「SIerかWeb系か」はもう古い?Sky株式会社が語る、SIer業界に起きる大きな変化の波とは。
「SIerかWeb系か」
SIer業界にいる方や就職・転職を検討したことのある方なら、一度は聞いたことがあるテーマではないでしょうか。
SIerの仕事を調べたときに、SIerとWeb系の比較記事に触れたことがある方も多いかと思います。
ですが、この比較、実はいまやもう時代遅れになりつつあるようなんです。
SIer業界に起きている大きな変化について、Sky株式会社において業務系システム開発を受け持つビジネスソリューショングループ(以下、BSグループ)のH.Hさんにお話をお聞きしました。
「SIerかWeb系か」はもう古い
「SIerかWeb系か」この話は昔からよく目にしていたんですが、この状況が変わりつつあるって本当ですか!? SIerではWeb系の経験はできないと思っていたんですが…。
はい。これは本当で、SIerでのWeb系の開発案件は増加傾向にあります。 我々Sky株式会社についてもそうですし、SIer業界の流れでもあると思いますね。
本当なんだ…! なぜそのような変化が起きてきてるんでしょう…?
一番大きな要因はユーザの方が利用するデバイスの変化です。 生活におけるメインのデバイスがPCからスマートフォンに移りましたし、仕事においてはタブレットも広がっています。 こうなってくると、PCでもスマートフォンでもタブレットでも使いやすいサービスが必要となります。
その状況に対応するため、実装をWebAPIとフロントエンドで切り分けて、フロントエンドの実装をWeb系にするという形をとることが増えてきました。 また、Webアプリケーションの開発だと、フロントエンドはシングル・ページ・アプリケーション(以下、SPA)での開発が増えてきていますね。 これらの流れは当面は変わらないのではないでしょうか。
そうなると、現場での仕事や扱う言語も変化がありますよね…?
フロントエンドだと、ReactやAngular、Vue.jsなどのモダンな言語での実装が増えています。 また、インフラはクラウドを使うことも増えてきており、AWSやAzureなどを扱いますね。
正直、SIerさんといえばもっとレガシーな印象が強かったので、SPA、ReactやAngular、AWSやAzureといった単語をお聞きできると思っていませんでした…。 このような変化はいつ頃から…?
このような変化がSIer業界においても顕著にあらわれてきたのは、ここ1〜2年ぐらいかなと思います。 それに応じてWeb系のフロントエンドやクラウドインフラ系のエンジニアがSIerにも求められるようになってきました。
いわゆるWeb系のエンジニアの方々って、SIerさんの中でもこれまでは多くなかったと思うんです。 彼らがSIerさんに入って仕事をしていくときの課題や、そのために実施していることなどはありますか?
Sky株式会社では基礎的な研修や業界知識のサポート、継続的なメンタリングなども手厚く行っているので、業務にはスムーズに入っていけているかと思います。
課題でもあり意識しているのは、アサイン先の調整の点でしょうか。 若い方やトレンドの技術を追いかけている方は特に、様々な業界の案件や新しい案件を用意していかないと面白みを感じてくれないのではないかと思います。
案件の性質や関わるエンジニアのタイプが違うからこそ新しく生まれる課題ですね。
そうですね。 このあたりはバランスを取りながら、満足してもらえるよう調整していきたいと考えています。
自社パッケージ商品やクラウド開発を通して分析やAIの領域も強化
Web系の領域だけでなく、データ分析やAIなどの領域にも力を入れているとお聞きしました。 具体的に教えていただけますか?
そうですね。 データの取得〜可視化〜分析〜活用までをひととおりサポートしています。
具体的には、Microsoft AzureのDatabricksなどを活用してデータ分析をしています。 データを取得しやすくするため、クラウド系のインフラの導入を支援することもあります。
分析結果の可視化にはBIツールを使うケースが多く、MicrosoftのPower BIなどを活用していますね。 データ分析は、データのクレンジングにもつながるので、その後はAzureのMachine Learningを活用して学習モデルを作るというようなAI系の取り組みも行っています。
なるほど。 開発や保守・運用だけに閉じないサポートをしているんですね。
最近では、自社パッケージ商品を通してもそのような取り組みを行っています。 Sky株式会社が他社と大きく異なるのは、SKYSEA Client Viewという自社パッケージ商品を提供していることです。
リスク対策SKYSEA Client Viewでは、セキュリティ管理のための膨大な量のログが蓄積されています。 SKYSEA Client Viewで蓄積したクライアントのログデータを分析・可視化し、改善を提案していく、というサービスを提供しているんです。
例えばどのような形のサービスになるんでしょうか?
一つは、サービス残業の疑いがないか、テレワークでもちゃんと働けているか、PCの私的利用のリスクはないか、などの監査的な面で課題の発見。
もう一つは、悩んでいる社員やうまくいっていない社員のパターンを見つけ、早期に発見してケアや教育をするなどのHR的な面です。 もともとセキュリティー担保のために蓄積していたログを活かせるというのは面白いですし、自社パッケージ商品を提供しているSky株式会社じゃないとできないことだと思っています。
本当にSky株式会社だからこそ提供できるサービスですね…!
Sky株式会社といえば自社パッケージ商品のイメージも強いと思うんですが、自社パッケージ商品の開発だけではなくそれを活用したサービスにも取り組んでいるというのは、Sky株式会社が変化してきているところかなと思いますね。
共通性の高い機能はクラウドのSaaSとしても提供していきたいですし、より独自の分析を必要とするクライアントには分析基盤の導入を支援していきたいと考えています。
このようなサービスを開発・提供する中では、どのようなエンジニアが活躍しているんでしょうか?
まずはやはりクラウドインフラ系のエンジニアですね。 クライアントへのクラウドインフラの構築ソリューションの提供や、上記のようなサービスの開発で活躍しています。
そして、データ分析系のエンジニア・データサイエンティストですね。 Pythonなどで動くものを作りながら分析や検証をしつつ、BIツールなどを使い倒してデータを可視化しています。 こちらは採用と同時に、社内での育成も強化している部分です。
クラウドインフラ系やデータ分析系のエンジニアの方々もSIerで活躍している、というのは正直意外でした。 お話をお聞きするまではもっとレガシーな感じとばかり思い込んでいました…。
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉も浸透し始め、クライアント企業様も、Sky株式会社を含めたSIerも、変化してきていると感じます。 いわゆるシステムエンジニアの方はもちろん、今回お話したような様々なタイプのエンジニアの方の力を求めていますし、もしSky株式会社に興味が沸いた方はぜひ企業ページや採用ページもご覧ください。
Sky株式会社さんやSIerさんの仕事の印象が変わるインタビューになりました。 ありがとうございました!
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