エンジニアこそ副業をすべき?日本最大のキャリアSNS「YOUTRUST」代表に聞く「エンジニアと副業」
コロナ禍で働き方の変化も進み、エンジニアは特にリモートワークへの移行も進んでいます。
その中で同時に浸透し始めているのが、「副業」。
エンジニアにとっての副業とは?副業の際に気をつけることは?
友人や友人の友人から副業・転職のオファーが来る日本最大のキャリアSNS「YOUTRUST」の代表の岩崎由夏さん(以下、岩崎さん)にお話を伺いました。
エンジニアにおける副業とは
エンジニアの副業、そもそもやった方が良い?
まずお伺いしたいんですけど、エンジニアの方に副業はオススメですか?
その方のフェーズによると思っています。 私は昔は副業反対派で、副業をするくらいなら本業にコミットするべきだと思っていたんです。
え?反対していたんですか?
実はそうなんです。 でも自分が実際に副業をしてみると、新しいやり方や考え方を経験できて学びが多かったんですよね。
タイミングとしては、成長の実感が頭打ちになる時期に突入したら、副業はオススメです。 それまでと違う環境で新しい業務に取り組むことで、不足している点や新たな気づきが得られて新しい成長曲線を描けます。
副業での経験がブレークスルーになりうるんですね。
ただし、副業の目的がお金だけであればオススメはしません。 副業はプライベートの時間を削ることになりますし、本来自由に楽しく使える時間をあえて使ってまでやりたいことなのかというのは考えてから副業をするか決断してほしいですね。
エンジニアは副業との相性が抜群
ただ、エンジニアは副業との相性はとてもいいと思います。
業務はイシューや機能の単位で切り出しやすく、GitHubやSlackなど非同期の連携にも慣れているので、稼働する時間などがコントロールしやすいですし。 同期的な連携が必要な際も、稼働時間を一部被らせれば十分なことが多いですよね。
普段の業務も非同期で動くことは多いですもんね。
色々な技術やチームの運用を見られる・体験できる点も非常に価値があります。 副業する側が学べるのはもちろん、受け入れる側にも知識を共有でき、副業を通してお互いの知識を交換でき、知識の資産が溜まっていくんです。
実装方法はもちろん、チームの運用方法やコミュニケーション方法なども、様々なパターンを知っておくとレバレッジが効きそうですね。
経験豊富なエンジニアしか副業できない?
副業って、ある程度能力が高い人じゃないと価値が出ない気もするんです。 やっぱり能力が高いエンジニアにならないと副業はできないんでしょうか?
これは需要と供給の話だと思っていて。 副業を頼むのは、緊急度は低いけど、重要度が高い業務に対して、自社でリソースを割ける方がいないという時が多いんですね。
たしかに、自社に十分にエンジニアの方がいる領域では副業としてあまり切り出さないですもんね。
副業って稼働時間はどうしても限られるので、基本的には短時間での質の高いアウトプットを求めますし、その領域の専門性が高い方に頼むことがもっとも合理的です。 そう考えるとやはり経験が豊富な方に案件は集まりがちではありますね。
ただ、結局は求められている業務へのマッチングの度合い、時間単価、稼働時間のバランス次第にはなりますね。 相対的には能力が差があっても稼働時間でカバーして成果を出せるパターンもありますし、その方の成長を期待して副業を依頼するパターンもありますし。
能力や経験、稼働時間、時間単価のバランスをうまく調整することが大事なんですね。
副業で新しい技術や領域に挑戦できる?
副業を通して言語や領域を広げたいという方もいらっしゃると思います。 そのような目的での副業って可能なんでしょうか?
経験の少ない技術や学習したばかりの技術を経験を積むために副業を希望する方もいらっしゃいますね。 基本的には経験の豊富な方が求められるので、受け入れ側の企業は多くはないですが、マッチングする場合もあります。
マッチングするのはどのような形があるんでしょうか?
例えば一定期間を本来の報酬より低いお試し価格で設定して、アウトプットを見てもらってから、継続の判断や報酬の金額を見直すというパターンです。 不安要素を報酬の部分でコントロールする方法ですね。
習熟したエンジニアの方は他領域のキャッチアップのスピードが速いですし、キャッチアップ期間の働き方や期待値をしっかりコミュニケーションすることが大事です。
コミュニケーションのポイントは期待値調整
副業においてエンジニアが意識するべきコミュニケーションはどういうものなんでしょうか。
コミットメントの期待値調整が重要です。 副業は稼働時間の制約が前提になるので、出来ることは必然的に限られます。
要件を満たせない、十分な価値が提供できない、というリスクがある部分に関して、きっちりと伝えたうえでコミットの形をすり合わせることが必要ですね。
副業においてエンジニアが意識するべきコミュニケーションはどういうものなんでしょうか。
スキルと稼働時間のそれぞれで出来る出来ないをちゃんと割り切って話すべきです。 安請け合いして蓋を開けたらアウトプットが期待値より低い、というのが一番よくないので、そうならないよう業務内容や進め方を決めることが大事ですね。
副業の開始時はもちろん、随時シンクしないとズレていくポイントなので、お互いに定期的にすり合わせをすることが必要です。
安請負してうまくいかないよりは、現実的な範囲ですり合わせる方がお互いに気持ちよく仕事できますよね。
最近はリファレンスチェックも浸透してきています。 副業が増えればリファレンスが取られる先は増えていくので、副業だからといって侮ってはいけませんし、むしろチャンスにもリスクにもなり得るという認識も持っていただきたいですね。
リファレンスチェックの内容が悪いと、自分の知らないところで本業・副業を含めてキャリアの選択肢が減ってしまいます。 副業でもしっかりとパフォーマンスを出すことで、市場価値を高める機会としても活用してもらいたいですね。
働き方の変化とエンジニアの副業への影響
コロナの拡大で働き方は大きく変化していますが、副業に関しても影響や変化はありますか?
社内コミュニケーションのオンライン移行
まず、社内コミュニケーションのオンラインへの移行が加速したことで、副業メンバーも働きやすくなりました。 オンラインでのテキストベースのやり取りが中心になったことで、ログやドキュメントとして残るようになり、キャッチアップがしやすくなったんです。
一方で、直接会う頻度は減るので、自ら情報を取りに行ったり、オンラインでコミュニケーションを取るスキルの重要度は上がっています。 受け身で待っているタイプの方はどうしてもミスマッチになることが多いですね。
移動や通勤の時間の削減
通勤や移動の時間が減ったことはどう影響していますか?
通勤や準備時間はもちろん、会食や飲み会の時間も減り、副業に充てられる時間は増えたと思います。 コロナの拡大で未来への不安もあり、副業をしたいという方は増えていますね。
採用側の副業へのスタンスの変化
採用企業側の変化も感じますね。
今までは副業だとしても出社してくれないと困るという話も多かったんですが、強制的にリモートで働く経験が浸透したことでそれでも仕事ができると分かり、副業でのリモート稼働への許容度が上がりました。
オンライン面談のハードルの低さ
面談がオンラインに切り替わったことも大きいですね。
候補者の移動、オフィスの案内や受付など、対面だと必要だった時間がなくなり、求職者も採用側も時間が取りやすくなりました。 その結果、求職者は選択肢を増やしやすくなり、採用側も一日でできる面談数が増え多くの候補者と話しやすくなっているんです。
働き方はもちろん、採用面も大きく変化しているんですね。
データで見るエンジニアの副業状況
YOUTRUSTさんは副業に関するデータ収集や発信もされていらっしゃいますよね。 エンジニアの副業状況についてデータも絡めながら教えてください。
YOUTRUSTユーザーの割合としてはだいたい3割ほどがエンジニアの方で、職種としては一番多いですね。
エンジニアの中でも、フロントエンド、サーバーサイドはもちろん、セキュリティ系やマシンラーニング・AIなどをはじめ様々な言語・領域の方がいらっしゃいますね。
やはりエンジニアの方は副業が決まりやすいんでしょうか?
かなり決まりやすいです。 YOUTRUSTを利用してくださる企業様の多くがエンジニアリソースを必要とされており、エンジニアの採用熱はかなり高いです。
一定レベル以上のエンジニアの方は、「副業意欲が高い」状態に設定するか、興味を持った案件に応募するだけでおそらく副業が決まります。 また、YOUTRUSTでのプロフィールはもちろん、技術力が具体的に伝わるGitHubやテックブログなどを連携していればより確度は高まりますね。
こちらのプロフィールの書き方がわかりやすいかなと思うので、ぜひご覧ください。
ありがとうございます。 ちなみに、エンジニアの方の報酬の単価感はどの程度なんでしょうか。
YOUTRUSTにおける全職種の副業で見ると、時給換算で一番多かった金額帯が2,001円~3,000円台で、次に多かったのが4,001円~5,000円です。 エンジニアだと4,000円前後〜が多いと思いますし、レベルの高い方であればさらに時給も高くなりますね。
エンジニアさんだと、週10~20時間くらいの稼働が多く、月あたり10万円以上の報酬を得ている方が多いですね。
エンジニアの副業からの転職
YOUTRUSTでは、副業をしてから転職するお試し副業・お試し転職も多いと聞くんですが、エンジニアにおいても多いんですか?
かなり多いですね。 特にエンジニアは、面接だけでお互いを知るのは限界があります。 スキルや能力、仕事の進め方など採用にあたって必要なことを知るためにも、実際に一緒に働くことができる副業はピッタリなんです。
たしかにエンジニアは一緒に働いてみないと分からないことが多いですよね。
会社によって開発のフローや開発におけるコミュニケーションは違いますし、カルチャーが出る部分でもあります。 実際にプロジェクト形式でやりながら体験することで転職後のイメージの解像度が上がり、転職の本格的な検討につながるんです。
正式な転職前の副業でお互いを知ることで、求職者側も採用者側もお互いにミスマッチのリスクを最大限排除できます。 エンジニアの方にこそ、転職を検討する際にはお試し転職をやってみてほしいですね。
たしかにお試し転職はエンジニアの転職においてはかなり有効そうですね…! 最後に何かあればお願いします。
副業って、やってみると本当に違う世界が見えますし、成長した分は本業にも返ってきます。 もしかしたらそこからのご縁で新しい職場が見つかることもあるかもしれません。
もし少しでも興味があれば、ぜひYOUTRUSTを試してみてください!
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