将来のキャリアのためにも!エンジニアが今すぐ採用に関わるべき理由 (エンジニア採用編)
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将来のキャリアのためにも!エンジニアが今すぐ採用に関わるべき理由 (エンジニア採用編)
開発室Graph
2020.06.08
この記事でわかること
市場が「スカウト採用」に移行してきたからこそ価値が高まってきた「採用ができるエンジニア」
エンジニアが採用に入ることで技術力を正しく評価できる
エンジニアが採用に関わることで今後のキャリアアップにつながる

前回の記事 で技術のことがわからない採用担当がなぜ生まれてしまうのかについて解説しました。

これからますます激化していくエンジニア採用市場では、採用担当とエンジニアがお互いをサポートしながら採用活動を進めていくことが重要です。

今回の記事では、引き続き今まであまり重要視されてこなかった「エンジニアが採用に関わるメリット」をより掘り下げて解説します。

エンジニアで採用をやりたがる人が少ない理由

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エンジニアと採用担当が一緒にエンジニアを採用することが必須になる、というお話が前回ありましたね。 ところが周りを見ても「実際に採用に関わりたいと思うエンジニアは少ない」ような気がするんです。 これってなにか理由があるんでしょうか?

LAPRAS 中島 佑悟

まずは前にもお伝えしたとおりそもそもエンジニアは開発が忙しく、採用まで手が回らない、という問題はあります。 開発を忙しくしすぎないための採用活動のはずなんですが。

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なるほど。 自分の業務をうまくこなせてはじめて、採用活動に力を入れられますもんね。 それ以外にも「採用に関わることによるキャリアアップがわからない」、という問題もありますね。 実際に採用を手伝っているエンジニアは今も多くいるのですが、どうしても「一時的に手伝っている」という感じになってしまいます。

「採用に関わるエンジニア」の市場価値

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開発していたいのになんで採用やらなきゃいけないんだ!って思ってしまうエンジニアもいるかもしれませんね。

LAPRAS 中島 佑悟

でも採用のスキルって、キャリアプランによってはあとで必要になるんです。 技術力だけでキャリアアップを目指さないエンジニアの方もいます。 たとえばCTO、VPoE、EM (エンジニアリングマネージャー)、PM (プロジェクトマネージャー) といったような 「マネジメント職」になったら、仕事の比重がより「組織開発」や「チームビルディング」へとシフトしていきます。

LAPRAS 中島 佑悟

ヒューマンマネジメントの業務では、スカウトをはじめとした採用活動も業務として必須になってくるんですよね。

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いずれ必要になるなら、現場でバリバリ開発しているときから採用の視点をもっておくと、いいマネージャーになれそうです。 実際に「採用もできるエンジニア」の募集ってあるんでしょうか?

LAPRAS 中島 佑悟

現状では「エンジニアリングマネージャー」の募集に少し書いてある、くらいですね。 ただ、明言されていないだけで、結局は業務の中で「採用に関わる」ことは期待されているはずです。

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採用もできるエンジニアである、ということが今後は他と差別化できる能力にもなりそうですね。

LAPRAS 中島 佑悟

最近では元はエンジニアだった方を専業の採用担当「ジンジニア」として迎え入れる企業も出てきています。 このような転向が、まだまだニーズや市場価値に追いついているとは言えませんが…。

「採用ができるエンジニア」の価値が発揮されるスカウト採用

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ただ、これから変わっていく可能性はあるんですね。

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LAPRAS 中島 佑悟

そうですね。 前回も軽くお伝えしましたが、エンジニア採用は「待っていても応募が来る」から「待っているだけではダメ」に変化してきています。 過渡期にいる、ということですね。

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なるほど。 具体的にはどういうことですか?

LAPRAS 中島 佑悟

まずエンジニアを採用する方法は大きく分けて「エージェントに紹介してもらう」「求人媒体で募集する」「スカウトを送る」といった施策がメインです。もちろん社員紹介やその他の方法もありますが、大きく分けるとこの3つです。 今までは前者2つの、いわゆる「待つ」採用であっても、ある程度はうまくいっていました。

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でも今後はうまくいかなくなる可能性があるんですね。

LAPRAS 中島 佑悟

そうなんです。 売り手市場になればなるほど、候補者側に選択権が移ります。するとより市場価値の高い「優秀な」人材は「自分から」動くことが少なくなります。 たとえばわざわざ履歴書を書いたり、キャリア相談に行ったり、ということを面倒だと感じやすくなります。

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たしかに、受動的な人は増えていきそうです。

LAPRAS 中島 佑悟

そのような市場になってくると、スカウトのような「企業側から動く能動的な活動」でなければ、そもそも接点すら持てない状況になってきます。 もちろん知名度があったり、技術ブログをがんばって書いていたりするなど、人気の企業は待っていても応募来ます。 しかしそうでない企業は、自分から採用しにいく必要が出てきました。

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そうなると、採用担当の役割も変わってきそうです。

LAPRAS 中島 佑悟

そうですね。スカウトだけでなく、「採用広報」といって積極的に開発チームの体制や技術についてSNSやテックブログを通じて発信したり、自社で勉強会を開催してエンジニアを呼んだりと、能動的な活動が増えています。

LAPRAS 中島 佑悟

しかしスカウトをはじめとしたこういった能動的な活動は、どうしても技術がわかっていないと難しいことが多いです。そうすると「ジンジニア」や「採用もできるエンジニア」の市場価値が上がっていくと思います。

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技術をわかってないとスカウトなんてできないですもんね。 そこに対応できないと、エンジニアを採用することができなくなってしまう未来もありそうです。

採用にエンジニアが入ることで技術力を適切に評価できる!

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開発室Graph

エンジニアが入って採用こんなにうまくいくようになった!みたいな例ってあるんですか?

LAPRAS 中島 佑悟

たとえば、NewsPicksさんではエンジニアさんが採用も兼務されているんですが、GitHubやQiitaの内容に言及することで、とても惹きの強いスカウト文章が作れているんですよね。

開発室Graph

より技術にフォーカスしたスカウト文章、ということですか?

LAPRAS 中島 佑悟

そうなんです。 「あなたの経歴を見て優秀そうだと思った」と言われるより「あなたのGitHubの〇〇というレポジトリを見たんですが」とか「Qiitaで書かれていた〇〇の内容、うちの開発でも同じ課題があって」と言われたほうが、ちゃんとスキルを見てくれたと感じますよね。 こういった言い回しは、技術についての理解がないと難しいですが、採用にエンジニアが関わることで内容が格段によくなります。

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前回の記事でも触れたとおり、今までのように「経験年数」を頼りにしているだけではそのような採用は難しそうですね。

LAPRAS 中島 佑悟

そうなんです。今までは経験年数以外だと「大手に在籍していたか」「転職回数は少ないか」といったことも重視されていました。 でもエンジニアが採用に入ることで、技術的な評価がより詳しくできるようになりました。

メーカーのSIerからfreeeのエンジニアに転職した例も!

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経歴だけではない技術力を正しく評価できるようになった、ということですか?

LAPRAS 中島 佑悟

そうですね。 「経験年数」ではそれぞれはそこまで長くなくても、実はGitHubのレポジトリを見に行ったらライブラリをいくつも公開するなど充実していて採用となった、という例もあります。

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このあたりは「エンジニアが採用に入るからこそ」という感じですね。 具体的にはどのような採用例があるんでしょうか?

LAPRAS 中島 佑悟

エンジニアさんがチームとして参加しているfreeeさんでは精密機器メーカーのSIerだった候補者の方が転職されているんですが、これもGitHubやQiitaを見て、C#という技術の観点からスカウトを送っているんですね。

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実際にメーカーから転職を実現された清水さん。 才能と企業をつなぐ運命のスカウトメール 〜SIerからWEB企業へ転職できた理由〜 より。
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すごい!SIerからWeb業界への転職なんですね。

LAPRAS 中島 佑悟

そうですね。 自社に近い経歴や経験年数だけを頼りに候補者を探していたら、なかなか精密機器メーカーのSIerからWeb系企業にお誘いすることはできません。その場合は、こういったチャンスを逃してしまうことになります。

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入ってくるエンジニアの雰囲気もがらっと変わりそうです。

LAPRAS 中島 佑悟

実際にそうだったみたいです。 今までは所属企業で業務として行った開発が評価されることがほとんどでしたが、エンジニアが採用に関わると、趣味での開発やOSS活動もきちんと評価されるようになりました。

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今は、たとえば大手SIerで経験を積まなくても、なんなら自分で学んでエンジニアを目指せますもんね。 どんどん優秀なエンジニアをスカウトできそうです。

LAPRAS 中島 佑悟

また「すぐに採用」とならないケースでも、エンジニア同士であれば技術的な会話からゆるい繋がりができて「今後も情報交換しよう」となりやすいんです。 ゆるい繋がりを維持して勉強会に呼んだり、時々連絡してチャンスがあれば自社にまた誘ったりできるので、中長期的な戦略としてもとても効果があるんですよ。

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採用側の経験が「今後の転職活動」に活きる!

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私自身も最近エンジニアとして採用に関わるようになりました。 採用活動を通して「採用される側」になったときの見せ方がわかってきたというか。

LAPRAS 中島 佑悟

それめっちゃあると思います。 「職務経歴書の書き方」は実際に採用に関わるとかなり学べる部分が多いと思います。 職務経歴書、実際には大きく分けて2種類のことを両方とも書くのがいいと思います。

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2種類…?

LAPRAS 中島 佑悟

「採用担当向けのビジネス能力」と「エンジニア向けのエンジニアリング力」のことを書くということです。 まず採用担当向けに「プロジェクトの概要、プロジェクトを一緒に取り組んだ人について、その人達の中でどういった立ち振舞をしたか、どういう問題を解決したか」を書くと、採用担当側は採用しやすくなるんです。 開発経験もあるし、周りと協力できる人材、というのをアピールできます。

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そのあとに、プロジェクトの技術的な説明をしていく、という感じですか?

LAPRAS 中島 佑悟

そうです。 エンジニアさんの中には「職務経歴書に技術のことばかり書いてしまう」人もいるのですが、非エンジニアの採用担当には伝わりきらないことも多いです。

LAPRAS 中島 佑悟

技術がわからない採用担当はついつい「ビジネス的な能力があるかどうか」「カルチャーマッチするかどうか」を見てしまいます。 たとえば営業の人とうまくやったとか、マーケティングチームの中に入って協力したといったエビソードがあれば大きな加点になると思います。 でもこういった内容って本業と関係ないと思って省略してしまうエンジニアも多いんですよね

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技術だけでなく、採用担当が気にするポイントもおさえておくのがよさそうですね。 このあたりの書き方は、実際に採用をしてみないとわからなさそうですね。

LAPRAS 中島 佑悟

そうですね。会社や自分の能力によって「見せるべきところ」は変わってきます。 エンジニアでも実際に採用に入るのが最も手っ取り早いと思います。 選考で見られているところは、なかなかウェブ上には書かれないので、自分で身につけていくしかないですからね。

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エンジニアと採用担当がお互いに寄り添っていくことで、いいエンジニア採用ができそうです。 エンジニアが採用に関わると、短期的には自身の転職に役立ち、長期的には将来のキャリアアップにつながりますね。

ライター

開発室Graph
機械学習で修士号を取得し、リサーチエンジニアとして就職したはずが、いつのまにか月間数千万ユーザーを支える検索エンジニアに。PythonよりもRubyが好き。最近はエンジニア採用やマネジメントに興味を持っている。おいしいものを作るのも食べるのも好き。好きなSQLのWindow関数は row_number()。
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