つらいと考えられている金融系SEの現場での実情
ニーズが非常に多く、さまざまな金融機関で仕事を行えるのが金融系SEです。しかし、業務内容が複雑でボリュームあり、激務になったり残業時間が増えたりするケースもあります。
今回は金融系SEがつらいと思われる状況について、その要因などを解説していきます。
金融系SEは残業や激務が多く、つらいと言われている
銀行や保険そして証券などの金融機関は、基本的に顧客からお金を預かりながら業務を進めます。その中でシステムトラブルなどが発生すると、業務影響が大きくなり顧客からの信頼も失う可能性があります。
金融系SEはシステムトラブルの際、対応を求められるケースも多く、時には激務になる傾向があります。取り扱っているシステムでトラブルが生じたり、作業でミスが発生したりすると社会的信頼も失いかねません。
また、その際にシステムトラブルなどの説明を求められ、責任が大きくなることもあります。さらに、新たにリリースしたシステムなどで致命的なバグなどのトラブルが見つかった場合は、早急に対応する必要も出てきます。
作業が終わるまで相当な時間がかかることもあり、時には残業が長く続く日々もあります。
昼夜問わずに仕事を求められることもある
例えば顧客データが数百万件あり、その情報を新しいシステムへ通信によって転送する業務が発生したとします。これを多くの人がシステムを利用している日中に実施してしまうと、時には遅延や停止といったトラブルに結びつくことがあります。
日々運用しているシステムは、それぞれパフォーマンスなどの基準が業務に対応できるように定められています。その中で作業で大容量のデータ通信を行えば、時にはトラブルになり信頼を失うこともあり得るのです。
金融系SEは、さまざまな作業について時間調整を行うことになりますが、時には深夜で対応するケースも出てきます。通信や顧客の利用頻度が少ない時期を狙って、大容量のデータ転送などを行うので不規則な生活にもなります。
しかし、最近ではシフト調整などでしっかりと業務を管理できるシステムを作り上げているところも増えてきています。
プロジェクトを組む際にもマネージャーは人材などを考慮しながら、ベストな状態で日程を組み立てていきます。対応すべき内容からリソースを活用していくので、管理体制がしっかりしていれば金融系SEとして仕事しやすいでしょう。
コミュニケーション能力も問われるのがつらい時もある
激務でつらいと考えられている金融系SEですが、金融機関ならではの理由が存在します。それは、多忙な中で顧客の対応も行うことがあり、コミュニケーションが困難だというケースです。
トラブルが発生した時には、素早く正常な状態へ戻す必要があります。対処方法、実施後の振り返りなどを顧客に報告する必要もあり、時には叱責されることもあれば非難されるケースもあるでしょう。その際、コミュニケーションが上手に取れず、他の激務にしわ寄せが行くこともあります。
また、顧客の中には多忙などによって十分なコミュニケーションを取りづらい人がいれば、人間関係を構築するのがつらいと感じる金融系SEは少なくありません。
金融系SEが各金融機関で関わる仕事内容について
さまざまな金融業がありますが、金融系SEはそれぞれの顧客に対して提供するシステム構築や開発を実施していきます。
仕事内容も多岐に渡りますが、仕事を通してスキルアップできると期待できるのが金融系SEです。最先端のシステムなどを活用しながら構築や運用を行っていくので、将来が期待できる職種といえるでしょう。
スキルアップしながら仕事ができる
金融系SEが携わる主な業務は、保険や銀行そして証券会社などのシステムを顧客に対して提供していくことになります。金融業の種類や顧客が活用しているシステムによって各所で異なりますが、大半は業務で欠かせないサービスを管理することに使われます。
ATMや各顧客の口座など昨今システムによって管理しており、通信や処理で業務影響も大きくなるほどITに対する依存度が高い業種です。金融系SEは社会インフラの一部を手がけていくとともに、最先端のシステムを扱うこともあります。
残業も時には多くなりますが、難問を解決していく力を身に着けることもできます。達成感が非常に大きいので、金融系SEはやりがいの仕事が多いといえるでしょう。
また、金融系列の多くのシステムはビッグデータやAIを活用していくケースが増えており、積極的に導入が進んでいます。システムなどで技術変化を感じながら、柔軟に対応していくことも金融系SEには求められます。
金融系SEは内外の情報管理を中心に業務を行う
金融系SEが行う構築や運用システム業務の多くは、顧客管理をメインとしています。日々システムに付随する業務が発生するので、担当業務も多岐にわたります。
例えば、銀行系列であれば預金・貸し出し・利息計算などのシステム・管理を行うためのシステムを分けながら構築や運用を行っていきます。また従業員のシステムを構築することもあり、リリースした後もトラブル対応などに追われることも多くなります。
保険関係だと、業務関連としては保険料関連・顧客管理・契約管理などを行うシステムを対応していきますが、時には営業支援などの分析などを担当することもあります。
また、証券会社関連では注文や成立後の約定関係や顧客管理のシステムなどを請け負い、内部業務ではコンプライアンス関連のシステム構築や運用を任されることもあります。
フリーランスで活躍している金融系SEも多い
長期間金融関係のシステムを使うと、時にセキュリティ対策がしっかりと講じられなくなってしまうことがあります。そこで一部の金融期間では、数年ごとにその時々の最先端のシステムを利用し、セキュリティ対策を万全なものにしています。しかし、人材不足が懸念される状況もあります。昨今はフリーランスで活動しているSEに依頼するケースも増え、フリーランスSEは各金融機関で活躍をしています。
金融系SEの肩書を持つフリーランスであれば、金融系システムに対しても精通していることがあります。各金融機関でも資産運用などのアプリケーションやシステム構築などに精通しているフリーランスを募集しており、ニーズの高さを伺わせます。
極力職務領域が広いフリーランスを求めていますが、最近ではビッグデータなど複雑かつ大容量のシステム構築や運用そして分析が行える人材を求めることもあります。
職種は金融系SE以外にも社内ヘルプデスクが多く募集をかけていることもあるので、斡旋を行っているエージェントなどに相談しながら、案件を獲得するフリーランスも増えています。
金融系SEに向いている人はいる?
つらいと感じる人が多い金融系SEですが、スキルによっては適正がある人もいます。例えば、コミュニケーション能力や正確な仕事ぶりなどのスキルのことです。
そしてキャリアアップしたい時には、金融系SEは転職が有利になります。金融系SEに向いている人の特徴を、具体的に見ていきましょう。
コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力は金融系SEで求められるスキルの1つですが、金融系SEとして向いていると考えられています。社内外で多くの人と関わることがありますが、時には複雑なIT関連の用語を咀嚼して伝えていく技術を求められることがあります。
作業などを調整していく役目も金融系SEではありますが、内容を分かりやすく伝えていく力をつけていく必要があります。
そこでプレゼンテーションなどで伝える力を持ちつつ、相手からの質問などに分かりやすく回答を行えるスキルがある人は金融系SEに向いているといえるでしょう。
またプロジェクトに携わる時には、常に情報を収集できる力も必要です。それをコミュニケーションに活用しながら、顧客に対して金融系SEとして的確に説明できる力があると重宝されます。
常に学ぶ姿勢で責任感を持って取り組めるのが理想的です。金融系SEはコミュニケーションを取りつつ、積極的に動いている人ほど求められます。
求められる結果を遂行できれば大成できる
金融機関で使われているシステムは、1度トラブルやミスが生じてしまうと社会的信頼を一気に失ってしまうことがあります。その中で金融系SEでは高いスキルを常に求められており、長い間利用できるシステムを作り出せる力を求められます。
継続して品質を担保し、トラブルなどを少なくできるように考えられる人を金融系SEとして各金融機関は探している状況です。
テストなどをしっかりと計画し、大規模なシステムであろうと正確に顧客のリクエスト通りの内容に仕上げることができれば、金融系SEとして重宝されるでしょう。
経験を地道に積んでいきながら、精緻な検証力や分析力そしてコミュニケーション能力などを身に着けていきましょう。
厳しい時には転職を検討することも必要
金融系SEとしてつらいと感じる時は、転職も検討することになりますが、経験を積んだ方が市場では評価が高くなります。
また、過酷な労働環境でもシステムトラブルを起こさずに仕事を行う人ほどスキルが高いと評価されることが多いです。市場価値を事前に見い出しておき、本当の自分に向いている仕事を見つけていきましょう。時には職場環境を変えることで働きやすくなることもあります。
金融系SEはつらいながらもスキルアップができる
金融系SEは求められる内容も多く、コミュニケーション能力などが必要とされます。時には激務が続いたり、深夜や早朝対応があったりなど、不規則な時間帯での業務が行われることもあります。
しかし、金融系SEは続けることで着実にスキルアップしていき、キャリアアップが十分可能な職種です。さまざまな業務で経験を積み、次のステージではどのように進めるのか考えていきましょう。
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