩が凝るの?

よく、目が疲れると肩が凝るって言いますよね。 どういう仕組なんですか?

目が疲れると、自分の重心コントロールで物を見ようとするので、頭部や胸部の不良姿勢を助長します。 細かいところを見ようとして身を乗り出して画面を見る人がいますよね。

あー、意識してないけどたぶんやってますね。 目でピント調節するんじゃなくて、首を曲げて顔をディスプレイに近づけちゃってます。

前回の記事でもやりましたが、姿勢が悪いと胸部の筋肉が拘縮(硬く凝って縮むこと)をして、呼吸が浅くなりますよね。 そうすると、努力呼吸といって、斜角筋群や僧帽筋を使って胸式呼吸してしまい、それが肩こりを助長するというメカニズムも考えられます。

なるほど…知らぬ間に変な呼吸になって肩に余計な負担がかかっているんですね。

エンジニア向けということで、もっと細かいことを言うと、近くを見るときは本来、副交感神経系が優位なんですが、それが乱れて交感神経系が優位になることで、努力呼吸になってしまい、肩が凝る…という説明もできます。
動画付き!今すぐできる目のストレッチ方法

最初にやったトレーニングを細かく解説した動画を撮っておきました。

うれしい〜!

気になることがあるんですけど…。 このトレーニングは、外側を見ることで、内側直筋を伸ばそう、というのが目的ですよね。 でも、まぶたを閉じても中で眼球が動いちゃいます。 たとえば右目で外側を見ようとしてる時、左目は手で隠していても、目が動いて内側直筋が収縮しちゃってません?


確かに内側直筋は収縮しています。 ただ、実際に物を見ていないから、視神経への刺激が緩和されます(知覚を司る求心性の神経は活性化しない)。 閉じてる方はそれほどトレーニングにはならないので、大丈夫なんですよ。

このトレーニングは月に一度でもできると十分効果があります。 やりすぎると脳や神経が疲れてしまうので、それくらいのペースで十分ですよ。
目を時計回りに回すストレッチ

このストレッチは、自分の目の前に直径2m位の時計を用意して、その秒針を目で追っていく、と想像しながら目をぐるっと回していくのが重要です。

目の前に存在しないはずの巨大な時計をイメージする…まるで漫画『刃牙』シリーズのトレーニングみたいだ。

ちょっと何言ってるかよくわかんないですね。
内側直筋のストレッチ

これは、自分で筋肉を押したり揉んだりするように、内側直近を自分の指で押して伸ばしていく、というものです。 自分で外側を見る+自分で外側に押していく、という2つの力を合わせて筋肉を伸ばしていきます。

そうか、眼球をゆっくり押せば目の筋肉は直接ストレッチできるんですね。 これやってみるとめちゃくちゃ気持ちいい…。

今日覚えたストレッチを休憩時間にちょっとやるだけで、その日の目の疲れが全然違いそうです。 いろんな人に勧めていきたいですね。
ライター

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