jQueryでできること
jQueryとは、2006年にリリースされたオープンソースのJavaScriptライブラリを指します。jQueryを使用すれば、一般的にJavaScriptでできることを短いコードで表現可能です。ここでは、jQueryでできることの一覧をわかりやすく解説します。
簡単な文字の装飾
文字の装飾にはCSSの言語を使用するのが一般的です。例えばCSSを用いて、文字のサイズ・太さ・文字色・背景色を指定することができます。またjQueryを使用すれば、簡潔なコードで文字に装飾を加えることが可能です。例えば文字の状態を変えたり、装飾を外したりすることができます。jQueryでは修正・更新したい文字と、どのような装飾を加えたいかを指定すれば、簡単に文字の装飾を行うことが可能です。
Ajax使用時の外部ファイルの読み込み
jQueryでできることとして、Ajax機能を使用して外部ファイルを読み込めることがあります。Ajaxとは「Asynchronous JavaScript and XML」の略称で、JavaScriptを使用してサーバと通信を行い、Webページを更新する技術を指します。Ajaxで最も身近な利用例は、GoogleMapです。Ajaxによりサーバ側とデータをスムーズにやり取りできるため、Webサイトの訪問者の許容待ち時間を減少させることができます。
レスポンシブデザイン対応
近年のWeb制作現場ではPCだけではなく、スマホやタブレットなど様々な端末に自動的に最適化されるレスポンシブデザインの作成が重要です。レスポンシブデザインに対応していないWebサイトの場合、スマホで閲覧した際に記事が読みづらく、ユーザーがすぐに離脱してしまうことも少なくありません。
レスポンシブデザインは一般的にCSSの言語を使用して表示の制御を行いますが、jQueryを使用すれば、CSSでは実現できないブラウザ動作のイベント検知が可能です。またスマホアプリでは、一般的にiOSとAndroidで開発されているプログラミング言語は異なります。しかしjQueryを使用すれば、iOSとAndroidどちらにも1つのプログラムで対応することが可能です。
メニュー機能の追加
jQueryを使用すれば、マウスオーバーやクリックで開閉するメニュー機能を実装することが可能です。近年ではPCだけではなく、スマホやタブレットなど様々な端末でWebサイトを閲覧する機会が増えています。そのためWebサイトには端末に合わせて様々な工夫が必要であり、メニュー機能を実装すれば、ユーザーの利便性が向上します。またjQueryに加えて、レスポンシブデザインを用いれば、メニューは必要時のみに表示でき、ユーザーに配慮したWebサイトを作成できます。
SNSシェアボタンの設定
近年ではTwitter・Facebook・InstagramなどのSNSを利用して、記事をシェアしたいというニーズが増加しています。jQueryのプラグインを使用すれば、Webサイト内にSNSでコンテンツを簡単にシェアできる「シェアボタン」を設置することが可能です。なおプラグインとは、IT用語としてはアプリケーションの機能を拡張するソフトウェアを指します。
また記事のシェアだけではなく、SNSの機能の1つである「いいね」をクリックすることも可能です。SNSシェアボタンを設置すれば、記事のシェアなどのためにSNSに遷移する必要がなくなるため、ユーザーは快適に操作できるようになります。
マウスオーバーでのエフェクト
近年ではWebサイトの画像やボタンの上にマウスのカーソルを置くと、画像の背景やサイズが変化するサイトが少なくありません。このようなマウスオーバーによるエフェクトも、jQueryにより実装が可能です。jQueryではユーザーのキーボード操作やマウス操作などのイベント検知に関するコードを比較的簡単に記述できるため、イベント発生時に様々なエフェクトをかけることができます。エフェクトをかけることで、ユーザーの利便性が向上するでしょう。
スライドショーの作成
jQueryを使用すれば、フェードイン効果やフェードアウト効果を利用したスライドショーを比較的簡単に作成することができます。画素数が同様の画像ファイルと切り替わる時間を指定するだけで、複数の画像を使用したスライドショーを作ることが可能です。これらをJavaScriptのみを使用して作成するのは困難と言えます。
リアルタイムで動く画像作成
jQueryを使用すれば、静止画だけではなく、リアルタイムで動く画像も作成できます。例えば株価・為替レート・天気などはリアルタイムで確認したいニーズが多いでしょう。jQueryを使用すれば指定した時間に最新情報が表示される画像を作成できるため、チャートの変化などを確認できるサイトが作成できます。またサーバとの交信の間隔は、1秒ごとなど任意に設定することが可能です。さらにサーバとは非同期に交信を行うため、サーバに対する負荷を減少させることもできます。
jQueryを使用するメリット
jQueryを使用すればできることが数多くあることは理解できたでしょうか。この他にも、できることは様々にあります。例えば、「jQuery UI」というjQueryの機能を集めたツールを使用すれば、ドラッグアンドドロップ・カレンダー・スライダーなどあらゆるUIを簡単に作成することが可能です。jQuery UIを使用したい方におすすめのサンプル集を紹介したWebサイトも数多くあるため、ぜひ参考にしてみてください。
ここではJavaScriptのコードを短く記述できる他に、jQueryを使用するメリットについてわかりやすく紹介します。
複数のブラウザに対応
システム開発やWeb制作を行っている際に、特定のブラウザで不具合が出てしまうことは少なくありません。例えば、「Internet Explorer」では問題ないが「Firefox」では不具合が発生してしまうということもあります。
ブラウザそれぞれに仕様があるため不具合は仕方ありませんが、jQueryを使用すればブラウザに対する考慮がほとんど必要ありません。jQueryは複数のブラウザに対応しつつ、各ブラウザの挙動を一致させることができます。
豊富なプラグイン
jQueryには様々なプラグインがあります。例えばアニメーションやエフェクトの種類を増やしたり、スライドバーを簡単に作成したりできるプラグインがあります。jQueryのプラグインは、jQueryの公式サイトやWeb検索ですぐに見つけることが可能です。無料で使用できるプラグインもあるため、自分に合ったプラグインを利用すれば、効率よく開発を行うことができます。
jQueryを使用する注意点
jQueryは使用するまでの過程は比較的容易ですが、注意点がいくつかあります。ここでは、jQueryを使用する際の注意点について詳しく紹介します。
修正対応が大変になる可能性あり
jQueryはコードの記述が比較的簡単であるため、JavaScriptに関する知識がある程度あれば使用可能です。そのため不具合やトラブルが生じた際の修正対応が困難になる可能性があるという点には注意する必要があります。jQueryを使用する場合、JavaScriptでもコードが記述できるように、処理内容をきちんと把握したうえで利用しましょう。
処理速度が遅くなる可能性がある
jQueryでは読み込みの時間が生じるため、JavaScriptで処理する場合よりも処理速度が遅くなることもあります。そのため簡単な機能を実装する場合や、短いコードで記述できる場合には、JavaScriptでプログラムを作成することも考慮に入れましょう。
フレームワークを導入するには動作確認が必要
近年では、Web制作の現場でJavaScriptフレームワークである「React」「Vue.js」などが使用される機会が増えています。使用するコードによっては処理が競合する可能性があるため、jQueryを使用せずにコードを記述することも少なくありません。これがjQueryが「必要ない」「終わった」と言われる理由の1つです。しかしjQueryの学習コストの低さは魅力的であるため、使用用途や目的によってはこれからも需要があると言えるでしょう。
フレームワークを導入しているプロジェクトでjQueryを使用する場合には、きちんと動作するか、エラーやバグが発生しないかなどの動作確認を行うのが大切です。またJavaScriptフレームワークを導入する場合、jQueryを使用することができない可能性もあるため注意しましょう。
注意点に気を付けてjQueryを上手く活用しよう!
これまでに、jQueryでできること・メリット・注意点についてできる限りわかりやすく解説しました。QueryとはJavaScriptのライブラリの1つであり、JavaScriptでできることを短いコードで表現することが可能です。
また複数のブラウザに対応していることや、豊富なプラグインがあることもjQueryを使用するメリットです。jQueryを使用すれば、Ajax使用時の外部ファイルの読み込み・スライドショーの作成・レスポンシブデザイン対応・SNSシェアボタンの設定など、あらゆることができます。
しかし、処理速度や修正コストなどに注意する必要があります。加えて、Web制作の現場ではJavaScriptフレームワークである「React」「Vue.js」などが使用されることが増加しており、jQueryを使用すると処理の競合が発生し、上手く動作しないことも多いです。*jQueryを使用する際は注意点を押さえて開発を行いましょう。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから