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資料の作成時間が1/3に?AIによる自動スライド作成サービス『イルシル』を試した結果――
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資料の作成時間が1/3に?AIによる自動スライド作成サービス『イルシル』を試した結果――

金子 茉由
2023.03.22
この記事でわかること
AIによる自動スライド作成サービス『イルシル』とは?
『イルシル』を使うとどのような資料が作れるのか?実際に体験してみた
『イルシル』を使用して感じたことまとめ

「もっと簡単に資料を作成できないだろうか……」 ビジネスパーソンなら一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。

そんなモヤモヤした気持ちを解消してくれる画期的なサービスがあると聞きつけました。その名も『イルシル』。入力した文章をAIが自動でスライドデザイン化してくれるWebサービスです。

果たしてその使い心地はどうなのでしょうか。仕事柄、毎日のようにPower Pointでスライド資料を作成している筆者が、早速使用感を検証してみました!

イルシル

株式会社ルビスが2022年7月にローンチした、“スライド資料を速く、便利に作る”ためのWebサービス。

イルシル上に文章やキーワードを入力すると、内容に合わせてAIがスライドデザインを生成する。デザインテンプレートのパターンは750種類以上。営業資料、サービス紹介資料、採用資料など細かいカテゴリーごとに、最適なスライドを作成することができる。

また、表やグラフなどのデザインパーツも豊富にあり、用途に合わせてパーツを組み合わせるだけで、簡単に見やすいスライド資料が完成する。

イルシルとはどんなサービスか

まずはイルシルがどのようなサービスなのか、会員登録をして試してみます。

2023年11月現在、イルシルはFreeプラン(月額0円)、Proプラン(月額1,680円)の2つのプランからサービスを選択できるようになっていて、法人向けに別のプランが用意されています。

今回は「Proプラン」を選択。必要な情報を登録し、ログインすると次のような画面が現れました。

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非常にシンプルな作りで、一瞬「本当にここからスライドが作れるの?」という疑念がよぎりました…。

資料作成の方法は「新規作成」「構成から作成」「テンプレートから作成」の3つのカテゴリーに分かれており、まずは「新規作成」を選んでみます。

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何だかそれっぽくなってきました。

基本のスライドカラーはグリーンがベースですが、Proプランであれば画面上部の「テーマ」のタブから配色の変更が可能で、またフォントも自由に選択できます。

さらに、会社やサービスのロゴ、クレジットなども挿入できるため、自社用のスライドにカスタマイズできる点もメリットと言えそうです。

本当に文章を入力するだけでスライドデザインが完成するのか

次に、おそらく読者のみなさんが一番気になるであろう、本当にデザインが完成するの?という点を検証してみます。今回は「サービス紹介資料」というテーマで作成してみることにしました。

まずは右側の編集欄に、文章を入力します。

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すると、瞬時に以下のような複数のデザイン案を提案してくれます。

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全体のバランスや配置は若干気になるものの、これはなかなか使えそうです!

このほかにも、既存のテンプレートでは「営業用資料」「採用資料」などのフォーマットがあり、いずれも体系的に章立てされているため、必要な情報を入力すればすぐにデザイン性の高い資料が完成しそうな印象です。

気になるAIの精度は?

ただ、テンプレートのみの提供であれば、類似のデータはインターネット上でも多数ダウンロードできるため、あまり新鮮味を感じません。そこで、イルシルの売りである「AI」の精度を試してみました。

「AI生成」というタブをクリックすると、「文章要約して生成」「タイトル・見出しから生成」のいずれかを選択できるようになっています。

まずは「文章要約して生成」を選び、約200文字程度のサービス紹介文を打ち込みます。

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【生成】ボタンをクリックすると、すぐに生成された文章が表示されました。

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さらに【スライドに反映】をクリックしてみると・・・

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このような形で、15種ほどのスライドイメージを提案してくれました。

「配属職種」と「専任キャリアアドバイザー」がMECEな関係であるかと問われると疑問が残りますが、「配属職種」の部分を「求職者のみなさま」などと変更すれば、わかりやすい見せ方だと言えそうです。

次に「タイトル・見出しから生成」を試してみます。以下のように、サービスの要点のみ打ち込みます。

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【生成】をクリックすると・・・

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やや事実と異なる記述があるものの、提案内容としては的を射ていると感じます。

尚、【生成】ボタンをクリックするごとに提案される内容が変わるため、イメージとそぐわない文章が提案された場合は、何度かチャレンジしてみるとよいかもしれません。

こちらの内容をスライドに反映してみます。

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上段のようにイメージ画像も挿入してくれました。

こちらも15種のデザインパターンの提案があり、シンプルかつわかりやすい構成で使い勝手がよさそうです。

ちなみに、作成したデータは「共有/書き出し」タブより「pdf書き出し」「pptx書き出し」が選択できます。プレゼンテーションの場面などを想定した場合、パワーポイントで編集できるのは便利ですね。

イルシルを使用してみて感じたこと

資料作成にかかる時間を短縮できる

イルシルの最大の特徴である「資料作成の効率化」。こちらについては、たしかに実現できるサービスだと感じました。

AI機能に関しても、営業資料やセミナー資料など、他のいくつかのパターンで検証してみましたが、比較的精度の高い表現を提案してくれます。実際、AIに提案された資料をそのまま使用するケースは少ないかと思いますので、まずはベースとなるイメージを作成してもらえるだけでも充分な時短につながります。

パーツ機能が充実している

個人的に感動したのが「パーツ機能」です。

というのも、表やグラフなども自動生成してくれるものの、正直「表の構造をもっとわかりやすくしたい」「ここは折れ線グラフで表現したい」といった要求が出てくるものです。そこで活用できるのがパーツ機能です。以下のように、グラフやガントチャートなど、見栄えの良いパーツが何種類も用意されているため、部分的にカスタマイズしたい際にもおすすめの機能です。

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構造化して考えるクセがつくので、頭の中を整理できる

イルシルでは文章からスライドを作成する際、テキストごとにロール(役割)を組み合わせてスライドの作成を行います。

ロールは「タイトル(スライドのタイトル)」「メッセージ(スライドの主張部分)」「ヘッダー(小見出し)」「ボディ(本文)」の4つに分かれています。

これらのロールを考えるうえで、自身の頭の中で伝えたいメッセージを組み立てる作業が欠かせません。必然的に物事を構造化して考える必要性が出てくるため、資料作成やプレゼンテーションの基本となるロジカルシンキングスキルを養う効果もあると感じました。

イルシルは生産性アップに役立つアイテム

操作性や機能のシンプルさゆえ、日常的にPower PointやCanvaなどのツールを使用しているユーザーにとって、イルシルを使いこなすことはまったく苦にならないでしょう。特に限られた時間内でプレゼン資料を作成しなければならないシーンや、打ち合わせ用に簡単なディスカッションペーパーが必要なシーンなど、“気軽に、手早く、見栄えの良いスライドを作りたい”ニーズに応えてくれるサービスだと思います。

一方で、既存のフォーマットやデザインでは表現しきれない内容もあり、100%意図どおりのアウトプットが提案されるかというと、そうでない可能性があることも事実です。また、前提として資料を通じて何を伝えたいのか目的が明確になっていないと、思うようなデザインの作成が難しいと感じました。

そうした点を踏まえても、スピード感や生産性を求められるビジネスパーソンにとっては非常にありがたいサービスだと思いますし、今後さらにユーザーにとって使いやすい改良がなされていくことに期待感しかありません。

次回はイルシルを開発した株式会社ルビス代表取締役の宮﨑 有貴氏に、開発の経緯やサービスに込めた想いを伺います。お楽しみに!

ライター

金子 茉由
12年勤務した大手人材会社を退職後、フリーランスライターに転身。会社員時代からIT業界のクライアントとの相性がよく、さまざまなIT系企業の採用活動支援や、エンジニアのスキル開発・育成支援業務に携わってきた。いまの一番の関心ごとは、子ども向けプログラミング教育の未来について。
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