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PythonのPandasの基礎知識
PythonのPandasの基礎知識を解説します。Pandasはデータ分析を行うなら、まずは知っておきたいライブラリです。Pandasとは何か、データ分析とは何か、という所から説明しましょう。Pandasという言葉を始めて聞いた方は、まずはここからお読みください。
PythonのPandasとは?
Pandasはデータ分析を行うためのPythonライブラリで、読み方は「パンダス」です。オープンソースのライブラリであり、誰でも無料で扱うことが可能です。Pandasには、Excelやcsvファイルのデータを読み取る、データの加工や修正を行うなどの機能が揃っています。
データ分析を行う際、最も時間がかかるのは前段階の処理と言われています。しかしPandasを使うことで、面倒な前段階の処理をスピーディーに終わらせて、分析作業に集中することが可能です。また、データの分析だけでなく、分析結果をグラフにして分かりやすく見える化することもできます。
Pandasの作成にはC言語が用いられています。C言語はコンパイラ言語であるため、処理が高速なのがメリットです。対してPythonはインタプリタ言語であり、処理速度が遅いです。Pythonだけでデータ分析を行うと処理速度の遅さがデメリットとなりますが、Pandasを使えばデータ分析を効率的に行うことができるのです。
データ分析とは?
データ分析とは、大量のデータから、有益な情報を導き出すことです。たとえば、Twitterにはユーザーが商品の感想について書き込みをしています。こういった書き込みを分析することで、商品改善に役立つでしょう。昨今SNSをやるユーザーが増えたこともあり、ネット上に多くの情報が書き込まれるようになったので、それらをどう活かすかは重要な課題となっています。データ分析を専門として行う人を、データサイエンティストと呼びます。データサイエンティストは、PythonのPandasを使う機会も多いでしょう。
Pandas以外のデータ分析ライブラリ
Pandas以外にもPythonにはデータ分析ライブラリが多くあります。基本的にはPandas単体で使うことは少なく、他のライブラリと組み合わせてデータ分析を行います。
たとえばMatplotlibというライブラリがあります。こちらはグラフを描画するライブラリで、2Dだけでなく3Dグラフも描けるのが特徴でしょう。他にも、Numpyという数値計算ができるライブラリも多く使われます。Pandasでデータの整形を行った後、Numpyでデータの集計作業などを行い、最後にMatplotlibで見える化する、といった感じに組み合わせて使います。
ちなみに、これらのライブラリはAnacondaを使えば一括でインストール可能です。
PythonのPandasで主にできること
PythonのPandasで主にできることをまとめました。Pandasの使い方は公式サイトのマニュアルに書かれていますが、日本語ではなく英語で書かれています。そのため、英語が読めない方は使うのが難しいでしょう。そこで、Pandasの基本的なメソッドを本記事で紹介します。
データを読む込む
Pandasは様々な形式のデータを読み込むことが可能です。たとえば、readcsvメソッドを使えば、CSV形式のデータを読み込めます。他にも、readexcelならExcelのデータ、read_jsonならJSON形式のデータを読む込むことが可能です。このように、データ形式によってそれぞれ別のメソッドが用意されています。
データを整形する
Pandasはデータを加工するメソッドも豊富です。たとえば、DataFrameオブジェクトなどを使えば、データの切り出しができます。また、DataFrameオブジェクトのsort_valuesメソッドを使えば、値による並べ替えが可能です。このような、データを整形するメソッドはまだ他にも多くあります。
データの特徴を分析する
DataFrameオブジェクトのinfoメソッドを使うことで、データの特徴を表示できます。他にもdescribeのように要約統計量を表示するメソッドや、データの一部のみを表示できるメソッドもあります。幅広いデータ分析の手段があるのが、Pandasのメリットでしょう。
PythonのPandasを使うメリット
次に、PythonのPandasを使うメリットをまとめました。Pandasを使わなくても、データ分析は一応可能です。しかし、特に初心者の場合はPandasを使うことをおすすめします。その理由を解説していきましょう。
機能が豊富
Pandasはとにかくデータ処理の機能が豊富です。たとえば、欠損値の補完や指定した列や行の抽出ができたり、文字列を数値に変換したり、といった作業が簡単に行えます。こういった処理をライブラリなしで行うのは、非常に大変です。
また、データ分析だけでなく、Pandasは機械学習にも使えます。汎用性の広さがPandasのメリットと言えるでしょう。
ネットの情報が豊富
Pandasはネットの多くの情報が掲載されています。Pandasの公式マニュアルは全て英語で書かれていますが、日本語でPandasについて分かりやすく解説しているサイトが多くあり、それらを参考に使っていくことが可能です。昔はPython関連の情報が少なかったのですが、近年はPythonの人気が上がっており、ネットの情報も増えています。学習しやすい環境が整ってきたと言えるでしょう。
Excelより大量のデータを処理しやすい
データ分析は一応Excelなどでも行うことは可能です。ただ、Excelの場合は大量のデータを処理すると動作が遅くなってしまいます。Pandasは大量のデータを読み込んでも、遅くなりにくいのがメリットでしょう。パソコンのメモリ容量に余裕があるなら、大規模なデータをPandasに読み込ませて、スムーズにデータ分析が可能です。
他のPythonライブラリと組み合わせて更に便利に
Pythonは他にも数多くのライブラリがあります。これらのライブラリとPandasを組み合わせて、更に効率的なデータ分析が可能です。上記で解説したもの以外にも、Scipyやscikit-learnなど汎用性の高いライブラリが多いです。こういったライブラリが多いことから、Pythonはデータ分析や機械学習に向いているとされています。
Pandasの使い方
最後に、Pandasの使い方についてまとめました。Pandasのインストール方法について解説します。pandasはpipコマンドを使うことでもインストールできますが、ここではAnacondaを使う方法を紹介します。Anacondaを使う方が後に他のライブラリも使いたいときに楽だからです。
Anacondaをインストール
まずはAnacondaをインストールしましょう。Anacondaは科学計算のためのPythonのディストリビューションで、無料で使うことが可能です。Anacondaを使えばPython本体とPythonライブラリを一括でインストールできます。初心者は環境構築で手間取ることが多いので、Anacondaを使うのがおすすめです。
Anacondaは公式サイトから最新版をダウンロードしましょう。ダウンロードが完了したら、ファイルをクリックして実行することで、インストールができます。
AnacondaからPandasをインストール
Anacondaのインストールが完了したら、Anaconda Navigatorを起動します。ライブラリのインストールはEnvironmentsから行うことが可能です。検索ボックスに「pandas」と入力すれば、pandasライブラリが出てくるので、インストールを行いましょう。また、他のデータ分析ライブラリもそのうち使うので、インストールしておきましょう。MatplotlibもNumpyも同じ手順でインストール可能です。
PythonのPandasを使いこなして効率的にデータ分析しよう!
本記事では、PythonのPandasについて解説しました。Pandasの特徴やメリット、インストール方法がお分かり頂けたかと思います。Pythonでデータ分析を行うならPandasは欠かせません。Pandasは機能が豊富な上に、処理も高速で使いやすいのがメリットです。また、インストールもAnacondaを使って簡単に行えます。データ分析の需要は今後も上がっていくと推測されます。データ分析に興味がある方は、ぜひPandasを試してみてください。
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