プレスリリース配信でお馴染みのPR TIMESが提供するタスク・プロジェクト管理ツール「Jooto(ジョートー)」が、AIを活用した新機能「AIタスク生成β版」をリリース。プロジェクトの概要を入力するだけで、必要なタスクを自動で洗い出し、最適な管理ボードを生成する革新的な機能です。シンプルな操作性と直感的なデザインが特徴の「Jooto」は、すでに40万人以上のユーザーが活用、2,400社の企業に有料導入されています。
本記事では、「Jooto」のプロダクト開発責任者である平野貴嗣氏へのインタビューを通じて、このツールの特徴や活用方法、そしてAI機能がもたらす革新性について詳しく解説します。タスク管理に課題をお持ちのエンジニアの方はぜひお読みください。
クラウド型のタスク・プロジェクト管理ツール。『誰でも、簡単に、直感的に使えるツール 』として、付箋感覚で使えるシンプルな操作性が特長。チームにおける業務・案件・プロジェクト管理や情報共有をスムーズにする。40万人を超えるユーザーと、有料利用企業2,400社に活用されている。
PR TIMESがなぜタスク・プロジェクト管理ツールを?
PR TIMESさんのメイン事業は、プレスリリース配信やPR事業だと思いますが、なぜタスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」の開発・提供を行なっているのでしょうか。
PR TIMESは「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」というミッションを掲げ、行動者の情報発信をプレスリリース配信で支援していますが、ミッションを達成するためには行動者の具体的なアクションも支援する必要があると考えています。つまり、具体的な行動とタスク管理を「Jooto」で支援し、その後の情報発信や成果の共有をプレスリリース配信サービス「PR TIMES」でサポートしていくということです。
なるほど、「タスク管理」と「情報発信」の両面で行動者の課題を解決していくということですね。各社はプロジェクトにおける情報発信で、どのような課題を感じているのでしょうか。
よくあるのは、プレスリリースで新たな取り組みの意義を浸透させようと社会へ情報発信しても、社内の協力を完全に得られず頓挫してしまうケースです。私たちはプロジェクト推進における孤独や不安を「Jooto」で解消していきたいと思っています。
「Jooto」は、他のプロジェクト管理ツールと比べてどのように違うんですか?
デザインと操作がシンプルでわかりやすく、誰でも直感的に使えるのが一番の特徴です。タスクの状況を見える化したカンバン方式で管理でき、その内容をガントチャートでも表示できるため、付箋を使うような感覚で、一つひとつのタスクとプロジェクト全体の管理や情報共有を行えます。
タスク管理ツールを使ったことのない企業では、慣れるまで時間がかかるのでしょうか。
そうですね、慣れるまでに時間がかかる場合もあります。ただ弊社では、そうした時間を短縮できるようにしっかりサポートを行っています。例えば、社内のITリテラシーが十分ではないお客さまに対しては、管理ボードの作成や運用ルールの整備を行い、活用説明会を通じてツールの使い方を分かりやすく説明しています。また、タスクの立て方に迷う方もいらっしゃるので、その点も含めてルール作りをサポートしています。
そういった支援は、コンサルティング的なサポートになることもあるんですか?
はい、単にツールの導入支援にとどまらず、Jootoの活用を前提に、企業の根本的な課題解決につながるように業務の進め方自体を見直していただく提案を行うこともあります。例えば、エンジニアを多く抱えるお客様の社内では、定例ミーティングが非常に多く、いつも会議が長引くという課題を解決したことがあります。
会議の課題をどのように解決したんですか?
課題の背景には、情報共有が上手くできておらず、会議中の情報共有の時間が長いという要因としてありました。そこで「Jooto」で常に誰もが最新情報を確認できるように運用いただき、原則会議では情報共有は行わず、会議開催前までに、議題としてタスクに記載した内容について、相談や重要な決定を行う場することで、会議時間を大きく短縮できるようになりました。
AIの実装でタスク管理はどう変わるのか
タスク管理ツールを使っているお客様から寄せられる課題は、どんなことですか?
最初の管理ボードを作る段階で課題を感じている方が多いですね。例えば、「管理したいことは決まっているけど、プロジェクトをどう作れば良いのだろうか」「管理ボードの作り方は決まったけど、必要なリストやタスクを洗い出せない」などの声が多いですね。
それはツールの操作以前の問題ですね。
そうなんです。「Jooto」のご利用者様の中には、プロジェクト管理ツールをはじめて導入された企業様も多いので、ツールの操作以前にプロジェクトの立て方やタスクの洗い出しについて、何が正解なのかわからないというケースも少なくありません。そのような不安を解消するために「AIタスク生成β版」を開発しました。
「AIタスク生成β版」では、具体的にどのようなことができるのでしょうか?
プロジェクトの概要を入力するだけで、タスクの洗い出しや最適な管理ボードを自動で生成できます。
自動でタスクを生成できるのはすごいですね。ちなみにAIは何を使っているんですか?
OpenAI社の「GPT-4o mini」を使用しており、入力された情報はAI学習に使用されないように対応を済ませているので、安心してご利用いただけます。
タスクの粒度を変えてプロジェクト管理を最適化する方法
自動で作成できる管理ボードはどんな種類があるんですか?
主要な管理ボードは4種類です。
1 「1案件を1ボードで管理したい」 2 「複数案件を1ボードで、それぞれのToDoも表示して管理したい」 3 「複数案件を1ボードで俯瞰し、全体進捗を見える化したい」 4 「部署間の共通業務を1ボードで見える化したい」
4種類から1つを選択していただくことで、管理ボードの内容が変わってきます。
それぞれ生成されるタスクの内容も変わってくるんですか?
そうですね、例えば2「複数案件を1ボードで、それぞれのToDoも表して管理したい」を選んだときには、リストが担当者になり各メンバーが抱えているタスクの内容や進捗状況をすぐに確認することができます。
選んだ目的に合わせて、最適な管理ボードが自動で出来上がるということですね。ガントチャートで表示することもできるんですか?
もちろんガントチャートも表示することができ、案件やクライアントごとの進捗状況を一覧で見れます。具体的な活用方法として、一つひとつのタスクはカンバン方式で、全体像や進捗一覧はガントチャートで確認することも。操作が簡単で直感的に使えるので、管理ツールをはじめて使う人にもわかりやすいと好評です。
生成されるタスクの精度を高めるためにはどうすれば?補足情報を入力する項目がありますが、入力するかしないかで生成される内容に影響は出ますか。
補足情報を入力することをおすすめします。例えば、テレワークの導入についてAIタスク生成した場合、「法務部門、労務部門、情報システム部門のそれぞれの観点でやるべきことを教えてほしい」という補足情報を入力した場合、法務部門等3つの部門ごとにリスト化され、それぞれに必要なタスクが生成されます。
なるほど。ちなみに、「AIタスク生成β版」を使わず、GPT-4o miniで同じように質問した場合、同じような結果が出ますか?
提案はされると思いますが、先ほど説明したようなカタチでは表示されません。「AIタスク生成β版」で生成されるタスクは、弊社のカスタマイズで生成される内容です。特にプロンプトの精査にはとても時間をかけていますので、生成結果に大きな差が出てきます。
AIでタスクの洗い出しと抜け漏れのチェックを効率化
「AIタスク生成β版」で生成された内容を、利用者はどのように活用しているのでしょうか。
多いのはAIで生成した内容を土台に、自社の細かい機密情報を追加したり、自社に必要ないタスクを削除したりしてブラッシュアップするケースです。また、自力で作った管理ボードとAIで生成したものを比較して、タスク等の抜け漏れがないかチェックされている方もいらっしゃいます。
なるほど、管理ボードの土台として活用したり、タスクの抜け漏れを確認したり、使い方はいろいろあるんですね。
「AIタスク生成β版」で作ったものを土台にして自社のテンプレートを作り、別のプロジェクトで活用しているお客様も多いですね。業務効率化で効果を感じている方が多く、タスク管理の標準化に対する貢献度はとても高いと思います。
AIでタスク生成する場合と自力で行う場合では、作業工数にどれくらいの差が出てくるのでしょうか?
定量的な数字までは調査していませんが、必要なタスクを洗い出して整理するのは圧倒的にAIを使う方が速いです。ビジネスパーソンが調べものに費やす時間は毎日1.6時間(※1) と言われており、必要なタスクを洗い出し整理するのにも多くの時間を要しますが、AIなら一瞬で終わります。
自分でやろうとすると思ったより時間がかかりますが、AIのスピードは驚異的ですね。
自力の作業では、洗い出したタスクをリスト化してボードを作成する必要があるので、とにかく手間がかかります。「Jooto」のAI生成ではタスク等を洗い出すと同時に、アニメーションのようなスピードで仕上がるので、見ていて面白いですよ。作られたタスクに自身でより細かなToDoや確認事項を追加したい場合は、チェックリストも簡単に追加できます。
タスクに関してリマインド機能もあるのですか?
はい、リマインド機能ではプロジェクト開始日や締切日を設定して、プッシュ通知でお知らせできます。Googleカレンダーとも連携していますし、スマートフォンアプリ版も展開しています。なので、AIが作ったタスクに期日と担当者設定させれば簡単に新しいプロジェクト管理をスタートできます。
タスク管理が「苦手な人」と「上手な人」の違い
「Jooto」のサービスを展開するなかで、エンジニアのタスク管理を数多く見てこられたと思うのですが、タスク管理が苦手な人と上手な人の差について感じていることはありますか?
タスクやプロジェクト管理が苦手な人には、共通点があるように思います。それは「プロジェクトの全体像」や「タスクの優先順位」を一目で把握できる管理ができていないこと。タスク管理が上手い人は、常に全体の進捗を意識しながらタスクを分解し、優先順位を決めています。
なるほど。タスクやプロジェクト管理が上手くいかない人のよくある失敗例も教えてください。
失敗例は大きく4つのケースに分けられると思っています。
1 「タスクの漏れと重複」 2 「タスクを細かく設定しすぎる」 3 「優先順位を間違ってしまう」 4 「エンジニアと非エンジニアのコミュニケーションエラー」
1と2の失敗例は、管理ツールを使用せずにExcelやチャットツールでのみプロジェクト管理を行っている場合に起こりがちです。
なぜ失敗が起こりやすいんですか?
日々のやりとりがタイムラインでどんどん流れてしまうからです。意識して別のツールに保存しなければ、重要な会話がどこにいったかわからなくなる。その結果、同じタスクを複数人で行ったり、クリティカルなタスクを見落としたり、場合によっては優先順位を間違えてプロジェクトが遅延してしまうこともあります。
4の「エンジニアと非エンジニアのコミュニケーションエラー」についても、失敗が起こる背景を教えてください。
会社によってはエンジニア向けのチケット管理ツールで、非エンジニアと一緒にタスク管理を使用していることもあるのですが、当然ながらエンジニア以外のメンバーがコードや開発内部のやり取りは理解できないという問題が生じます。非エンジニアにとっては余計な情報が溢れている状態ですので、混乱や拒絶が起き、エンジニアと非エンジニア間で共有したい情報がうまく伝わらない状態に陥りやすくなります。このため、非エンジニアにとっても必要な情報が見やすい仕組みができているか注意が必要です。
エンジニアのタスク管理で最も大切なことは?
タスク管理の失敗を防ぐためには、どのようなことが必要ですか?
失敗事例に共通していることは、タスクやプロジェクトの全体像を見える化できていないこと、そしてタスクに関するやりとりがプロジェクトごとに紐付けできていないことだと思います。それらを解決するには、進捗状況などの全体像をガントチャートで見える化することが大切です。さらに、カンバン方式で全体像のタスク量も見える化しておくことも必要です。
ちなみにプロジェクト・マネージャーの場合はガントチャートで全体像を把握することがマストですが、プレイヤーであるエンジニアにとってタスク管理で必須なのはどのようなことだと思いますか?
自分が行うタスクに関するやりとりを集約し、タスクに紐付けることですね。エンジニアはいくつものタスクを同時並行で進めているため、以前決めたことが分からなくなったときにすぐ確認できるよう、タスクと紐付けて記録しておくことが重要です。「Jooto」はタスクごとにメンバー同士でコメントを入れられるので、必要な情報を探す手間がなくなります。
エンジニアにとっても使いやすそうですね。最後に、今後の展望についても教えてください。
「Jooto」は「AIタスク生成β版」によって、ブロジェクト管理におけるニーズ把握や実務計画の提案ができるようになりました。PDCAでいえば「P:計画」と「D:行動」はサポート可能なので、次のステップとしては「C:評価」ですね。タスクの実施状況を分析し、その結果をフィードバックして次のアクションにつなげるための支援を行えるようになりたいと考えています。その第一歩として「分析レポートサービス」の提供を始めたところです。
フィードバックを反映してタスクの立て方やチームの運用が改善されていくということですね。
さらに、AIタスク生成機能自体も進化させて、AIによるスケジュール自動設定やタスクの提案機能などの新機能も開発できないか検討しているところです。皆さんの業務をさらに効率化するためのヒントを提供しているので、無料トライアルをぜひお試しいただければと思います。
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