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新しくなったNotionはどう変わった?エンジニアに便利な機能を試してみた【前編】
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新しくなったNotionはどう変わった?エンジニアに便利な機能を試してみた【前編】

金子 茉由
2023.07.11
この記事でわかること
Notion AIとは
Notion AIが活用できる「Notionプロジェクト」とは
「Notionプロジェクト」の使い心地や想定される活用シーン

あらゆる情報の一元管理ができるコネクテッドワークスペースとして人気のNotion。

ドキュメントの作成・共有だけではなく 、社内Wikiの作成やプロジェクト管理にも活用できることから、個人だけでなくビジネスでの利用も増えてきています。

2023年2月には新たに「Notion AI」が登場し、さらに業務を効率化するアシスタントサービスとして注目を集めました。そんな「Notion AI」に、このたび新機能『Notionプロジェクト』が追加されたとのこと。早速使用感を試してみました!

Notion AIとは?

Notion AIの機能

まずはNotion AIの基本的な機能についてご紹介します。

Notion AIは、Notionのワークスペース内で人工知能(AI)を活用できるサービスです。Notion内で文章作成をする際に、文章の生成や要約、校正や翻訳などを行ってくれる機能で、Notionのワークスペース上で“すぐに”“手軽に”利用できるのが特徴です。

Notion AIでできること

ここからはNotion AIを用いて何ができるのか、実際に試してみます。

ページ上でスペースキーを押すだけで、以下のようなAIアシスタントが登場します。

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<文章を生成する>

まずはAIの精度をお手並み拝見。

ボックスに「アンドエンジニアというメディアについて教えて!」と入力したところ、以下のような文章が生成されました。

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さすがのAI。きちんとメディアの特徴をとらえた説明がなされています。より詳細な説明が必要な場合は、「続きを書く」や「長くする」を選択するとよさそうです

<要約する>

次に、以前当メディアにて掲載された記事の「要約」をAIに依頼してみました。

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上段の青地の箇所が原文で、ボックス内の文章がAIによる要約文となります。

文脈上、存在しなくても通じる文言を省略してシンプルにまとめてくれました。長い記事や論文などの概要をつかみたいときに、充分に活用できそうです。

<ブレインストーミング>

今度はアイデア出しをNotion AIに手伝ってもらいます。「次についてのアイデアのブレインストーミング」というコマンドを選び、「アンドエンジニアのコラム記事」と打ち込むと……

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10個ほどのアイデアを提案してくれました!さらにこれらのテーマを選択し、「長くする」というコマンドを実行すると、各テーマの概要が表示されます。

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<To Doリストを作成する>

多くのビジネスパーソンが日常的に作成しているであろうTo Doリストに関しても、Notion AIを使えば簡単に行えます。コマンドから「To Doリスト作成」を選び、テーマを打ち込みます。

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即座にTo Doが作成されました。もちろん必要に応じて、自由にタスクを追加、修正することが可能です。

今回ご紹介した内容以外にも、Notion AIのテンプレートを利用することで、プレスリリースやSNSへの投稿文のほか、エッセイや詩、職務経歴書や営業メールの生成などもAIに依頼することができ、「文章作成」という側面でかなり守備範囲が広い印象です。

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Notion AIを使用するメリット

実際に筆者も、記事の構成案作成やアイデア出しの際にNotion AIを試したことがありますが、非常にシンプルな操作でストレスフリーに利用できる点が特徴だと感じました。

他のAI文書作成補助ツールと異なり、その後のドラフト作成からTo Doリスト作成まで、1つのワークスペース内で行える点が使いやすさの秘訣です

さまざまなアプリケーション間を行き来する必要がなくなりますし、使いたいときにさっと気軽にAIを呼び出せるのが何よりもの魅力です。

新機能「Notionプロジェクト」

これまでのプロジェクト機能との違い

ここまでは主に個人利用を想定した使い方をご紹介しましたが、Notionの最大の魅力は「チーム単位での利用」に関する利便性が高い点です

特にチームでプロジェクトを遂行する際に、プロジェクトにおけるさまざまな情報を一元管理できるメリットがあります。プロジェクトの目的や全体のスケジュール感、各メンバーのタスクなどを、1つのプラットフォームに集約することができるため、作業効率が高まるだけでなく、情報の抜け漏れを防ぐこともできます

実際にNotionのプロジェクト機能では、どのようなことができるのか確認していきましょう。

まず、プロジェクトのページを開くと、現在進行中のプロジェクトや完了したプロジェクトが一覧で表示されます

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さらに各プロジェクト名に紐づく「開く」ボタンをクリックすると、そのプロジェクトの詳細が表示されます。ちなみにプロジェクトの表示形式はテーブル形式やガントチャート形式など、目的に応じて使い分けることができ、各プロジェクトの概要や進捗状況が一目でわかる仕様になっています。

Notionにはこれまでも上記のような「プロジェクト管理」の機能が搭載されていました。ただし2023年6月のアップデートで、さらにその利便性が向上しました。特徴は主に、「AI自動入力の機能が備わったこと」「ユニークIDの設定が可能となり、GitHubプルリクエスト連携が可能となったこと」「スプリントボード機能が追加されたこと」があげられます

特にエンジニアのみなさんにとって活用機会が多いであろうこれらの機能を、順に確認していきたいと思います。

ポイント①AI自動入力

今回のアップデートでは、AIが自動で指示どおりにデータベースに⼊⼒してくれる機能が追加されました。方法としては、「AI要約」「AI要点抽出」「AI⾃動⼊⼒(カスタムの指⽰内容)」の3パターンがあります

<AI要約>

プロジェクトの詳細ページに、以下のとおりプロジェクトの概要を記載してみました。

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プロジェクト一覧ページに戻り、「AIによる要約」を行うと、次のようにプロジェクトの概要が表示されます。

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今回は元々シンプルな概要でしたが、より複雑な意図を含んだプロジェクトや複数のプロジェクトが同時並行しているケースにおいて、関係者が概略を直感的に理解するために有効な機能だと感じました

また自動更新機能により、プロジェクトの内容が変更になると、要約内容も自動で変更になるという利点があります。(①プロパティを編集⇒②AIによる入力と画面を進めていき、「ページ編集時に自動更新」をオンにすることで自動更新機能を利用できます)

<AI自動入力>

ほかにも興味深い機能がありました。

プロパティで「ユーザー事例」と検索し、AIによる自動生成をオンにすると、実際の利用者がどのような価値を得られるか、AIが提案してくれます

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特にマーケティング関連のプロジェクトにおいて、市場調査やユーザーのニーズ分析を行う際に役に立ちそうです。

ポイント②ユニークID、GitHubプルリクエスト連携

こちらは特にエンジニアのみなさんにお勧めしたい機能です。

今回のアップデートで、データベースに⾃動採番の項⽬が追加され、プレフィックス(連番前の固定⽂字)が指定可能となりました。タスクやバグにユニークな識別⼦を付与できるため、GitHubとの連携しやすさが向上しました。

また、NotionタスクのユニークIDをGitHubのプルリクエストの件名に設定することで、両者のデータを⾃動紐づけできる機能も搭載されています。これにより、GitHubプルリクエストの更新に同期して、対応するNotionタスクを⾃動更新できるようになり、NotionとGitHubのそれぞれのステータスを変更する手間が省けるようになりました。

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GitHubプルリクエスト連携の一例。GitHubプルリクエストの更新に同期すれば、対応するNotionタスクを自動更新できる

ポイント③スプリント

新たに追加されたスプリントボード機能にも注目です。

Notionプロジェクトでは、各プロジェクト内にタスクが紐づき、そのタスクがデータベースとしてまとめられています。複数のプロジェクトにまたがるタスクを管理する際、従来のNotionではデータベース上での作り込みが必要でした。

そうした煩雑さを回避するため、今回のアップデートでは「スプリントボード」の機能が搭載されたとのこと。その結果、タスクをスプリント(2週間などの単位)で区切って管理することが可能になりました

以下のように、スプリントボード画⾯にて、タスクをステータスごとに分類して管理できることが特徴です。

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また、スプリント完了時に次のスプリントを⽣成し、⾃動で未完了タスクを移動する機能も加わりました。

未完了タスクは、「次のスプリントに移動」「バックログに移動」「現在のスプリントで保持」の3つに設定できるため、スプリントをスムーズに管理できるようになりました

「Notionプロジェクト」を体験して感じたこと

使い心地

当初よりNotion AIの機能については定評がありましたが、Notionプロジェクトにおいても、そのメリットは充分に享受できると感じました。

特に今回のアップデートでは、開発現場を想定した機能が複数追加されたこともあり、より「チーム」での使い勝手がよい仕様になっています。

プロジェクト管理者はもとより、各メンバーが「共通認識をもってプロジェクトを進めること」「Notionをハブとしてスムーズにプロジェクトを推進すること」にフォーカスしたサービスであるといえそうです

今回の記事でご紹介した以外にも、日本語⇔英語の翻訳機能もあり、たとえばAIを呼び出して「英語のプロジェクトの要点を、瞬時に日本語でまとめてもらう」といった使い方もできます。プロジェクト進行におけるさまざまなストレスを軽減するツールとしてもかなり有効だと感じます。

想定される活用シーン

Notionプロジェクトは、マーケティングプロジェクトや開発プロジェクトなどに携わるビジネスパーソンの利用が多いのではないかと想定されます。

特にエンジニアのみなさんであれば、アジャイル開発やスクラム開発のプロセスで、アップデートされたスプリントの機能を活用できるでしょう。

また新たに、プロジェクト管理ツールである「Asana」インポーターの機能が搭載され、Asanaデータのインポート読み込みも可能となりました。プロジェクト管理のあらゆる側面で利便性が高まったといえるでしょう。

「Notionプロジェクト」はエンジニアの業務効率化に役立つツール

Notionプロジェクトは、まさにNotionのプロダクト理念である「All-in-one workspace」を体現するサービスだと感じました。プロジェクトに関する一連の資料作成や、情報の集約、ワークフロー構築などをクラウドで一元管理できるのは大きな魅力です

また従来のNotion AIの機能や、既存のテンプレートギャラリーなどと併せて活用することで、さらに業務が円滑に進み、エンジニアの生産性向上に寄与するツールなのではないかと考えます。組織の状況に合わせて項目をカスタマイズできるなどの柔軟性もありますので、さまざまな形態のプロジェクトで利用価値の高いサービスであるといっても過言ではないでしょう。

まずは新しくなったNotionを、ぜひみなさんの目と手で確かめてみていただきたいと思います!

後編では、Notion Labs Japan合同会社のゼネラルマネジャー西勝清氏に、「Notionプロジェクト」の開発背景や今後の展開についてお話を伺います。お楽しみに!

ライター

金子 茉由
12年勤務した大手人材会社を退職後、フリーランスライターに転身。会社員時代からIT業界のクライアントとの相性がよく、さまざまなIT系企業の採用活動支援や、エンジニアのスキル開発・育成支援業務に携わってきた。いまの一番の関心ごとは、子ども向けプログラミング教育の未来について。
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