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オーバーエンジニアリングとは?発生する原因と防ぐ方法を徹底解説!
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オーバーエンジニアリングとは?発生する原因と防ぐ方法を徹底解説!

アンドエンジニア編集部
2024.12.09
この記事でわかること
オーバーエンジニアリングとは、成果物に本来求められていない機能を装備させること
オーバーエンジニアリングが生じる原因には人為的な要素が大きい
オーバーエンジニアリングを防ぐには要件の本質をUXから理解する必要がある

オーバーエンジニアリングとは

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オーバーエンジニアリングとは、気をきかせたつもりがありがた迷惑になるような過剰なエンジニアリングのことです。また、シンプルに組み立てることができず無用に複雑にしてしまうエンジニアリングを指すこともあります。

オーバーエンジニアリングの2つの意味

日本語版のウィキペディアには「オーバーエンジニアリング」の項目はありませんが、英語版では次のように定義されています。

「オーバーエンジニアリングとは、製品を、その用途に必要な以上に頑丈にしたり、多くの機能を装備させること。あるいは、ある機能を装備するために不必要に複雑、非効率に設計することである」

つまり、製品に過剰な性能を与えること、あるいはある機能を持たせるための設計において、最短コースではなく遠回りをしてしまうことがオーバーエンジニアリングです。

例えば、自転車のタイヤに時速100㎞に耐える性能は必要ないし、独身寮に置く電子レンジに「煮込み機能」や「パン焼き機能」は無用の長物です。また、エンジニアリングの場合、同じ機能があるのなら、できるだけシンプルなロジックで書かれたコードが望まれます。

オーバーエンジニアリングは「過ぎたるは及ばざるがごとし」

自転車のタイヤが時速100㎞で壊れない耐久性を持っていても不都合はないし、独身寮の電子レンジに煮込み機能が付いていても別に邪魔にはなりません。大は小を兼ねるのです。それにもかかわらず、オーバーエンジニアリングが「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言われるのはなぜでしょうか。

最も分かりやすい理由は、オーバーしている分だけ時間とコストがかかっているからです。それはユーザーにとっては「高い価格」につながるし、メーカーには「競争力の低下」をもたらします。

システム開発における不必要に複雑なロジックは、オーバーエンジニアリングというより、エンジニアリングの失敗です。見た目では問題なく機能しているようでも、それがシステムの脆弱性につながったり、バージョンアップの際に手間やコストがかかる原因になります。

趣味で行なうプログラミングにオーバーエンジニアリングという概念はないかもしれませんが、仕事・企業活動においては常に「過不足ないエンジニアリング」が求められます。

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設計の最適化はシステムエンジニアの重要課題

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システム開発において、設計はシステムの完成形を決定づける最も重要な工程です。システムエンジニアは、システムに求められる要件・要望を最適な形で実現できるように基本設計、そして詳細設計を行います。

設計時には要件や要望を1つ残らず汲み取ることが特に重要視されますが、そうしようとした結果オーバーエンジニアリングが発生すると、先ほど触れたようないくつもの問題を引き起こします。

開発リソースが限られている中で理想的なシステムを作り上げることができるかどうかは、システムエンジニアによる設計がいかに最適化されているかにかかっているのです。

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オーバーエンジニアリングが生じる原因

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エンジニア・クライアント・ユーザーそれぞれにデメリットが大きいオーバーエンジニアリングがしばしば生じてしまうのは、エンジニアリングも人間の行為で、ヒューマンエラー的な要素を排除しきれないからです。

過剰なスケーラビリティの追求

スケーラビリティ(scalability)とは、例えばユーザーが1万人から100万に増えても適応できるような拡張性のことです。エンジニアはシステム開発をするときに、スケーラビリティを追求する傾向があります。

しかし、「将来はこんな機能が役に立つはずだ」とか「この機能ではここも拡張可能にしておいた方が良い」という発想は、オーバーエンジニアリングを生む大きな要因です。

特に日本人は「おもてなしの精神」が豊かなので、「不足」を心配するあまり実装内容が過剰になりがちなメンタリティを持っています。

「今のところは、とりあえずこれで間に合う」がもっとも妥当なシステム開発と言えます。現在、自分あるいはプロジェクトが抱えていない問題を解決するコードを書く必要はないのです。

自己陶酔型のエンジニアリング

要件をコードに落とし込むときに、何かアイディアが浮かぶと、ついそれを実装したくなる誘惑にかられませんか?

「自分もなかなかやるじゃないか」と思う瞬間があるのはプログラミングの醍醐味ではありますが、「なんて自分は賢いのだろう」という自己陶酔は抑制しないと、いたるところでオーバーエンジニアリングが生じます。

例えば、ドキュメンタリー映画を作るときに、効果音をドラマチックにしたり、有名俳優にフィーチャーしたりするのは逆効果です。自己陶酔型のエンジニアリングでは、このような類の過剰な機能の追加が生じがちです。

システム開発中に「こんなこともできる」「あんなこともできる」というアイディアが浮かんだとしても、それは別のプロジェクトに活用すべきアイディアかもしれません。

セカンドシステム症候群の誘発

最初のシステム開発が成功して次のバージョンを開発する際、「もっとすごいものを作ろう」という気持ちが勝ってやりすぎてしまうのがセカンドシステム症候群です。最初のバージョンでは「コンパクトに、シンプルに」という自制心が働いたとしても、その成功体験がセカンドシステム症候群を誘発してしまうのです。

ファーストバージョンの成功は開発者に自信を与え、ステークホルダー(利害関係者)にもセカンドバージョンへの期待を抱かせます。このような勢いに乗ったムードの中でオーバーエンジニアリングを自制するのは、簡単ではありません。

しかし、最適なシステムを開発するには、冷静な視点を持って機能の要否や開発の効率性を見極めなければなりません。

オーバーエンジニアリングを避けるには

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エンジニアリングという仕事にやりがいを感じている人、創造性がある仕事だと思っている人ほど、オーバーエンジニアリングに陥りがちです。それを避けるには、次のような注意が必要です。

オーバーエンジニアリングへの誘引が自分の中にもあることを自覚する

オーバーエンジニアリングが生じる原因には人為的な要素が大きいので、エンジニアは「気をつけないと自分もやってしまう」という自覚を持つ必要があります。

特に、「できるエンジニア」だという自己肯定感は、自己陶酔型のエンジニアリングを誘引しやすいので、自制しなければいけません。成功体験によって自分やチームの自信が高まっているときも、それに酔ってしまうとオーバーエンジニアリングが生じやすいので、警戒が必要です。

要件の本質、解決すべき問題の本質を常に意識する

オーバーエンジニアリングを防ぐには、心構えだけでなく、システム要件の本質的な意味を理解することが必要です。言い換えるなら、「なぜこの要件があるのか」をUI(ユーザー・インターフェース)、UX(ユーザー・エクスペリエンス)の視点で深く捉える必要があります。

これを理解し、常に意識できていれば、エンジニアリングにおける過不足にも気づきやすくなり、オーバーエンジニアリングを防げます。要件の本質、必要性がユーザー目線で明確化されれば、複数の想定されるソリューションのどれを選ぶべきかは、ある程度絞られてくるはずです。

要件の意味を包括的、長期的に理解する

個々の要件の意味を、プロジェクト(あるいは製品)の全体像から理解すること、さらに、できるだけ長期的な観点から理解することもオーバーエンジニアリングを防ぐことにつながります。

要件の理解、ソリューションの選択が課題の全体像から離れるほどオーバーエンジニアリングが生じやすく、プロジェクトのあちこちでそれが生じるほど、成果物は将来に向けて厄介な問題を抱え込むことになります。

広く客観的な視野を持つことを忘れず、システム全体を見たときにその部分がどのように作用するかを考えることが重要です。なお、全体像の理解は個人の心構えや努力だけでは限界があるので、プロジェクト全体、企業全体での意思統一と見通しが必要です。

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オーバーエンジニアリングを起こさないスキルを鍛えよう

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オーバーエンジニアリングが人為的な問題である以上、あるソリューションがオーバーエンジニアリングかどうかの客観的で分かりやすい基準はないのが現実です。セカンドシステムをどの程度視野に入れておくかによっても、判断が異なってきます。

単純明快な判断基準がないので対処が難しいと感じるかもしれませんが、エンジニアに求められるのは、要件の意味をユーザー視点で繰り返し問い直しながら過不足を小さくしていくことです。この視点を見失わずにプロジェクトを進めることが、最適な設計を行えるスキルの土台となります。

オーバーエンジニアリング防止のために覚えておきたい原則

オーバーエンジニアリングには明確な判断基準も機械的な対処法もありませんが、心に留めておけば大切な視点を見失わずに済む、合言葉のようなものがあります。それが以下2つの原則です。

・YAGNI原則 「You ain't gonna need it」の略で、日本語に訳すと「そんなものは必要ない」といった意味になります。それが実際に必要となるまでは余計な機能は追加しない方がよいとする原則を表しています。

・KISSの原則 「Keep it simple stupid」あるいは「Keep it short and simple」の略で、日本語では「簡潔・単純にしておけ」などと訳されます。不必要な複雑さを避け、シンプルさを心がける重要性を表すものです。

ただし、こうした原則を具体的な作業に落とし込む感覚は、経験値によるところもあります。そのため、自身の今のスキルに合った企業やプロジェクトで経験を積みながら、徐々にその感覚を磨いていくことが大切だと言えます。

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質の高い設計ができるシステムエンジニアは年収も高い

システムエンジニアは、年収などの待遇がスキルに大きく左右される職種です。特に要件定義や基本設計など、より上流の工程を担えるスキルがあるとシステムエンジニアとしての価値を高められます。

システムエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は431万円(※2024年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「SE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)」を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。

国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収と同等か、やや高めであることが分かります。スキルが高ければ、これ以上の年収も望めるでしょう。

特定の専門分野に詳しい、業務に役立つ資格を持っているなど他にも年収を左右する要素はありますが、前提としてシステム設計のスキルは重要となります。

【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑/システムエンジニア ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

オーバーエンジニアリングを回避して品質を維持しよう

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オーバーエンジニアリングとは、システムに過剰な機能を持たせる、あるいは過剰に複雑な設計にするエンジニアリングのことを言います。避けた方が良いことは誰もがわかっていますが、実際には発生しやすい現象です。

オーバーエンジニアリングを防ぐためには、オーバーエンジニアリングの可能性を常に意識し、要件の本質やシステムの全体像を理解することが必要です。

オーバーエンジニアリングのような不適切な要素がなく、質の高い設計ができるシステムエンジニアは、エンジニアとしての価値も高いです。最適な設計を行えるスキルを身につけ、理想のキャリアを実現していきましょう。

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