SES出身、累計売上900万円以上の個人開発者に聞いた「売れる開発者のなり方」
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SES出身、累計売上900万円以上の個人開発者に聞いた「売れる開発者のなり方」
岡部 匡志
2020.05.06
この記事でわかること
SESからでも個人開発でトップレベルに活躍できる
「強い開発者」は盗むのが得意
個人開発にはストイックな時間捻出が大事

エンジニアと生まれたからには

誰でも一生のうち一度は夢見る

「個人開発で売上を立てたい」

今回アンドエンジニアでは、個人開発アプリでの累計売上900万円オーバーの開発者、takashiさんアプリ開発者として成功する秘訣についてお話を伺いました!

takashi

「初めはSESだった」エンジニア街道を登ってきたtakashiさん

岡部 匡志

takashiさんはいつから個人開発を初められたんですか?

takashi

実はエンジニアとしてのキャリアの最初はSESです。 SESを2年半やった後、受託開発のSIerで2年半働いて…。 SIerにいたときに、業務でWebシステムの開発をやりながら、業務外でiOSアプリ開発を始めてみた、というのがキッカケです。

岡部 匡志

SESからだったんですか!?

takashi

はい。 個人でiOSアプリ開発を始めた頃も、会社での業務は全部Windowsで、周りにMacを使っている人が誰一人いなくて。 「iOSアプリを作るためにMacを買いました」と周りに話したときは、「普通PCはWindowsでしょ」「アプリ開発をやったことがないのに、上手くいく訳がない。PC代がもったいない」って周りからバカにされましたね(笑)。

岡部 匡志

すごい逆境ですね。

takashi

個人アプリを3つリリースしたタイミングで、モバイルアプリ開発の会社に転職して、現在はフルリモートの会社に勤めています。

岡部 匡志

理想的な未経験からのキャリアパスですね…。

takashi
現在のtakashiさんの仕事環境。

「特定のニーズに特化しろ!」アプリ開発のターゲティング

岡部 匡志

takashiさんのプロダクトの中で、一番ヒットしたものって「文字数カウントメモ」ですか?

mojisu
takashi

そうですね。 累計の売上の、7,8割は「文字数カウントメモ」が占めていると思います。

岡部 匡志

てことは、このアプリ1つで700万円以上は稼いでるってことですか。 ズバリ、「ヒットの秘訣」って何なんでしょうか?

takashi

色々ありますが…。 まずは「ターゲット層の選定」が重要かと思います。

takashi

私が「文字数カウントメモ」をリリースした頃は、公式のメモ機能も含めて、「文字数をカウントする」っていうニーズに主軸を置いたアプリが存在してなかったんですよね。 私は「文字数をカウントすること」に主軸を置いて、ターゲット層を絞り込み、アプリ名にまで持ってきました。 ここでターゲット層を絞らず、万人受けしそうなアプリ名にしていたら、ここまでヒットしていなかったのではないでしょうか。

岡部 匡志

あ〜、確かに、自分もそういうニーズで検索しますね。 アプリじゃなくても、ブラウザで「文字数」だけで検索したり。

mojisuu
App Storeで「文字数」で検索すると、広告を除いて「文字数カウントメモ」が最初に出てくる。
takashi

アプリを必要としている人に届けることが、何よりも大切ですからね。 「広く浅く」で下手に汎用的な名前にするよりは、特定のニーズに特化したほうが良いです。 個人開発だと広告にお金をかけづらいですから、特定の分野でトップを取ることを考えたほうが、成功する確率は上がると思いますね。

「出してからが本番」リリース後の機能チューニング

takashi

また、これは個人開発者の方が陥りがちな罠なのですが、「リリースして満足してしまう」とアプリの人気を伸ばすのは難しいかなと。 ユーザ視点での開発にとって、本当に大事なのは「リリース後、ユーザの要望を聞いて改善していく」部分ですから。

岡部 匡志

「リリースして満足」は耳が痛い…。 「文字数カウントメモ」もリリース後の改善が大きいんですか?

takashi

リリース当初は、本当に「メモができて、文字数がすぐ分かる」だけでした。 ただ、リリースするとユーザから「この機能はないのか」といった問い合わせがたくさん来て…。 ユーザと議論しながら、自分でも必要だと思った機能を追加していきました。 中には、自分が良かれと思って追加したものの、ユーザが望んでおらず、廃止した機能もあります。 そういうサイクルを繰り返して、「文字数カウントメモ」のターゲット層にマッチするアプリに成長していった、という感じですね。

岡部 匡志

確かに、今見ると、たくさん機能がカスタマイズできるようになってますね! こういう改善って、すぐにインストール数に効いたりするんですか?

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ユーザからの要望により、機能を増やしていった「文字数カウントメモ」。
takashi

それがいい改善であれば、数ヶ月もすれば確実にアクティブユーザ数などに効いてきますよ。 アクティブユーザ数が増えたり、滞在時間が伸びたりすると、ストア上のランキングも下がりにくくなるので、いい循環が回ります。 やはり、ヒット作を出しているアプリ開発者を見ると、リリース後にアプリの改善を繰り返している人が多いですね。

「強い開発者」は盗むのが上手い

岡部 匡志

そこ! 聞きたかったんですが、個人開発者ってコミュニティがあったりするんですか?

takashi

コミュニティと言えるほどかは分かりませんが、私の場合、アプリで成功されている経営者や、個人アプリで売上を立てている方たちとTwitterでゆるく繋がっています。 そこでお互いの良いところを盗みつつも、競い合っているというか…。 ヒットするアプリを出している方は、自分のやるべきことに集中しながらも、人の良い部分を盗むのが上手いですね。

岡部 匡志

「盗む」というと、例えばどういうことですか?

takashi

例えば、繋がっている開発者の方でも、文字数をカウント出来るメモアプリをリリースしたり、リリースしているメモアプリの機能に、文字数カウント機能を付けたりされている方も、普通にいらっしゃいます(笑)。 他のアプリの良い点をすぐに吸収し、即行動につなげている人が多いです。 今となっては、文字数カウント機能がついたアプリは沢山ありますね。

takashi

そんな私も、たくさんのアプリをダウンロードして、UI・UXを勉強しています。

岡部 匡志

他の人のアプリも参考にする、と。

takashi

そうですね。 成功されている開発者ほど、色々なアプリを落として考えてアプリを作っているでしょうね。

「ストイックなやつが勝つ」徹底的な時間捻出力

岡部 匡志

takashiさんって、今でもフルリモートとはいえ、フルタイムで働かれている訳ですよね。 「個人開発と仕事を両立するコツ」ってあるんですか?

takashi

個人開発って、まとまった時間を取ってやるものと思われがちなんですが、私の場合は違うんですよね。 どちらかと言うと、「1日最低1時間」を毎日継続していく感じです。 時間はかかっても、継続できればアプリは完成するので。 「日々の時間意識を高めること」が重要だと思います。

岡部 匡志

時間意識ですか。 具体的にされていることってあります?

takashi

まず、便利家電を使って、疲れにくい状況を作り、効率よく動けるようにしています。 ルンバ、食洗機、ドラム洗濯機、コーヒーメーカー等々…。 家具の配置も考えていますし、業務もリモートで、基本的に全て家で物事を完結できるようにしています

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takashiさんの自宅の便利家電。
takashi

エンジニアの方からすると、意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は勉強会にはほとんど行きません。 ほぼ、自宅での独学で済ませています。 それと、友達と会う時もお酒は飲みませんし、飲み会には年に数回しか行かないですね。

岡部 匡志

ストイックというか、合理的と言うか…。 なかなか、誰でもできることじゃないですね。

takashi

休むときは休んでいるし、自分はあまりストイックとは思っていないんですが(笑)。 こういった「メリハリをつけること」をゲーム的に楽しめるかどうかは、個人開発適性の一つかもしれません。

takashi
takashiさんの自宅のホームジム。運動も自宅でできるようにしている。
takashi

自分は極論、会社の方で給料をもらっているので、個人開発は「趣味」でいいと思っています。 ただ、趣味でも熱中できるぐらいやったほうが楽しく、将来的に実になるし、業務でも役に立ちます。 自分は、一瞬で終わる楽しみよりも、経験になったり、長く楽しみ続けられるものに投資したいと考えていて。

直近では筋トレアプリをリリース

岡部 匡志

つい先日、筋トレのビフォー・アフターを記録するアプリをリリースされましたけど、どういった経緯で作られたんですか?

takashi

筋トレはモチベーション管理が重要だなと思っていたのですが、既存の健康管理アプリはグラフしか見れなかったんですよね。 一方で、「筋トレインフルエンサー」は筋トレのビフォー・アフターをSNSにあげてバズっている。 やっぱり、画像で変化を比較をすると、成果が印象深く残るじゃないですか。 このビフォー・アフターを管理できるアプリを作れば、自分の筋トレのモチベーション管理にも役立てられるぞ、と思ったのがキッカケですね。

岡部 匡志

ここでも合理的ですね…。 そういえば、開発もFlutter(Googleのクロスプラットフォーム開発フレームワーク)でされているらしいですね。

takashi

そうですね。 ネイティブでiOS・Android両方作る事の大変さを感じていて、Flutterはそれを解決する優れた手段だと感じたので。 個人開発でFlutterを試したいと思って、平日休日問わず勉強した結果、業務でもFlutterの採用に繋がったので、そういう流れを作れて良かったです。

岡部 匡志

個人開発での経験が、業務に活きたわけですね。 有言実行力がすごい!

takashi

ありがとうございます。 岡部さんも、筋トレをやられる際には是非ご活用ください(笑)。

takashiさんの個人開発での成功の裏には、確固たる戦略と、ストイックな時間捻出力がありました。

その態度を有言実行し、アプリをリリースし続ける力には感服です。

takashiさん、ありがとうございました!

ライター

岡部 匡志
東京大学経済学部卒業後、東京大学大学院情報理工学部で機械学習の研究に携わり、中退。「シゴトーク」シリーズや「アンドエンジニア」を手掛ける株式会社Tenxiaを創業。サウナが好き。ベンチャーなのでサーバもフロントもネイティブアプリも書きます。最近はFlutterに熱心でLTを喋ったりQiitaを書いたりしている。
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