DevOpsエンジニアとは

DevOpsエンジニアは、IT関連の業務全般に対応するエンジニアです。DevOpsは開発部門と運用部門がシームレスに連携します。担当するDevOpsエンジニアは、開発工程から運用工程までカバーし特定の工程に留まらず、工程全般を見渡すジェネラリスト的な要素が求められます。
DevOpsエンジニアは、各工程を理解しながら全体の工程をカバーしますので、スキルの幅と深さが要求されます。
そもそもDevOpsとは
DevOpsとはソフトウェア開発手法の1つで、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた混成語です。日本語での読み方は「デブオプス」です。
開発担当者と運用担当者が緊密に連携する手法で、時間短縮と品質確保を目的としています。品質確保の観点でQuality Assurance(品質保証)とも連携しますので、品質を高めながら開発と運用をカバーします。

DevOpsのロードマップ
現実的にDevOpsエンジニアとして学習するには、何をどの程度学んでいくべきなのか疑問が出てくる方もいるでしょう。ここで1つの考え方として、Kamran Ahmed氏がGitHubで公開しているロードマップが脚光を浴びています。
このロードマップ解説ではエンジニア(デベロッパー)の役割を、フロンドエンドエンジニア・バックエンドエンジニア・DevOpsエンジニア・Reactエンジニア・Angularエンジニア・Androidエンジニア・Pythonエンジニア・Goエンジニア・Javaエンジニア・DBAエンジニアに分類しています。
そして、この各カテゴリーにおいて必要となるテクノロジー領域と知識・役割を定義しています。これを参考に、各自のスキルの過不足を確認し将来のスキル計画を立てることができます。詳細はリンク先をご確認ください。
【参考】:kamranahmedse developer-roadmap 【参考】:DevOps Roadmap
この「DevOps Roadmap」を見ると、開発言語・OS・仮想化・ネットワークからクラウド・コンテナ等の形態まで、また、セットアップ・管理・モニター、そしてCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールまで網羅されています。ここまで全て理解できれば本当にすごいことです。
DevOpsエンジニアの将来性
従来は開発は開発部門が、運用は運用部門が、というように組織の縦割りが一般的でした。そのため組織間の利害関係により重要な点が軽視されたり、時間を要したりという弊害が出ることもありました。
この課題を解決するために、組織間の連携を密に行い必要な情報交換を進めることで、開発部門・運用部門双方にメリットをもたらします。特に近年多様なアプリケーションが登場し、短期間でリリースする必要性が高まっています。品質を高めつつリリースを短サイクル化するには生産性向上も求められます。
この要求を満たすためにDevOpsが浸透していきました。さらに広範な業務を短サイクルで進めるにあたり、開発・運用全般に対応するDevOpsエンジニアの需要も高まっています。この流れは留まることなく、企業体制のモデルとして定着すると考えられます。
DevOpsの求人状況
DevOpsは先端の考え方ですので、直近の求人よりも今後の将来性を考えて検討します。
現時点で求人募集サイトを例にあげると、キーワード「インフラ」で年収500万から1,300万円ほどとなり、公開求人だけでも7,000件以上表示されました。キーワード「DevOps]の場合は、年収400万円から1,500万ほどと、上下の幅が拡大します。件数は残念ながら多いとは言えず、公開求人数は約500件となります。需要拡大はこれからのようです。
【参考】:マイナビAGENT SE・システムエンジニア インフラ 【参考】:マイナビAGENT SE・システムエンジニア DevOps
一方で先端企業においては現時点ですでにニーズがあり、クラウドサービスを展開しているGoogle社の自社職種募集サイトでは海外を含めて多くのDevOpsエンジニアの募集情報が掲載されています。同様にAmazonの自社職種募集サイトでも多くの掲載があります。
GoogleはGCPクラウド、AmazonはAWSクラウドサービスを運営していますので、DevOpsエンジニアの役割と重要性を認識して募集していると考えられます。
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DevOpsエンジニアの役割と業務

DevOpsは、多様化するニーズから生じる課題を解決するために、信頼性・生産性・スピードを向上します。
DevOpsでは工程をプラン・コード・ビルド・テスト・パッケージ・リリース・コンフィギュレーション・モニターに分類し、開発部門と運用部門で役割を定めます。部門同士はシームレスに連携し、運用のモニターから次のプランサイクルに循環します。運用時に入手した改善点は開発部門にフィードバックとして伝え、次のサイクルのプランに反映します。
DevOpsエンジニアは、このサイクルをスムーズに行うために IT全般の知識とツールを活用し、効率と品質を高める活動を行います。課題解決の目標達成のために、必要なITアプローチをCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)自動化ツールやアジャイル開発を用いて実現します。
インフラエンジニアとの違い
インフラエンジニアは、ITエンジニアの職種の1つです。システム要件に基づきインフラの設計・導入・構築を担当します。現在は業務が多様化していますので、たとえばウェブアプリケーションの場合、フロントエンドとバックエンドで業務が分かれています。そこで、それぞれのインフラを支える作業をインフラエンジニアが行います。
DevOpsエンジニアにおいては、担当をインフラに限定せずに開発工程から運用工程の連携が進むように対応していきます。つまりIT全般をカバーします。開発手法やプロジェクト手法もアジャイル型で行うことが多く、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールを活用しながら自動化を進めていきます。
そのため、最新のツールにも精通している必要があり技術の幅と深さが要求されます。
SREとの違い
SREは、Site Reliability Engineeringの略でGoogle社が提唱しているシステム管理と運用の考え方です。Googleのサービスを支えている仕組みをベストプラクティスとして広まりました。ここで用いられている考え方は、ソフトウェアエンジニアがシステム運用を担当することです。
SREのエンジニアは、ソフトウェア開発者が運用も担当します。開発と運用の両方のスキルを持つ人材となりますので、ハイスペック人材と言えるでしょう。作業工数の目標比率を設定し、自動化を推進します。この考え方に賛同した企業の公開情報をリストアップするGitHubサイトもあり、企業動向を簡単に確認できます。
【参考】:How they SRE
DevOpsの場合はソフトウェア開発者が全てを行うわけではなく、IT全般をカバーするエンジニアすなわちDevOpsエンジニアが担当します。そのためスキル要件はテクノロジー領域での大きな違いはないものの、どちらかというと開発スキルよりも全体の工程に関わる能力全体が求められます。
DevOpsエンジニアの平均年収

DevOpsの求人状況を見ると年収には幅があることがわかりますが、平均的にはどのくらいの年収を得られるのでしょうか。
DevOpsエンジニアの平均年収は500万〜800万円程度と言われています。幅広いスキルが求められるため、平均年収も他のITエンジニアと比べて高めです。参考として、同じく幅広いスキルが求められるプロジェクトマネージャーの平均年収を見てみましょう。
プロジェクトマネージャーの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は670万円(※2025年1月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のプロジェクトマネージャを参考にすると、平均年収891万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、プロジェクトマネージャーもやはり一般平均年収よりやや高めであることが分かります。
また、DevOpsエンジニアもプロジェクトマネージャーも、年収1,000万円を超える人も少なくないようです。自身のスキルへの評価が、年収にも直接影響してきます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
DevOpsエンジニア向けの資格を取るのも有効

DevOpsエンジニアに限らず、ITエンジニアには資格は必須ではありませんが、資格を取得することで知識やスキルが体系的に身につくので、効率的なスキルアップにもなります。また、資格を取得しておけば社内での評価や転職時の評価が上がることに期待できます。
特にこれからDevOpsエンジニアとして転職しようとしている場合は、資格によって客観的にスキルを証明できるため、1つの強み・自己アピールの要素となります。
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Professional Cloud DevOps Engineer 認定資格
Professional Cloud DevOps Engineer 認定資格は、Google Cloud 認定資格の1つで、Google Cloudなどのツールを使用した開発ライフサイクル全体における能力が認定されます。
具体的には、 CI/CDパイプラインの構築および実装、サイト信頼性エンジニアリングの手法の適用、オブザーバビリティのプラクティスの実装、パフォーマンスの最適とトラブルシューティングといった能力が問われます。
【参考】:Professional Cloud DevOps Engineer 認定資格 | Google Cloud
AWS認定 DevOps Engineer - Professional
こちらはAWSが提供しているAWS認定の1つです。AWSプラットフォーム上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する技術的専門知識が認定されます。
プログラミング言語でのコーディング、インフラストラクチャの構築およびオペレーティングシステムの管理、開発および運用のプロセスと方法論、CI/CDのシステムと手法の実装・管理、セキュリティ管理などにおける能力が求められます。
【参考】:AWS Certified DevOps Engineer - Professional 認定|Amazon Web Services
Microsoft認定: DevOps Engineer Expert
Microsoftでも、DevOpsエンジニア向けの資格を提供しています。DevOps Engineer Expertは、DevOpsエンジニアとしてMicrosoft DevOps ソリューションの提供を通じて、作業フロー、共同作業、コミュニケーション、ソース管理、自動化を設計し、実装するスキルを認定します。
Microsoft Azureでの管理と開発の両方に関する経験があり、少なくとも 1 つの分野で強力なスキルを持っていること、GitHubとAzure DevOps ソリューションの両方を実装した経験が必要とされており、Microsoft認定資格のうち、「Azure Administrator Associate」「Azure Developer Associate」のいずれか1つを取得していることが受験条件となります。
【参考】:Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert - Microsoft Learn
DevOpsエンジニアの需要が高まる前に準備を進めましょう

DevOpsの考え方は、「DevOpsDays Tokyo」で楽天やメルカリ・クックパッド等の成長企業も実績をアピールしています。組織間の壁をなくし効率的に開発・運用するアプローチは今後も各社取り入れていくと考えられます。
【参考】:DevOpsDays Tokyo
この流れを活かすために、関連テクノロジーやツールは今のうちに準備しておきチャンスを活かせるようにしておくことをおすすめします。また、DevOpsエンジニアとして役立つスキルを身につけたいと考えるならば、転職も1つの手です。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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