NFTアートが75億円で売れた理由とは?販売方法や作り方も解説
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NFTアートが75億円で売れた理由とは?販売方法や作り方も解説
アンドエンジニア編集部
2022.01.27
この記事でわかること
NFTアートはNFTによって唯一性を保証され、代替不可能なデジタルアートのこと
NFTアートは仮想通貨(暗号資産)によって取引され、仮想通貨の広がりとともに成長している
自作のNFTアートを売るには芸術性に加えてビジネススキルが必要である

NFTアートとは

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エンジニアの皆さんは、「NFTアート」という言葉を聞いたことがありますか?2021年の3月にあるデジタルアーティストの「NFTアート」作品が約75億円で落札されたというニュースが話題になりました。

NFTは仮想通貨そのものの代名詞になっていることがありますが、そのNFT技術を用いたデジタルアートが「NFTアート」です。数年前に大学生がビットコインで1億円稼いで話題になったことがありますが、この「NFTアート」も仮想通貨のアート版と考えれば理解がしやすいかもしれません。

この記事では、NFTアートの概要、注目される理由、なぜ高額で取引されるのか、NFTアートのメリットやデメリット、購入・販売方法などを簡潔に解説していきます。

NFTとは

「NFTアート」を理解するには、まずNFTについて知っておく必要があります。

NFTはNon-Fungible Tokenの略称で、「代替ができないToken(トークン)」と訳せます。Token(トークン))とは「しるし」や「象徴」を意味し、主にデジタルマネーや、PCなどの認証デバイスを指すことが多く、アイテムの所有権を示す手段として利用されます。

NFTは代替ができない所有権を表すためのトークンであり、NFTアートは唯一無二の所有権を表したデジタルアートや音楽作品などを指します。唯一無二の所有権というのは、複製ができないという意味です。ここにNFTの価値があると言えます。

NFTアートは代替不可能なアート

人類の歴史を振り返ると、何もかもが模倣やコピーの連続でした。有名ブランドショップの商品がコピー品だったというニュースもあるように、コピー技術は格段に向上しています。

特にデジタル分野では、コピーを防ぐための仕掛けが次々と生まれましたが、それらは次々と破られ、「代替不可能、唯一無二」であると証明するための技術はなかなか生まれませんでした。

それを実現したのが暗号通貨/仮想通貨の副産物であるブロックチェーン技術が生み出すNFTです。

つまり、NFTアートは「NFTによって唯一性を保証され、代替不可能なデジタルアートである」と定義できます。

ブロックチェーンとは?仕組みや使い道・注意点を分かりやすく解説

NFTアートの種類

NFTアートと聞くと、絵画をイメージする方が多いでしょう。しかし実際には、画像や写真、マンガ、動画など、デジタルデータであればすべてがNFTアートの対象になります。

NFTアートが高額で取引される理由

NFTアートはデジタルアーティストであるビープル(Beeple)氏のNFTアート作品である「The First 5000 Days」が約75億円という高額で落札されたことにより一躍有名になりました。なぜデジタルアートにこれほどの価格が付いたのか、多くの方は不思議に思われるでしょう。

しかし、現実世界では数十億円で落札されるものは少なからずあります。

実体のない暗号通貨/仮想通貨は急速に普及が進み、仮想通貨を法定通貨に定めたエルサルバドルのような国の例があります。手に触れることができないデジタルコンテンツが、仮想通貨と同様にNFTによって実体のあるものとして認知された結果、高額の値が付いたと考えると、理解ができます。

NFTアートはこれから伸びる?

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先ほど紹介した通り、NFTアートが数十億円という価格で取引された結果、NFTアートに注目が集まり、皆さんの中にも、NFTアートを取引してみたいと考える方がいるかもしれません。このNFTアートブームが一過性なのか、これからもNFTの市場は拡大していくのかが、気になるところです。NFTアートの可能性について見てみましょう。

NFT市場は急速拡大中

NFTデータ分析サイトとして知られる「NonFungible」の調査レポート「NFT Quarterly Report Q3 – 2021」によると、NFTの市場規模は2021年第3四半期だけで取引額60億ドルを超え、その内アートが9%を占めているということで、現在のNFT市場は急速に拡大しています。また経済産業省も注目しており、その成長が期待されています。

【参考】: ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査報告書概要資料(経済産業省) 2021年第3四半期NFT四半期レポート

NFTアートの将来性は高いが未知数も

NFTアートが一過性のブームなのか、それとも将来性が高いのか、気になるところです。各調査機関が暗号資産市場の伸びを今後10年間で数倍程度と予測していることから、NFTアートも高い伸びが期待されています。

日本ではまだNFTアートの売買ができるプラットフォームが少ない状況ですが、ソフトバンク系の「SBIアートオークション株式会社」が、※本邦初となるNFTアートオークションを2021年の10月に開催したように、日本にも次第にNFTアートが浸透しつつあります。 

とはいえ、NFTアートブームは始まったばかりで、今後大きく成長するのか否かは、まだ未知数の部分があります。

※【参考】:SBIアートオークション

NFTアートのメリット・デメリット

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NFTアートの概要については理解できたと思いますが、NFTアートに関する理解を深めるために、ここではNFTアートのメリットとデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

NFTアートのメリット

NFTアートのメリットは以下の通りですが、これらのメリットがNFTアートの人気を高めていると言ってよいでしょう。

1. 代替不可能なトークンのため、改ざんが不可能であり、唯一無二の価値が保証される 2. 誰もが参加でき、その購入や販売を行える 3. 保有することで将来的に価値が上がる可能性がある

NFTアートのデメリット

魅力的なメリットが多くあるNFTアートですが、歴史が浅いことによるデメリットもあります

1. 法制度が整っておらず、NFTアート作成者や保有者の権利が保障されない可能性がある 2. NFT取引では「ガス代」と言われる高額の手数料があり、取引の増加によって手数料が高騰するリスクがある 3. ビットコインの価格変動と同様に価格変動リスクがあるため、投資としてのリスクが高い 4. 取引には仮想通貨取引とデジタルアート作成の2つの関門があり、ややハードルが高い

今後、こうしたデメリットは次第に解消されていくと思われますが、参入が遅れると、先駆者メリットが得られなくなる可能性も否めません。

NFTアートの作り方や売買方法

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ビットコインで1億円を稼いだ大学生がいるように、NFTアートでも一般人のサクセスストーリーが少なからずあります。たとえば、8歳の子供がiPadのアプリで描いたNFTアートが最終的に370万円で取引されたという逸話があります。

では実際にどうすればNFTアートを作れるのか、どうすれば販売できるのかといった疑問にお答えしましょう。

NFTアートの購入方法と販売方法

NFTアートはデジタルデータであれば、何でも構いません。デジタル絵画以外にも、アニメやマンガ、写真などもすべてNFTアートとして販売可能です。中には著名人のTwitterのつぶやきのキャプチャ画像が高額取引された例もあります。

つまりデジタル化されたものは、NFTアートとして何でも売買することが可能なのです。

次に始め方ですが、まず分かりやすい購入手順から紹介していきます。

Ⅰ.NFTアート購入手順

ここからNFTアートの購入手順の概略について紹介します。詳細は各自でWeb検索をして手続きを行ってください。

1. 国内の仮想通貨取引所にアカウントを作成します。(NFTアートは仮想通貨で取引します) 2. ウォレット(ネット上の仮想通貨用の財布)を作成します。代表的なウォレットとしてはMetaMaskがあり、ChromeウェブストアからChromeの拡張機能としてダウンロード、追加ができます。 3. 仮想通貨取引所からウォレットに日本円で入金をします。入金した日本円で、仮想通貨のイーサリアム(ETH)を購入します。購入した仮想通貨は2で登録したMetaMaskに送金します。 4. ここでは世界最大のNFTプラットフォームOpenSeaを利用し、MetaMaskアカウントで登録をします。   ※NFTプラットフォームとしては他にCoincheck NFTやRaribleがあります。 5. OpenSeaでの登録が済むと、OpenSeaの会員ページにて条件検索をしてNFTアートを探し、購入します。

 【参考】 MetaMask Coincheck NFT Rarible OpenSea

Ⅱ .NFTアートの作り方と販売手順

NFTアートの作り方や出品方法について簡単に解説します。仮想通貨取引所への登録や、ウォレット作成は購入手順で紹介した1から4と同じです

1. デジタルアートや音楽、映像、画像などオリジナル作品を用意します。大半のクリエイターはPhotoshopやIllustratorなどの描画アプリを使って作成した画像をNFTアートとして販売していますが、iPhoneやiPadアプリで作成したものも売れています。 2. OpenSeaなどのプラットフォームで販売したいオリジナルアートに関する詳細を入力し、「Create」をクリックします。 3. 販売方法(固定価格、オークション、まとめ販売)を決めて、アップロードします。

NFTアートが売れない

NFTアートが高額で売れたという声がある一方で、全く売れないという声も多くあります。それは作品そのものの出来栄え以外にも、いくつか売れない理由があるからです。

よく、「作品に味がある」という言い方をしますが、売れるアートには味があります。それはストーリー性であったり、独特の世界観であったり、限定感であったり、何らかの惹きつける要素があるのです。

そうした要素が1つも感じられない作品はどうしても埋没してしまい、売れません。

また、売れる商品はプランディングやマーケティングがしっかり出来ています。TwitterやFacebook、instagramなどのSNSである程度知名度があり、フォロワーが多くいることも売れる条件の1つです。

世界的な画家のピカソは、最初は全く無名でした。売れるためには知名度を上げる必要があると考えたピカソは、人を雇って、あちこちの画廊で「ピカソの絵はあるか?」と聞いて回らせたのです。それでピカソという名前を先に売り、それから絵の売り込みに行ったそうです。

今はSNSという強力な武器がありますので、SNSで名前を売ってからNFTアートを出品すれば、売れる確率は確実に上がるでしょう。「売れない」と嘆く前に、以上の2つを見直してみましょう。

NFTアートを始めてみよう

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NFTアートを初めて知ったという方も、NFTアートの概要は理解できたかと思います。NFTアートはここ1〜2年で注目され、人気が高まりました。イラストが趣味の方、仮想通貨取引を行っている方は、NFTアートにかなり近いところに立っていることが分かったと思います。

NFTアートの世界では、日本も海外も関係ありません。ちょっとした才能とやる気があれば、あなたの作品が売れるかもしれません。この記事でNFTアートに興味を持ったエンジニアの皆さん、趣味と実益を兼ねてNFTアートに挑戦してみませんか

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