
VSCodeでPython開発を行うには

VSCode(Visual Studio Code)は、マルチプラットフォームで動作するメジャーなコードエディタです。Microsoftが提供するVSCodeは、公式サイトあるいはMicrosoft Storeから手軽にインストールし、導入することができます。ここでは、VSCodeでPythonを使用する方法について順を追って解説していきます。
【参考】:Microsoft Visual Studio Code
VSCodeでPythonを使用する手順

VSCodeでPythonを使用するには、次の作業が必要です。
・Pythonのインストール ・VSCodeのインストール ・Python開発環境(VS Code拡張機能)の導入
ここでは日本語環境を導入し、Pythonのコードの作成から実行までの流れ、注意点について解説していきます。
【参考】:Microsoft Learn:Windows で Python を使ってみる (初心者向け) 【参考】:Visual Studio Code: Python in Visual Studio Code 【参考】:Visual Studio Code: Getting Started with Python in VS Code
Pythonのインストール
VSCodeにおけるPythonの実行環境は、導入したPythonのバージョンに従うため、あらかじめPythonをインストールしておくと良いでしょう。公式サイトから最新バージョンをダウンロードし、インストールします。バージョンを指定してダウンロードすることもできます。
公式ダウンロードサイトでは最新版の他、リリース済みのバージョンも格納されています。特に指定がなければ、最新版をダウンロードしましょう。2025年2月時点では、次の図のように「3.13.2」が最新です。「Download Python 3.13.2」をクリックすると、Windows版のダウンロードが開始します(①)。

Windowsの場合は、Microsoft Storeからもインストールできます。検索フィールドで「python」と入力すると、バージョン別に候補が表示されます(①)。問題なければ最新版をクリックし、インストールを進めましょう(②)。

上記はWindowsの例ですが、macOSやLinuxではプリインストール版Pythonをそのまま使うこともできます。
【参考】:Python Docs: Windows で Python を使う 【参考】:Python Downloads

VSCodeのインストール
続いて、コードエディタのVSCodeをインストールしていきます。公式ダウンロードサイトから必要なOS表示をクリックし、ダウンロードを行います(①)。

ダウンロードが完了したら、OS別の手順でインストールを行います。WindowsではPython同様に、Microsoft Storeから「Visual Studio Code」と入力し、インストールすることもできます。
【参考】:Download Visual Studio Code



日本語環境の構築
VSCodeはマルチ言語に対応していますが、初期状態のメニュー表示は英語です。日本語メニューを表示させるには、Visual Studio Marketplaceから、「Japanese Language Pack for VS Code」をインストールします。拡張機能をインストールすることで、VS Codeの表示メニューが日本語化されます。
具体的には、次のように左のバー(Activity Bar)5番目のアイコンをクリックし拡張機能マーケットプレイスを表示します(①)。ここで上部検索フィールドに「japanese language pack」と入力すると(②)、候補が表示されます(③)。
第1候補はMicrosoft製の拡張機能で、クリックすると右ペインに詳細が表示されます。「Install」をクリックし、インストールを開始します(④)。

「Japanese Language Pack for VS Code」のインストールが完了すると、VSCodeの再起動が促されます(①)。ここで「Change Language and Restart」をクリックし、設定を反映します。再起動すると、メニューや関連表示が英語から日本語に変わったことがわかります(②③)。

【参考】:Visual Studio Marketplace: Japanese Language Pack for Visual Studio Code
Python開発環境の導入
VSCodeの初期設定では、Pythonのコード開発が連動していません。Pythonのコード作成から実行・デバッグを連動させるには、「Python extension for Visual Studio Code」と呼ばれる拡張機能をインストールします。
拡張機能のインストール手順は、先ほどの日本語化と同様、Visual Studio Marketplaceから、「Python extension for Visual Studio Code」をインストールします。
左のバー上から5番目のアイコンをクリックし、拡張機能マーケットプレイスを表示します(①)。上部検索フィールドに「python extension」と入力し(②)、第1候補がMicrosoft製の拡張機能であることを確認します。項目をクリックして、右ペインから「インストール」をクリックし、インストールを開始します(④)。

操作に慣れている場合は、右ペインを表示させずに候補に表示される「インストール」を直接クリックすることもできます。
【参考】:Visual Studio Marketplace: Python extension for Visual Studio Code
Python開発環境の構築の注意点
VSCodeで拡張機能「Python extension for Visual Studio Code」をインストールすると、必要な環境構築が完了します。注意点としては、PATHの設定が適切か確認することが挙げられます。PythonやVSCodeのインストーラでは、PATHを追加するかの確認が行われます(①②)。ここでは、チェックボックスをチェックし、インストール時にPATHを設定しておくことをおすすめします。

また、複数のPythonバージョンを並行して使用する場合はvenvで仮想環境を構築し、必要に応じて切り替えると良いでしょう。
Pythonコードの開発

これまでに、PythonとVSCodeのインストールと環境構築が完了しました。ここからは、実際のコード作成を進めていきます。VSCodeは、簡単な操作でコード開発から実行・デバッグまでカバーします。Pythonにおいても、簡単にコード開発を行うことが可能です。
Pythonコードのフォルダーの選択
VSCodeの左バー1番目は、エクスプローラーです。アイコンをクリックすると(①)、指定フォルダーが表示されます。最初は何も表示されていないため、「フォルダーを開く」をクリックします(②)。クリックすると「フォルダーを開く」のエクスプローラーがポップアップ表示され、希望するフォルダーが選択できます(③)。

初めて指定するフォルダーには、次のようにセキュリティ表示がされます。このフォルダーにアクセスするには、「はい、作成者を信頼します」をクリックします(①)。

VSCodeのフォルダーの指定方法は、「ファイル」メニューから「フォルダーを開く」、あるいはCtrl+K Ctrl+Oのショートカットキーなどがあります。
Pythonコードの作成
VSCodeでは、ファイルやフォルダーの作成がアイコンから簡単に行うことができます。具体的には、エクスプローラーペインの最初のアイコンをクリックするとファイルが作成されます(①)。ここでは、ファイル名を ”helloworld.py” と名づけます(②)。これによって、右ペインにファイル編集画面が表示されます(③)。

ここで、必要なコードを追記していきます。
Pythonコードの実行
Pythonコードの作成が完了したら、実行・デバッグを進めていきます。ここでは、print()で簡単に ”Hello World” と日本語の表示をさせていきます(①)。入力後、右側の再生ボタンのアイコンをクリックすると(②)、下側デバッグコンソールに出力結果が表示されます(③)。

詳細なデバッグには、VSCodeの拡張機能「Python Debugger extension for Visual Studio Code」を追加インストールします。より複雑なコード開発に威力を発揮します。
【参考】:Visual Studio Marketplace: Python Debugger extension for Visual Studio Code
ファイル管理の注意点
Windowsエクスプローラーからは、VSCodeで保存したファイルが見つからない場合があります。Windowsの初期状態では、ファイル名拡張子や隠しファイルが表示されないように設定されています。コード開発では、ファイル拡張子の扱いが必須のため、エクスプローラーの設定変更をおすすめします。
具体的には、次のようにエクスプローラー「表示」メニューを開き(①)、「表示」から「ファイル名拡張子」と「隠しファイル」にチェックを入れます(②③)。

VSCodeはPythonコード開発でも使いやすい

VSCodeはJavaやJavaScript、C++などでよく用いられており、Pythonにおいても、拡張機能によって統合開発環境(IDE)に匹敵する機能が提供されています。単なるコードエディタから開発全般まで、VSCodeによってPythonの生産性向上が期待できるでしょう。
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