“サウジのHIKAKIN”もまさかのシェア!公開前に6万favを獲得したアプリ開発者
(日本最高峰のApple信者、清水さんの前回の記事はこちらから!)
前回の記事で日本最高峰のApple信者として、そのAppleへの惜しみない愛を話してくれた清水大輝さん(22)。
彼はiOSエンジニアとしても一流。 特に、ジュースの中の糖分を把握できるアプリ「サトウさん」は個人開発にもかかわらず、日本だけでなく世界中でインストールされています。
今回は、清水さんにこのアプリの制作エピソードや、ぶっちゃけ儲かってるのか?、個人開発でホームランを打つコツ、などを突っ込んで聞いてみました!
現在開発中…なのにアプリが突然バズったらどうする!?
実は初めはリリースするつもりはなくて、個人的に習作として作ってたんですよね。 ただ思ったよりいいものができたので、眠らせとくのももったいないかなと思って「こんなん作ってみましたよ〜」って感じでツイートしたんですよ。
そしたらそれがめちゃくちゃ反響があって。 結果的に1.8万RT/6万favと、かなりバズりました。
すごい…! 確かにキャッチーなテーマだけど、まさかそこまでバズるとは…!
自分でもかなりビックリしました。 「これはリリースしなきゃな」と思って、ツイートの翌日にはAppleに申請して、4日後には予約注文出来るようにしました。
流石の手の速さだね。 予約注文って、ゲームとかでよくあるやつ?
そうですね。 アプリも製品版としてはまだ多少バグがあったり、あと広告を入れたりしたかったのですが、その開発期間がもったいないので、とりあえずApp Storeで予約できる状況を作っておきたかったんです。 予約注文にしておくと、リリース日に自動でインストールされるので!
なるほど、ゲームじゃなくても突然バズったら「予約注文」機能を使うのはアリだね…。
結果的に、リリースしてすぐフード/ドリンクランキングで5位を達成しました。
そうそうたるアプリの中で「誰だお前!?」感がすごい! フード/ドリンクランキングって飲食店チェーンのアプリが多いし、対象ユーザが多いから、ランキング5位ってのは相当インストールされてますね。
“サウジアラビアのHIKAKIN”がシェアしてアラビア語のツイートが殺到
それでリリースから数日経った時に事件が起きるんですけど….。 サウジアラビアのフォロワーが400万人いるインフルエンサーがアプリをシェアしてくれたんですよ。
400万!?それって… HIKAKINより多いじゃん!!!(編集注:記事公開時点) 何してる人なのこの人!?
僕も調べたんですけど、日本語/英語の情報が全くないせいでよく分からなくて…。 勝手に王族?貴族?かと思ってました。(編集注:読者の方で詳しい方がいたら教えて下さい)
ま、まぁその“サウジのHIKAKIN”みたいな人がシェアしてくれたと。
そしたら、それ以降サウジアラビアからのインストールがめちゃくちゃ伸びて。 僕のTwitterにもアラビア語のリプライが殺到しました。
リプライが右寄せだ〜〜〜〜!!!!すげ〜〜〜〜〜!!!
結果的にサウジアラビアからのインストールが海外からだと1位になりましたね。
でも、結果的にたくさんインストールされたってことは、元々アプリが使われる土壌があったってことだよね。
サウジアラビアだけじゃなくて、東南アジアやアメリカからのインストールも多いんですよね。 もしかしたら、甘いジュースが多くて人々が糖分量気にしている国ほどインストールするのかもしれないですね、偏見ですけど(笑)
気になる広告収益…そこには思わぬ罠が!
ぶっちゃけで聞きたいんだけど、めちゃくちゃ儲かってるでしょ? これだけインストールされたら。
実はそこにも面白い話があって…。 たくさんの人に使ってもらえそうだったので、アプリ内で広告を表示することにしたんですよ。 リリース当初は上手く行ってたんですが…突然広告が表示されないようになっちゃって。
えっ、なんで!? 設定ミスとか?
僕も途方に暮れてたんですけど、知り合いの広告運用者に聞いてみたら、「サウジアラビアからのアクセスが不自然に増えすぎているのでスパムだと思われているのでは」とのことらしくて…
そこでも“サウジのHIAKAKIN”が出てくるのか…。
スパム扱いのせいで、実は「サトウさん」ではそこまで儲かってないんですよね…残念ながら…。
オリジナリティを追求する職人魂がホームランを生んだ
「サトウさん」って、個人開発のアプリだとホームラン級だと思うんだけど、清水さん的に「個人開発でホームランを生む秘訣」ってあります?
う〜ん…。 正直、今回のアプリのヒットもたまたまだと思っているので…。 ただ、自分がアプリを作る時には、「〇〇〇版〇〇〇」じゃなくて、根本からオリジナリティのあるアプリを作ろうって決めています。
「サトウさん」もそうなんですが、例えば自分が今まで作ったアプリだと、おならをシェアするアプリ「Pu App」っていうのがあって…
意味が分からん。
「Pu App」は身内と、その周辺でしか流行らなかったんですけど、今回の「サトウさん」も自分の中ではこの延長かな、と。 「他の人には作れないアプリ」を作っていたら、たまたまそれがホームランになった、というか。
結局、自分が作りたいものを作っているだけなので、その結果がホームランになるかどうかはあまり意識していないですね。 ただ…。
ただ?
流石にApple信者として、Appleに「サトウさん」がフィーチャーされたときは嬉しかったですね(笑)
まさに職人魂。
前回の記事で彼が話していた、「在野からAppleを支える」のは彼のようなエンジニアなのかもしれません。
Appleへ惜しみない愛を注ぐ“信者”は、個人でバズるアプリを開発するユニークなiOSエンジニアでもありました。
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