メンバーの7割がエンジニアのチームラボ。オープンで働きやすい&ユニークなオフィスを探訪
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メンバーの7割がエンジニアのチームラボ。オープンで働きやすい&ユニークなオフィスを探訪
岸 裕介
2024.03.12
この記事でわかること
デスクがメモになっている?チームラボのユニーク&働きやすい環境づくり
エンジニアのスキルが評価される裁量労働制の導入について
エンジニアとして自分が伸ばしたいスキルを伸ばせる「班制度」

最新のテクノロジーを活用したアート展示やソリューション開発を提供しているチームラボ。メンバーの約70%がエンジニアであるチームラボでは、オフィスやチーム体制においてエンジニアが働きやすい環境が整えられており、経験が浅い方でもどんどん成長していくことができます。

「ワクワク」するアイデアで世界を驚かせるチームラボのエンジニアは、どのようなオフィスで働いているのか。そこには、個々のクリエイティビティを刺激し、「長く心地よく働ける」工夫が散りばめられていました。今回はチームラボ採用担当の山田 剛史さんにお話を伺いました。

チームラボ株式会社

代表取締役: 猪子 寿之 設立: 2001年3月

仕切りのないオープンな環境で、アイデアと交流が生まれる職場に

岸 裕介

チームラボのオフィスには様々な工夫がなされていますが、どういったことを意識されていますか?

山田さん

情報共有のコストを下げ、オープンな場所にすることを心がけています。オフィスには、声をかけにくい情報の遮断された個室のミーティングルームはありません。オープンなミーティングスペースで、どこでどのプロジェクトのメンバーが話し合っているのか、すぐに分かります。

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岸 裕介

マネージャーがミーティングルームに1日籠っていて相談しにくい…といったことが起こらないわけですね。その他にもオープンな環境への取り組みはありますか?

山田さん

知りたいと思った情報はすぐに調べられるよう命名規則を決め、ファイルや情報の権限も全メンバーにオープンにしているため、情報の取得がスピーディに行えます。

岸 裕介

ミーティングスペースには、机の天板がメモ帳になっている「メモデスク」もあるそうですね。ホワイトボードではなくメモにした理由は何でしょうか?

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山田さん

チームラボでは、クライアントからお問い合わせを頂いた際、どんなプロダクトを作るか決まっていないことが多いです。クライアントの課題を伺った上で、0ベースで最適なソリューションを考えていきます。そのため、ミーティングではWebディレクターやWebエンジニアのリーダーがホワイトボードで情報を取りまとめて指揮をとっていく…といった所謂なWeb制作の流れではなく、最適なアイデアを議論・検討し合うところから始まります。

岸 裕介

ホワイトボードで取りまとめる前段階の議論が必要なのですね。

山田さん

ええ。その時に、「メモデスク」ならエンジニアが手元で自分用に数式をメモして、解が出たらデスクの中心に大きく書いて共有する。それを見て、デザイナーが「それなら、こういう画面になるのかな」と追加でメモする。みんなでメモに書き足しながら議論していく環境を作ることができます。

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岸 裕介

なるほど。ミーティングが白熱すると、色々なメンバーの筆跡が残っているわけですね。

山田さん

はい。終わったら剥がして束にして、ミーティングを欠席したメンバーの机に置いておくこともあります。議事録と合わせて実際にどのように議論が深まったかが見えるため、ダイレクトに情報共有できるツールとなっています。

岸 裕介

なるほど。他にも面白いデスクがたくさんありそうですね。

山田さん

脳を活性化する目的の積み木が敷き詰められたデスクや、四季を表現したデスク、スタンディングデスク、掘りごたつ式のデスクなどがあります。デザインは今まで展示したアート作品などを使用したものも多いです。

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春夏秋冬をイメージしたデスクと、それに合わせたタイルカーペット
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脳を刺激する積み木が敷き詰められたデスク
岸 裕介

遊び心の詰まったオフィスですね。メンバー同士の交流も多いのでしょうか?

山田さん

仕事後はオフィスで、ボードゲームで遊ぶこともあります。コロナ禍をきっかけに、家に帰ってからメンバー同士で、オンラインゲームで遊ぶことも多くなりました。

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丘のような空間につくられた掘りごたつ式のデスク。就業時間後にはボードゲームやTVゲームで遊ぶことも。

座席はプロジェクトごとに席替えOK?

岸 裕介

エントランスには、来客者が写真から担当者を探すことができる無人受付システム「FaceTouch」が設置されていますね。

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山田さん

「FaceTouch」は名前だけでなく、写真、出身地や趣味などのプロフィール情報も載せられています。会う前から担当者の個人的な情報があることで、お互いの共通点が見つかったり、アイスブレイクがしやすくなったりして、より円滑なコミュニケーションを生み出すことができます。自社プロダクトとして他社への導入も行なっており、会社全体の雰囲気も伝わると好評です。

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岸 裕介

オフィスで唯一の個室が「茶室」と呼ばれるスペースだそうですね。

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山田さん

畳が敷かれていて、靴を脱いで上がるスペースです。ミーティングに使用するほか、週に1回整体師が来てくれて、施術を受けることができます。1ヶ月先の予約を取ることができるのですが、いつも予約でいっぱいです。

岸 裕介

腰が固まるエンジニアには嬉しいサービスですね。自分の座席は固定でしょうか?

山田さん

プロジェクトごとに、自分が働きやすい場所に席を変えることができます。エンジニアやデザイナーなど職種ごとではなく、プロジェクトごとに席を置くことで、コミュニケーションが取りやすくなっています。席が変わってもWeb上の座席表座っている位置が表示されているため、誰がどこにいるかを一目で見ることができます。

山田さん

また、オフィス内にはプロダクトを検証する「検証室」もあり、制作したロボットやハードウェアを動かしてみたり、光らせてみたりして、実際に検証を行っています。最初から完璧に動くことはないので、問題がありそうな部分を確かめて、微調整しています。

オフィス出社と「裁量労働制」を採用している理由は?

岸 裕介

リモートワークをされているメンバーはどのくらいいますか?

山田さん

チームラボではリモートワークを導入しておらず、可能な限り全メンバーがオフィスに来て働いています。全員がオフィスにいるため、気軽に質問し合ったり、情報共有することができます。

岸 裕介

リモートワークを推奨されていないのは何故でしょうか?

山田さん

まず第一に、家から働くのとオフィスにいるのとでは、触れられる情報の量が圧倒的に違うと思っており、その情報量のメリットを捨てるという選択肢をあまり考えられませんでした。

山田さん

また、リモートワークは達成件数や時間など、数字で管理できる職種には向いていると思いますが、我々のものづくりの仕事は何かしら決まった数値を達成することが目的の仕事ではないため、数字で管理すること自体が向いていません。エンジニアやものづくりをするメンバーの成果を評価する方法としても、労働時間で管理することは適切ではないと考えています。

岸 裕介

チームラボが「裁量労働制」を採用しているのもその理由からですね。

山田さん

ええ。例えば時間労働制だと、同じ開発案件を10時間で完了できるエンジニアと40時間かかるエンジニアがいたとすると、40時間かけたエンジニアの方が、報酬が高くなってしまいます。それは優秀なエンジニアにとって働きやすい環境とは言えません。

山田さん

そのため、チームラボでは裁量労働制を採用し、時間を管理するのではなく、いかに良いアウトプットを出せたか、チームラボに貢献しようと当事者意識を持って仕事に取り組んでいるが評価されるポイントになっています。

岸 裕介

当事者意識はどういったところに現れますか?

山田さん

当事者意識を持っていれば、自分がやりたい仕事かどうかではなく、チームラボとしてやるべき仕事かどうかを判断することができます。メンバーがそのように行動できていると、足の引っ張り合いも起こりません。

山田さん

みんなが「チームラボとして」良いものをアウトプットすることに意識が向いていきますし、その結果、良いプロダクトを生みだすことができます。チームラボには営業部門がありませんが、営業をしなくても、良いプロダクトを生みだし続けていけばお声がけしてくださるクライアントが現れると信じてここまできました。

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岸 裕介

チームラボは社名からして、チーム感が強いのが伝わってきます。組織が大きくなるにつれて、目線が合わなくなる等の課題はなかったのでしょうか?

山田さん

もちろん何度かありましたが、改善点を指摘する声があがるたび、フレキシブルに対応してきたのが良かったのだと、今振り返ると思います。例えば、コロナ禍でオンラインミーティングが増えたときには、「雑音が入ってしまう」という声が挙がったため、1週間後にはミーティング用のデスクに集音性能の高いマイクを導入しました。エンジニア関連で言えば、AWS関連の資格を取ったメンバーには受験料の2倍の報酬を支給しています。

岸 裕介

2倍ですか!? 凄いですね。

山田さん

エンジニアのメンバーは自分のスキルを上げることにモチベーションを感じる方が多いと思います。モチベーション高くスキルを向上することは、会社にとってもメリットです。だったらそれをサポートできる制度があった方が良いと考えて、積極的に導入しています。今は働きにくさを指摘する声も少ないので、以前よりも良い状態を保てていると言えるのではないでしょうか。

エンジニアがモチベーション高く、長く働きやすい環境を作る

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岸 裕介

今後、働く環境をどのように発展させていきたいとお考えでしょうか?

山田さん

組織の人数が増えれば増えるほど、情報共有の難易度は上がっていくと思いますが、情報を伝えやすくオープンな環境は変わらず維持していきたいです。これまでもメンバーの人数に合わせてフロアを増やしたり、ミーティングスペースを広げたりしてきました。創業時に比べれば、人数が増えることで環境に対する要望が変わっていきます。メンバーからの要望にフレキシブルに対応していくことで、誰もが長期的に働きやすい環境を設計していきたいですね。

岸 裕介

長期的に働きやすい環境、というのは1つポイントでしょうか。

山田さん

従業員が長く働いてくれる以上のものはないと思っています。居心地のいい家族のように一緒に働いていきたいし、そういった環境を作れなければ、個々のメンバーが「チームラボ」を主語にして同じ方向を向くのは難しいと考えているからです。

岸 裕介

そうですね、ストレスを感じる環境や、嫌な人間関係のある会社では、当事者意識を持って働こうとは思えないですよね。他に、チームラボのエンジニアが魅力に感じている制度があれば教えてください。

山田さん

チームラボでは班制度を作っていて、70〜80名の班長がサポート役を務める各チームに5名ほどのメンバーがそれぞれ所属していて、小さな班を作っています。新卒や中途入社のメンバーも入社後すぐに、その班に配属されます。プロジェクトは基本班ごとにアサインされますが、班のメンバーが経験したい言語や業界・サービスに合わせた案件を担当できることも多いです。異なる技術を採用したバックエンド・フロントエンドの案件がたくさんありますし、担当業界についてもファッションから銀行まで、幅広い領域に携われます。その中から、できる限り個人に最適化して渡せるような仕組みになっています。

岸 裕介

例えば、どのような事例がありますか?

山田さん

スキルなどが伴っていれば入社から数日で、大手銀行の役員とのミーティングにエンジニアとして出席するようなこともあります。チームラボでは他社よりもスピード感を持って、自分の関心がある難易度の高い案件にもアサインされ、伸ばしたいスキルを磨くことができるんです。

岸 裕介

それはエンジニアにとってかなり魅力的な環境ですね。

山田さん

数名の班だからこそ、1人1人の希望に合わせた経験を用意できると考えています。これは今後組織が大きくなっていっても実現していきたいことです。チームラボでは、エンジニアとしての成長曲線は非常に高いものを提供できる自信があります。そういった機会を掴みたいエンジニアに、ぜひ仲間に加わっていただきたいと思います。

ライター

岸 裕介
大学卒業後、構成作家・フリーランスライターとして、幅広いメディア媒体に携わる。現在は採用関連のインタビュー記事や新卒採用パンフレットの制作に注力しながら、SaaS企業のマーケティングにも携わっている。いま一番関心があるのは、キャンプ場でワーケーションできるのかどうか。
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