シリコンバレーに拠点を置く生成AI企業NinjaTech AIは、AIエージェント「Ninja」をローンチしたと発表しました。(※1)
「日常業務のワークフローに導入すれば、時間とコストの削減が可能」
NinjaTech AIは、AWSの機械学習専用チップ「Trainium」「Inferential2」、クラウド機械学習サービス「Amazon SageMaker」を活用して、研究開発の進行管理や会議のスケジューリングなど、複雑なタスクを自律的に処理できるカスタムAIエージェント「Ninja」の訓練とスケーリングを実施。
「Ninja」を日常業務のワークフローに導入することで、多くの職種の時間とコストを削減することができるということです。
AWSのリソースを活用して生成AIを訓練
これまで、生成AI、対話型AIは、AIアシスタントやコパイロット(副操縦士)として活用されてきました。しかし、そのためには、人間側が複雑なプロンプトを通じて、タスクの内容を詳細に指示する必要がありました。
「Ninja」は、自律型AIエージェントに進化し、シンプルな指示で複雑なタスクを処理。また、顧客企業が保有するデータや情報を学習し、カスタム化されたAIエージェントとして機能します。
しかし、このようなカスタム化されたAIエージェントを構築するには、生成AIよりもさらに大規模なAIチップと電力が必要となり、顧客企業はもちろん、生成AIの開発企業でも、じゅうぶんな設備投資が難しくなってきています。
全世界でAIチップに使われるGPUが不足しており、スタートアップ企業にとっては調達が困難でコストのかかる大きな課題になっていました。
今回、AWSは、訓練内容に応じて迅速にスケールする独自のチップ技術を開発し、この課題を解決しました。Amazon SageMakerと組み合わせることで、AIエージェントの訓練は、高速で柔軟で適切なコストで行えるようになります。
NinjaTech AI創業者兼CEOであるBabak Pahlavan氏は次のように述べています。
「AWSのAnnapurna Labsと協力することは、NinjaTech AIの真のゲームチェンジャーとなりました。TrainiumとInferential2チップのパワーと柔軟性は、私たちの期待をはるかに上回るものでした。Amazon SageMakerを介して、何千ものノードに弾力的に拡張することができます。総コストを最大80%節約し、同程度のGPUと比較してエネルギー効率は60%向上しました。また、AWSチームの技術サポートも、AIエージェントを構築する上で大きな貢献をしてくれました」
Ninjaは「使えば使うほど性能があがっていく」
NinjaTech AIは、AWS Trainiumでモデルの訓練を行い、AWS Inferential2でサービスを提供しています。Trainiumは大規模言語モデル(LLM)をより速く、より低コストで訓練をすることが可能。Inferential2は、最大40%の低コストで推論をより速く生成することができます。
Ninjaは、Ninjaウェブサイトにアクセスすれば利用できます。このサイトでは、対話型のウェブ調査、電子メールに基づいた会議などのスケジューリング、電子メールの起草、コーディングの支援の4つの会話型エージェントが提供されています。
OpenAI、Anthoropic、Googleなどのグローバル企業の対話型AIに簡単にアクセスをして、出力された結果を比較することもできます。また、膨大なタスクを一度に処理する非同期インフラストラクチャーも提供されています。「使えば使うほど性能があがっていき、Ninjaは日常業務を生産的なものに変えていく」(Amazonプレスリリース)としています。
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