週休3日制導入マニュアル!あなたの会社は、導入できる?できない?
1年前、週休3日制を提唱し、8万RT、20万favと大バズを獲得した有名になった「無人コンビニ600」。
今回は、アンドエンジニアのライターが、「自社でも週休3日制を導入してほしい」という邪な動機から、株式会社600のCEO・くぼけーさんに突撃インタビューを敢行しました!
社員にとっては神システムに思える「週休3日制」ですが、実際に上手くいっているでしょうか?
週休3日制は神システム!かと思いきや…?
600では、土日に加え、水曜日も休みの完全週休3日制を導入されていますよね! 僕の会社でも導入してほしくて(笑)。 社長を説得するためにも、メリットとデメリットを教えていただきたいです!
メリットは、まず、平日に休みがあると、役所などの行政手続きに行きやすいというのがあります。 特に子供のいる方からは、「今まで有給休暇をとってやっていたのに、週休3日制だとその必要がないのでありがたい!」という声をよく聞きます。
土日にやっていない役所も多いですもんね。
次に、単純にプライベートの時間が増えるので、仕事以外のことに使える時間が増えますね。 私には2歳半になる娘がいるのですが、水曜日は「育児デー」にして、ひたすら育児に専念してます。 CEOですから、娘にご飯をあげながら事業について考えることはありますが、実働はないようにしています。
家族のために使える時間も増える、と。 まさに理想の労働環境ですね! デメリットはあるんですか?
当然ですが、普通に週4日働くだけだと、アウトプット落ちますよね。 単純計算で、労働時間が週5勤務の80%になるので
じゃあなんで採用したんですか!? 特にベンチャーなんて、生産性重要じゃないですか!
600では、週4労働でも、週5労働をした場合と同じだけのアウトプットを保てるように気を配って、努力しています。 具体的には、CEOの私からインターン生まで、立場に関係なく全員が優先順位を決めるための議論に参加し、OKRに対する目線を揃えて、徹底的に無駄を削ってるんです。
とはいえ、「生産性向上」って、言葉にすると簡単そうですが、実行するのは難しくないですか?
現時点では、「我々は特別な会社で、高いハードルのもと、週休3日制を導入している」という意識が上手く働いてますね。 この意識を全員が持ってるからこそ、成り立っている部分はあります。
特別感も上手く働いているというわけですね。
そもそも、弊社でも、いつまで週休3日制を採用しつづけるか分かりませんしね。。 あくまで挑戦なので、高い生産性を保てなくなったらいつでもやめますし、社員もそれを理解しています。
やめる可能性もあるんですね…。 確かに社員だったら、週休3日制を守るためにも必死に働きますね。
そういった制度を大切にしようという思いは全社員が持ってると思いますよ。
「600」じゃなかったら、週休3日制は採用していなかった
そもそも僕、「600」という事業をやっていなければ、週休3日制を採用してないと思います。
そうなんですか!? どういう理由で、600だから採用したんですか…?
週休3日制は、弊社の求める人物像である、「プライベートの時間を大事にする人たち」との相性がいいんですよ。 我々が作っているのは「無人コンビニ」という今までにないプロダクトですから、定着させるためには新しい習慣を作る必要があって。
そうなったときに、「会社以外のプライベートも大事にしている価値観の人が集まること」が競争優位性になると信じているんです。 競プロ大好きで技術面でバリバリ貢献します!みたいな人も、世の中のトレンドに目がないんです!みたいな人もいて欲しい。
ベンチャーなのに全員が「仕事命!」じゃないんですね!
そうなんです。 例えば、タピオカブームの初期に、無人コンビニにタピオカドリンクを置くよう提案してくれた社員がいました。 結果としてめっちゃ売れたんですけど、これって仕事一辺倒の人ばかりだと、すぐには思いつかなかったかもしれない(笑)
なるほど。
なので、私自身は週休3日制が大好きで、自分にマッチしている働き方だとは思いますが、世の中のすべての会社が週休3日制をやるべきだとは考えていません。 むしろ、繰り返しになりますが、プロダクトやカルチャーとの相性が良くない限りは、生産性が落ちるだけだと思います。
例えば、私は昔、WebPay(開発者向けにクレジットカード決済サービス、2015年にLINEグループに売却)という会社を創業しました。WebPayでは技術的優位性にコア・バリューを置いてたので、もしいまWebPayを創業するとしたら、週休3日制は導入しないです。
導入したい人向け!週休3日制の落とし穴
週休3日制って神システムだと思ってたんですが、簡単ではないんですね…。 とはいえ、この記事を読んで「ウチでも導入したい!」って思う読者もいるかもしれないので、ハマりがちな落とし穴があったら教えてください!
ハマりがちな落とし穴といえば、どれだけ休みにしても、勝手に水曜日出社して働く人がでますね(笑)。
あ〜、なるほど(笑)
これって、弊社では優先順位決めが曖昧になってしまい、仕事が溢れてる状態として捉えます。 水曜日に労働している人が発生したら、まず代休ありきで、水曜出社の承認をします。そして、上長・私を含め、優先順位の棚卸しをして、なんとか生産性を保てるようにします。 キャパオーバーになっている人が可視化されるのは、週休3日制ならではの部分ではありますね。
真面目な人ほどそうなっちゃいそうですよね。
週休3日制は放っておくと、すぐに形骸化しますからね。 形骸化させないためにも、人事系の部署からの、「週休3日制を採用した理由」のアナウンスも重要です。弊社は忙しくしているメンバーが増えてきた場合に発信してます。 週休3日制の目的をはっきりさせて、全社員が自然と意識して働けるようにアナウンスし続けるのが必須ですね。
シルバーバレットはない、ということですね。
あと、これはアドバイスではないんですけど、うちは最初から始められたからスムーズだったんですが、途中から初めるとなると「株主や関係者の説得」が大変かもしれません(笑)。
その時はこの記事をよんでもらって(笑)。
これまでの常識を覆す、「週休3日制」を導入している株式会社600。
CEO・くぼけーさんに週休3日制のメリット・デメリットを日本一詳しく語っていただきました!
くぼけーさん、ありがとうございました!
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