ブロックチェーンの活用は難しい?実装方法から事例まで解説
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ブロックチェーンの活用は難しい?実装方法から事例まで解説
システム運用
アンドエンジニア編集部
2022.01.08
この記事でわかること
ブロックチェーンは、分散台帳の実装方法の1種で「ブロック」を「チェーン」のようにリンクしたものです
高いセキュリティが確保されており、データの改ざんや漏洩を防止し安全な取引に利用できます
活用用途は広がっており、クラウドサービスでも利用が進んでいます

ブロックチェーンとは

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ブロックチェーンとはブロックレコードを暗号化し、分散ノード間でリンク接続したものです。2008年のSatoshi Nakamotoと名乗る人物が、暗号通貨ビットコインの原理として論文発表しました。その人物またはグループは現在でも正体がわかっていませんが、ピアツーピア接続の安全性の仕組みから、暗号通貨や分散台帳管理等のビジネス活用が進んでいます。

ビットコイン社はSatoshi Nakamoto氏との連名で作成した論文「Bitcoin : A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を自社サイトで公開しており、各学術機関からも論文としてアクセスできます。 【参考】:Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System

暗号通貨とは

暗号通貨はブロックチェーンの実装テクノロジーを利用しています。ビットコインは最初にリリースされたオープンソースソフトウェアの分散型暗号通貨です。強力な暗号技術により取引履歴の安全性が保障されます

なお、デジタル通貨には暗号通貨・仮想通貨・中央銀行発行デジタル通貨があります。暗号通貨が分散型暗号通貨であるのに対し、中央銀行デジタル通貨は中央集権的に管理されています。日本においては、中央銀行デジタル通貨の発行計画はないものの準備は進めると発表されました。 【参考】:「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」の公表について

ブロックチェーンをさらにわかりやすく

わかりそうでわかりにくい用語がいくつかありますので、ブロックチェーンの用語をさらに説明していきます。ブロックチェーンはビットコイン社をはじめとする暗号通貨だけではなく、広くビジネス活用されておりますので用語を理解し、活用方法を学んでいきます。

分散型台帳とは

台帳とはデータを記録する帳簿を表し、そのデータをデータベース化し再利用可能にしたものを指します。住民基本台帳などが代表的な国の台帳です。集中型台帳とはセンターのデータベースの情報を集約する方式で、従来から用いられている方式です。

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図:「集中型台帳」と「分散型台帳」

分散型台帳とは、ピアツーピア(P2Pノード間接続)でネットワーク接続されたノードの個々のトランザクション(取引)のデータを「ブロック」という情報の塊で格納します。そのブロックは改ざん防止のためハッシュ値とともに保存され、他ノードと分散格納されていきます。さらに、通信トランザクション(取引)の際は公開鍵で暗号化され情報流出リスクが低減されています。

改ざんするにはリンクされている前後のブロックとともにブロックとハッシュ値を変更し、ピアツーピア接続のノードにも接続する必要があります。そのため、データ改ざん・漏洩に二重三重に強いデータ保存形式となります。ブロックをチェーンの様にリンクして格納するのでブロックチェーンと呼びます。

ブロックチェーンの実装方法

ブロックチェーンは分散台帳の実装方法の1種です。「ブロック」を「チェーン」のようにリンクします。各ブロックには、トランザクション(取引)レコード・「ハッシュ値」「ナンス」が格納されます。

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図:ブロックチェーンの実装方法

ビットコインのマイニングとは

ブロックチェーンでは、ナンスから正当なハッシュ値を探す作業を「マイニング(採掘)」と言います。マイニングに成功したら、報酬として新たに発行される通貨を受け取ることができます。

なぜ報酬を受け取れるかですが、取引記録の完全性を保証するために分散台帳のデータの整合性をとる必要があるためです。その作業は膨大な計算量となり、自社のコンピュータでは処理が追い付かないので有志のコンピュータを借りて計算しています。この計算・追記作業を手伝った方に報酬としてビットコインが支払われています。

ブロックチェーンのメリット

ここでは、ブロックチェーンの代表的なメリットをまとめています。

分散台帳のメリット 集中型台帳とは異なりブロックチェーンでは分散配置されていますので、システムダウン時の影響を最小にできます。また、改ざん・漏洩の影響を最小化することもできます。

セキュリティ面のメリット ブロックチェーンではブロックをハッシュし、暗号化通信によりチェーンを構成しています。そのためデータの安全性・信頼性を高めています。さらに保存ブロックは原則削除できませんので、有効な改ざん防止となります。

コスト面のメリット 集中型台帳ではデータセンターに処理が集約されます。そのため全トランザクションを賄う処理性能がデータセンターのコンピュータシステムに求められます。可用性も考慮すると、設備投資はデータの重要度により相当な投資となります。

ブロックチェーンではピアツーピア接続のため小規模システムのノードでも処理できますので、システムコストの低減を図ることができます。

取引の透明性確保 ブロックチェーンでは、ハッシュ値・タイムスタンプ・トランザクション数等の取引内容をインターネットで公開しています。この情報は時系列に確認が可能でトレーサビリティが確保されています。

デメリットについてもお話ししておきます。

分散型の接続形態なため、低性能のサーバーを数多く配置すると、想定した性能向上が見込まれないことがあります。むしろ全体の性能低下が生じたり、増加するデータ分散管理がより複雑化することで全体性能を落としたりすることが挙げられます。

今後は量子コンピュータ等の高速演算型が台頭し、その処理能力を活用したハッシュ値解読等のハッキング対策等も検討が必要となってきます。

ブロックチェーンでできること

ブロックチェーンにも種類があり、種類によって使い道が異なります。概ね以下の3種類に分類されます。

パブリック型  参加者全員が管理し、誰でも参加可能です。  ビットコイン等の仮想通貨で利用されています。

プライベート型  ビジネス用途として特定の会社が管理し、参加には許可が必要です。  主に銀行間取引や金融・証券取引に用いられています。

コンソーシアム型  複数の企業・団体が管理し、参加には許可が必要です。  主に銀行間取引や金融・証券取引に用いられています。

稼働プラットフォームは、金融機関の取引台帳はR3/Corda等があります。企業向けではオープンソースのHyperledger FabricやEthereumを用います。クラウドサービスではAWSのAmazon Managed Blockchain等を利用し、アプリケーション環境を構築します。

ブロックチェーンの身近な例

ブロックチェーンの活用方法ですが、多様なブロックチェーン事業用途に利用が進んでいます

・金融システム  決済・為替・証券取引・送金の安全性と信頼性の確保  改ざん防止とトレーサビリティの活用

・電子ポイント  電子マネー・プリペイドカード・ギフトカード等の登録・取引記録

・資産管理  土地・固定資産の登記・所有者証明

・認証とコミュニケーション  本人デジタル認証・SNSの本人認証

・IT領域  保存データの保護

・商流・物流管理  サプライチェーンの保障とトラッキング  金・宝石・デジタルアセットの管理・保障・移転

このように多方面で利用が進んでいますが、例えばAmazon Managed Blockchainでは次のような事例に活用されています。 【参考】:Amazon Managed Blockchain

・貿易手続き 取引や関連書類を複数社間にまたがるブロックチェーンのネットワークで接続処理し、手続きの時間を短縮できます。この処理は金融資産の手続きと移動にも利用できる方法です。

・サプライチェーン 多くの会社にまたがるサプライチェーンの信頼性を確保します。宝石販売においては、トレーサビリティの機能を利用して信頼性向上が可能です。原産地管理も簡単にできます。

世界最大のスーパーマーケットチェーン「ウォルマート」でも、USやカナダにおいて食品管理にブロックチェーンを活用し、請求書システムや物流等においても取り組みを進めていることが伝えられています。

ブロックチェーンの広がる用途で事業化を目指しましょう

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ブロックチェーンは高いセキュリティが確保されているため、データの改ざんや漏洩を防止しトレーサビリティ用途でも活用できます。分散台帳管理のスタンダートとして、今後も用途は広がると考えられます。

クラウドサービスでも利用が進むブロックチェーンテクノロジーは、エンジニアとしてもおすすめの学習領域です。

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