ホリエモンこと堀江貴文さんが監修しているオンラインAIスクール「ホリエモンAI学校」。誰でもAIを使いこなせるようになる200講義8コースを提供しており、ホリエモンそっくりのAIアバター「ホリエモンAI」が特別講義(※1)を行うなど、これまでの教育とは一線を画す体験を提供しています。
そもそも「ホリエモンAI」はどのように生まれたのか。実際のユースケースやAIアバターが実現する次世代のユーザー体験について、「ホリエモンAI学校」のCTO 熊澤秀道さんに伺いました。
ホリエモンAI学校
堀江貴文氏が監修しているAI活用のオンラインスクール。生成AIの活用方法を分かりやすく伝え、業務改善やコストダウンを実現できるプログラムを提供。新サービスの「ホリエモンAIアンバサダー」では、堀江貴文氏そっくりのAIアバター「ホリエモンAI」の動画で企業・店舗のサービスや商品をPRすることが可能。
AIで事業課題を解決する「ホリエモンAI学校」
堀江さんとはどのような経緯で協業することになったんですか?
私たちが元々運営していたChatGPTを活用したプログラミングスクール「タノメル」に堀江さんが興味を持っていただいたのがきっかけです。2023年の創業当時は、Python入門として誰でも最速でプログラミングを習得できる方法を教えていました。その後、生成AIの活用をより多くの人に伝えていきたいと考える中で、IT業界の第一人者である堀江さんとのシナジーに魅力を感じ、協業させていただくことになりました。
「ホリエモンAI学校」ではどんなことを学べるんですか?
AI、ChatGPT、Stable Diffusion、Pythonプログラミング、新規事業などを学ぶことができます。約200講義が「選び放題」「受講し放題」なので、AIのリテラシーが一気に高まるのはもちろん、日々の業務をAIで改善する方法を習得できます。
AIを作るのではなく「AIを使いこなす」ことにフォーカスしているんですね。
そうですね、私たちや堀江さんのまわりには「生成AIは面白そうだけど、使い方がわからない」「会社で活用するとき、どんな情報を参考にすればいいのかわからない」という方が数多くいらっしゃいます。一方でChatGPTは、自然言語(日本語)を使って操作できるので誰でも利用できる。そのギャップを埋めて、スピーディーにAIで事業課題を解決する方法を学べるのが「ホリエモンAI学校」の特徴です。
たしかに、生成AIを業務に活用できていない人は多いですもんね。
「ホリエモンAI学校」は、特定の業界や地方に特化したフランチャイズ化も進めています。フランチャイズに協力していただいた企業では、生成AIの知識を自社のノウハウと掛け合わせることで、学びのレベルをどんどん高めています。
「ホリエモンAI」がアンバサダーとして商品をPR
堀江さんのAIアバター「ホリエモンAI」ですが、「これはAIです」の表示がなかったら全く見分けがつかないですね。あまりにリアルで驚きました。
ありがとうございます。堀江さんの影響力は想像以上に大きいですね。SNSなどでもかなりの反響があり、AIの活用で困っている人からたくさんの相談が寄せられます。
「ホリエモンAI」が生まれた経緯についても教えていただけますか?
私自身が以前からVRアバターを作成したりVtuberとして活動したりしていたのですが、生成AIが登場してからはAIアバターにのめり込み、その過程で生み出したのがホリエモンAIです。最初は自分のAIアバターも作ってみたのですが、AIアバターを動かすよりも自分で直接喋った方が早いんですよ(笑)。
AIアバターを作るには、ある程度時間がかかりますもんね。
制作面でのコスパが合わずメリットを見出せない中で、堀江さんのAIアバターならすごく価値があるのではないかと。興味を持っていただける方が増えるのではないかという期待感で、ホリエモンAIを作ることになりました。業界を問わず大きな反響をいただいています。
ホリエモンAIでどんなことができるんですか?
ホリエモンAIを活用して、依頼された企業のPR動画を作成できます。企業側が伝えたいメッセージをホリエモンAIが話す「ホリエモンAIアンバサダー」という新サービスなのですが、SNSやHPでホリエモンAIが話している動画を公開し、強いインパクトを与えることができます。
掲載可能なチャネルやメディアに制限はあるんですか?
基本的にはホリエモンAIの動画素材を提供しているので、SNS、YouTube、企業HPなどへの掲載がメインになります。
活用の仕方によっては、かなり効果がありそうですね。
そうですね、堀江さんが好きなものや価値観と商材がリンクしていれば、特に効果は大きいと思います。また、ホリエモンAIを動画に活用することで、自社のブランディングにも相乗効果が。特にIT系企業やAIサービスを提供している企業は、堀江さんやAIアバターの効果で、先進的なイメージを与えられるのではないでしょうか。
堀江さんはグルメアプリをプロデュースするなど“食通”としても有名なので、飲食系のPRにもいろいろ使えそうだと感じました。
私たちが最も好ましいと思っているのは、本当に堀江さんが食べて「うまい」と言っているものです。その一言や文章だけしか残っていない場合に、ホリエモンAIでコメントを補足するのが良いのではないかと。また、サイネージ系のサービスとも連携しているので、店舗に置くサイネージや店内のモニターにホリエモンAIの動画を流すことも可能です。
HPなどにも使えるのでかなり活用範囲は広いですね。
さらに毎月一回、堀江さんと直接対面でグループミーティングを行い、ビジネス戦略や課題についてのアドバイスを受けることもできます。事業についての相談などもできるので、ビジネスをより一層成長させるチャンスにもなると思います。
堀江さんと壁打ちできるというのはすごいですね。コスパについてはいかがですか?
堀江さん自身に動画出演をご依頼すると、それなりにコストが必要になってくると思いますが、「ホリエモンAIアンバサダー」であればかなりコストを抑えることができます。このサービスをローンチしてから「ホリエモンAIにこの案件をやってほしい」など多くの依頼が毎月来ており、コスパの良さでも評価をいただいています。
AIアバターがCMの現場に革命を起こす
社会的にもAIアバターの活用が少しずつ広まっているような印象ですが、具体的な活用シーンとしてはどんなことが挙げられますか?
まずCMへの活用ですね。多くの人が目にしている例でいうと、伊藤園さんのCMにおける生成AIやアバターの活用は有名だと思います。著名人やモデルがいなくてもAIアバターを使って映像作品を作れるのは、市場における大きな変化ではないでしょうか。
AIアバターをCMに使っていたのは私も驚きました。AIアバターを動画に活用するメリットはどんなところにありますか?
従来の動画制作では、撮影後に人物そのものを大きく変更することが難しいですが、AIアバターなら髪型や衣装を自由に変えられるのはもちろん、モデル自体を差し替えることもできます。また、今までのCM撮影の場合は撮影テイクを何十回、何百回と繰り返すことも多いので現場が疲弊していく場面も。AIアバターを活用すれば、誰にも気兼ねすることなく納得のいくまで動画を修正できます。
CMは撮影自体が大がかりなので、コストをかなり削減できそうですね。
それ以外にも、AIアバターはニュースなどを読む場面でも積極的に活用されています。もちろん感情を込めた読み方などはまだまだで、ニュースキャスターやアナウンサーに劣ります。それでも、AIアバターを使えば音声で情報を伝えることができるので、使い方によってはコンテンツの価値を高めることができます。
ちなみに動画でAIアバターを活用する場合、「これはAIです」などの表記は必ず入れる必要があるんですか?
現状、AIアバターであることの表記はルール化されていませんが(2024年8月現在)、見ている人の感情を考えたときに、AIかどうかは必ず明記した方が良いと考えています。特に著名人の場合は「本人だと思っていたのにAIでショック」など負の感情を呼び起こすことも想定されるので、慎重に運用していく必要があります。
AIアバターは経営者や人事の心強い味方
ホリエモンAI学校では、AIアバター制作プランも提供しているそうですね。
はい、AIアバターの制作方法を教える「AIアバター制作方法研修プラン」と、私たちがAIアバターの作成と運用を代行する「AIアバター運用代行プラン」を提供しており、誰でも簡単にAIアバターを活用できる世界を目指しています。
導入企業ではどんなニーズがあるんですか?
引き合いとして増えているのは、経営者など忙しい方のAIアバターを作りたいというニーズですね。社員への説明やスピーチのスケジュールがなかなか調整できないので、本人が直接話すのをAIアバターに置き換えたいという要望がよく寄せられます。毎日の朝礼に使いたいというケースもありますね。
スケジュールが調整しにくい方には最適ですね。
あとは、同じ内容を何度も話すことが多い採用系の方ですね。採用の説明会や合同会社説明会などで、AIアバターの動画を使いたいという要望もいただきます。それ以外にも実証実験的に普段のMTGなどでも使いたいという企業様もいるので、今後どんどんユースケースは広がっていくと思います。
AIアバターを制作するときに、素材は何が必要なんですか?
指定の長さの動画を撮影もしくは提供していただければ、私たちの方で細かい部分をチューニングして、AIアバターとして動かせるようにできます。私たちが提供しているAIアバター制作プランでは、AIが自分で考えて話すのではなく設定したメッセージを忠実に伝えられる仕様にしています。衣服を自由に着せ替えるのは難しいですが、AIアバターをまずは使ってみたいと考えている方にはおすすめです。
企業活動にはAIアバターが当たり前の世界へ
AIアバターは今後どのように活用されるのでしょうか?
話すためのコストが高い著名人や経営層などの間で、AIアバターの作成が広がっていくと考えられます。導入ハードルはどんどん低くなり、話す内容をテキストで入力するだけで、その人のリアルな動画を相手に提供できる。それが進んでいくと、AIアバター同士で話している動画を簡単に作成することも可能になっていきます。
本人の動画メッセージを、手間なくいつでも作成できるのは大きな進化ですね。
さらに将来的には、一般の方々もAIアバターを作成するような時代が来ると思います。例えば、今回の取材でも私が直接話すのではなく裏側でテキストを書いてAIアバターに話してもらうことも可能に。生成AIが回答例まで出してくれて、私はそれを選ぶだけ。自宅に寝転んだ状態で、取材を受けたりミーティングに参加したりすることもできるかもしれません(笑)。
そうなると取材自体もAIアバターができるということですね。それは非常に助かります。
これからは、企業や個人がだれでもAIアバターを持つことができる時代になっていくと思います。日本語・英語など数か国語を操る自分だけのアバターを作成することも可能に。企業にホームページが必ずあるように、AIアバターを当たり前に活用できる世界を作っていきたいですね。
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