リモートワークに潜む睡眠の落とし穴。「睡眠チェックリスト」で睡眠習慣を見直そう
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リモートワークに潜む睡眠の落とし穴。「睡眠チェックリスト」で睡眠習慣を見直そう
三角
2020.04.01

ソフトウェアエンジニアが働くということは、一日中画面を見つめてコードを書くということでもある。

時にはコーヒーやエナジードリンクを摂取しながら没頭することもあるだろう。

そんな働き方をしているエンジニアは睡眠の悩みを抱えがち…。

そこで、多くの企業に睡眠改善プログラムを提供しているニューロスペースの社長、小林孝徳さんにエンジニアのよりよい睡眠について聞いてみた。

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三角

エンジニアって、気分が乗ってると眠気を我慢してコードを書こうとしちゃうんですよね... 実際私も今日は朝の4時までコードを書いていました。

小林さん

エンジニアって皆さんそんな感じなんですか?

三角

「ソーシャルネットワーク」という映画ではFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグが「30時間以上コードを書き続けて倒れた」シーンや、話しかけられても反応せず一心不乱にコードを書き続けるエンジニアを称賛するシーンがあるんですけど。

三角

映画なので誇張はあるにせよ「休まずコードを書き続けるパフォーマンスの高いエンジニア」を理想とする人も多いと思います。自分自身は結構なロングスリーパーで、8時間は寝ないと頭が働かないんですが、6時間睡眠で十分というひとたちが羨ましいです。 実際のところ、どれくらい睡眠すれば十分なんですか?

小林さん

うーん…睡眠の特徴は人によって違うので、他人と睡眠時間を比べるのは意味がないんです

睡眠の特徴は人によって違う。自分の理想的なサイクルを確保するには?

三角

睡眠サイクルって人によって違うと思うんですけど、何が原因で変わるんですか?

小林さん

体内時計です。サーカディアンリズムというのがあって、この周期が24時間ではなく、人によっては短かったり、長かったりします。ちなみに私は24時間より長いです。

三角

つまり、24時間より長い人は眠くなり始めるのが遅いということですか?

小林さん

そうです。私は24時間より長い周期なので、いわゆる夜型人間ですね。

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三角

たとえば25時間周期の人って、毎日寝る時間が1日遅れていっちゃう…ってことですか?

小林さん

いえ、この周期のスタートは、起きてから太陽の光を浴びるとリセットされるんです。つまり、毎朝起きて太陽の光を浴びる時間を固定できれば、眠くなる時間も整えることができます。

三角

じゃあ逆に毎日適当な時間に起きてると、毎日眠くなる時間がバラバラになって、ベッドに入っても眠れない、ってことになるんですね…

リモートワークには睡眠サイクル崩壊の落とし穴が!カギとなるのは日光!?

三角

自分は最近ずっとリモートワークなんですけど、部屋にこもりっぱなしで…これって体内時計に悪影響ですか?

小林さん

リモートワークでずっと部屋にいて日光を浴びる機会がないと、周期が24時間からずれているぶんだけ毎日起床時間や就寝時間がずれていくことになりますね。最近リモートワークに切り替わった人も多いと思うんですけど、通勤で毎日同じ時間に日光を浴びていた人が急に日光を浴びなくなると、睡眠のサイクルも崩れてしまいます。

三角

思い当たるフシがありまくりなんですが……朝起きたらベランダに出ろってことでしょうか?

小林さん

そうですね。あとは、作業する場所を窓の近くにしてなるべく日光を浴びるとかですね。本物の太陽の光じゃなくても、ある程度強いライトの光でも大丈夫です。専用のライトや光目覚まし時計も市販されていますよ。

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睡眠時間を測るときのコツとは?

三角

適切な睡眠時間が人によって違うという話でしたが、どうすれば適切な睡眠時間ってわかるんですか?

小林さん

まず、起きたときにスッキリしているという感覚があるか?ということですね。目覚まし時計で無理やり起きたとかではなく。あと、起きて4時間くらいで強い眠気が来ないというのも一つの指標になります。

小林さん

また、ベッドに入ってから眠るまでの時間も指標になります。たとえば1分以内で眠ってしまうというのは、実は睡眠不足で疲れ切っているからすぐ寝てしまう、という可能性があります。本来は3~10分のまどろみが来てから眠れるのがベストですね。

三角

ベッドに入ってすぐ眠れる!というのはなんだか健康的に聞こえますけど、実は睡眠時間が短すぎる可能性があるんですね。友人にそういう人がいて、いつも羨ましいな〜と思ってたけど、彼の体はヤバいかも…ちなみに私はいつも1時間位かかってしまいます

小林さん

もちろん長過ぎるのも注意なので、気をつけていただきたいです。

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飲み過ぎはキケン!エナジードリンクの注意点

三角

とはいえ、エンジニアの働き方を考えると毎日同じ時間に寝て起きて…って難しいと思うんですよね。深夜にリリース対応のある人とか、集中してエナジードリンクでブーストしたい人とか…

小林さん

もちろん、睡眠をどうしたいか?は本人の意志によります。そういう働き方のほうが合っている、という場合は無理に起床や就寝時間を揃える必要はありません。

小林さん

ただ、実はエナジードリンクってそんなにオススメしていないんですよね。エナジードリンクは眠気を感じなくするだけで、眠気自体は消えていないので。

三角

そうなんですか?

小林さん

だから頭は冴えてるように感じても、ケアレスミスが増えたりするんです。あと、エナジードリンクには糖分が含まれてるので脳がブーストされるんですけど、瞬発的なものなので、持続しません。

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三角

うーん、やっぱり本質的な改善ではないですよね。友人には毎日睡眠剤を服用しているくらい睡眠がひどい人もいて、なんというかエナジードリンクとか睡眠剤ってわりとエンジニアの間では頻繁に出てくるアイテムになってますね

小林さん

もちろん、最終的に病院で診察を受けることも必要な場合もありますが、直ぐに薬をつかう必要性があるのかを見極めることは大切です。

エンジニアは「画面」とどう付き合っていくべきか?

三角

あと、エンジニアの仕事柄、寝る直前までディスプレイを見つめているという生活スタイルはなかなか変えられないと思うんですが…

小林さん

ベッドに入る一時間前に強い光を見つめるのは入眠を妨げるので避けたほうが良いんですが、仕事なので仕方ないですよね。

三角

眠ろうと布団に入ってからも、気になったことをスマホで調べちゃったり、そのままSNSとかYoutubeを見ちゃったり…

小林さん

ベッドに入ってからはスマホをいじらないようにするだけでも違いますよ。これは同時に、脳が「ベッド=スマホを見てダラダラするところ」という覚え方をして眠りにくくなることも防げます。

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エンジニアの睡眠改善例:深夜の障害対応が続くエンジニアの睡眠法

小林さん

ニューロスペースの睡眠改善プログラムを実際に利用されている方で、エンジニアの方の例だと、深夜のシステム障害で夜の22時過ぎに起こされることが週に3日はあるという方がいて。

小林さん

お子さんもいる家庭の方なんですが、0時に寝て2時に起こされて、また6時頃眠る、みたいな。そうなると朝起きるのしんどいし、昼間も眠いですよね。

小林さん

睡眠って、実は眠りについて最初の3~4時間が大事なんですよ。そのことをうちのプログラムで知ってもらいつつ、なるべく障害で起こされるまでの時間を伸ばすようにしてもらったんです。そしていろんな数値をうちのアプリで計測してもらったら、睡眠の質を示す数値も上がっていったんですね。

三角

職種によってはどうしても睡眠が断続的になったり短くなったりするけど、プログラムで改善できるってことですね。

三角

その睡眠改善プログラム、めちゃくちゃ使ってみたいんですけど、企業向けということなので、個人で自分の睡眠について分析する方法ってありますか?

小林さん

はい。ニューロスペースが作った簡単なチェックリストがあるんですよ。これを使って睡眠の質を測ってみてください。

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「快眠チェックリスト」であなたの睡眠の質をチェック!

ニュロースペースさん作成の「快眠チェックリスト」の中で自分に当てはまると思うものをチェックしてみよう。

ベッドに入って1分以内に眠ることがある
ベッドに入ってから眠るまでに15分以上かかる
睡眠中、夜中に何度か起きることがある
睡眠途中で起きてしまい、眠れなくなることがある
目覚ましをセットした時刻の2時間以上前に起きてしまう
たくさん寝ても疲れがとれない
起きたい時間に起きるのがつらい
平日と休日で睡眠の長さや起きる時間が極端にずれている
起床から4時間以内に眠気を感じる
昼間に強い眠気を感じる
帰宅中、電車の中で寝てしまう
眠る直前までスマホを見ている
電気をつけたまま寝てしまうことがよくある
日中、無意識のうちに寝落ちすることがある

3つ以上チェックがついた人は睡眠に課題があるかも…?

ニューロスペースさんにいただいた資料をもとに、質の高い眠りを導く6つのメソッドについてまとめてみた。

いい睡眠を取るための6つのメソッド

1. 自分の最適な睡眠時間を知る 目覚ましをかけずに寝て、自然に起きられる時間を記録してみよう

2. 起きる時間を一定にする 眠気を誘うホルモンであるメラトニンの分泌リズムを崩さないためにも、起床時間を一定に

3.光を味方につける 朝起きてすぐ光を浴びると体内時計がリセットされる。朝日を自然と浴びやすい部屋づくりを。

4.深部体温(脳や内臓など体の内部の温度)を調整する 入浴などで就寝1時間前に深部体温を人工的に上げ、就寝に近づきながら深部体温を急降下させることが重要。逆に起床後は熱めのシャワーを浴びるなど、深部体温を上げることが効果的。

5.攻めの仮眠を取り入れる 十分に眠れなかったというときでも、眼をつぶり情報を遮断するだけでも脳は休まる。 a. 起床後6~7時間後に仮眠 b. 15~30分の仮眠 c. 横にならない d. 仮眠前にカフェインを飲む

6.入眠儀式でリラックス ベッドでスマホをいじるのをやめ、ベッドは何もせず眠るためだけの場所、ということを体や脳に覚えさせよう

ライター

三角
誰よりも健康になりたいと願っているWEBフロントエンドエンジニア/漫画家。上場企業で4年ほどエンジニアとして務めた後に独立しフリーランス。Next.js+Typescript+FirebaseでPWAを開発している。
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