エンジニアにとって効率的な作業環境を整えるためには、高性能なPCが欠かせません。その中でもゲーミングPCは、処理能力の高さや拡張性から、エンジニアにとっても魅力的な選択肢となっています。今回は、ドスパラ秋葉原本店の登坂祐大さんに、エンジニア向けのゲーミングPC選びについてお話を伺いました。選ぶ際に気を付けるスペック面や、作業環境まで、具体的な注意点やおすすめモデルを詳しくご紹介します。

ゲーミングPCを選ぶポイントは?

今日はエンジニアの方におすすめなゲーミングPCについてお伺いします。まず、ゲーミングPCとはどういうものなのでしょうか?

ゲーミングPCというと、ゲームをされる方が使うというイメージもあるかもしれませんが、ゲーム専用というわけではありません。エンジニアの方も含めてビジネス用途でも高いパフォーマンスを発揮します。ゲームにも使えるほど高性能なPCと思っていただければいいと思います。
ポイント1:CPU

エンジニアの方がゲーミングPCを選ぶ際に、注意すべき点はどこでしょうか?

最も重要なのはCPUですね。CPUはPCの処理能力を決定づけるものです。CPUの性能が高いほど、処理能力が高くなるので、複数のウィンドウで同時に作業できたり、作業の効率が上がったりします。

なるほど。エンジニアの方はどれくらいのレベルのCPUを選べばいいのでしょうか?

インテルのCPUでいうと、i7以上のものであればかなり快適に作業できるのでおすすめです。それほど高い性能を必要としないゲームやビジネスの作業をする方には、i5や6コアCPU、スペックが高くても8コアCPUあたりをおすすめしています。

作業内容によって選ぶCPUが変わってくるんですね。

そうですね。例えば動画編集する方であれば、CPUが高いほうが動画を変換したり圧縮したりするエンコードが速くなるという利点もあります。効率化を目指すのであれば、作業内容に合ったCPU選びは必須です。
ポイント2:メモリ・SSDの容量

CPUの他に注意すべきポイントはありますか?

メモリの容量も大事なポイントです。よくWebで検索すると「16GB以上がおすすめ」と書かれていることが多いのですが、エンジニアの方であれば作業効率のためにも32GB以上がおすすめです。

メモリの容量が大きいPCがおすすめなんですね。

そうですね。あとから増設してGB数をあげることもできるのですが、不安定になってしまうこともあるので、PCに負荷がかかる作業をされる方には最初から32GBがおすすめです。またSSDについても1TBあたりを平均しておすすめしています。
ポイント3:冷却装置

他に注意すべき点はありますか?

先ほどのCPUの話と関連するのですが、冷却装置の選び方にも注意していただきたいです。PCを長時間、安定的に駆動させるためには欠かせないポイントです。

どのように選べばいいのでしょうか?

やはりCPUに合わせて選んでいただくのがいいと思います。CPUの性能が高ければ高いほどPCは熱を持ちやすいので、冷却装置もいいものを選ぶ必要があります。そこまで性能が高いCPUが必要なければ、冷却装置の性能もCPUに合わせて下げていただいてもいいと思います。

選ぶCPUによって変わってくるんですね。選ぶ基準などがあれば教えていただいてもよろしいでしょうか?

冷却装置の裏などにスペック表が載っていて、「○○Wまでを冷却する装置です」というふうに書かれているので、それを参考にしてもらえれば大丈夫です。ただこれも作業内容や実際に作業する環境によっても左右されるので、店頭で販売員に相談してもらえればと思います。

作業する環境によっても選ぶ基準が異なるんですね。

同じ作業内容でも部屋の温度が変わると、必要な冷却装置は変わってきます。例えば夏場でも扇風機だけで過ごされる方や冷房がない部屋で作業される方であれば、冷却装置のスペックをより上げる必要があります。そのあたりも含めて相談していただきたいですね。

なるほど、ではお店に行く前に部屋の室温や作業環境も把握してからPCショップで相談したほうが良さそうですね。

以前いらしたお客様でプログラミングをされている方から相談を受けたことがありました。内容は「使っているノートPCの動作が重いけれどもどうしたらいいでしょうか」というものでした。

何が原因だったんですか?

よくよく話を聞いてみると、その方は冬場、こたつの上で作業されていたんです。PCの熱とこたつからの熱が原因で、PCの動作が重くなっていたんです。

意外と見落としがちな部分かもしれないですね…やっぱり作業する環境も大事なんですね。
スペックが高すぎるのはもったいない!?

その他、エンジニアが特に気を付けるべきポイントはありますか?

高すぎるスペックを選ばないことも大事です。ゲーミングPCの相場は20万円~30万円程度なのですが、エンジニアの方にとってはオーバースペックなPCも多いです。特にSNSなどですすめられているゲーミングPCはスペックが高いものも多いので、安易に飛びつかないほうが良いですね。作業内容によっては10万円程度でも十分な場合もあります。

選ぶ際には自分の作業内容に合わせたほうがいいんですね。

普段の作業内容や使いたいソフトなどが決まっているとPCのスペックも絞りやすくなるので、来店の際にはそのあたりをお伝えいただけたらありがたいですね。PCの費用対効果を決めるのは、その人がどれだけスペックに合う作業をするかだと思います。
「ドスパラ」スタッフおすすめのPC3選
おすすめ1:「GALLERIA RL7C-R35-5N」


ずばりエンジニアの方におすすめのゲーミングPCを教えてください。

ノートタイプだとこちらの「GALLERIA RL7C-R35-5N」がおすすめです。CPUもi7と十分なスペックで、幅広い作業に対応しています。

メモリ容量などのスペックはどうですか?

こちらの通常モデルは16GBなのですが、購入時のカスタマイズでメモリ容量を増やして32GBなども選ぶことができます。

なるほど、自分の作業内容などによって選べるのがいいですね。

そうなんです。こちらはゲームをプレイすることにはそこまで特化していないPCなので、バランスの良いスペックになっています。液晶のサイズも15.6インチと標準的なサイズで、持ち運びにも適しています。
おすすめ2:「THIRDWAVE DX-R5 メモリ16GB搭載モデル」


ゲームはしない、負荷の重い作業もそれほどないという方におすすめ商品はありますか?

「THIRDWAVE DX-R5 メモリ16GB搭載モデル」がおすすめです。メモリは16GBでSSDも500と、最低限のスペックは備えています。ゲームはプレイしないという方にピッタリです。
おすすめ3:「GALLERIA RM7C-R47」


仕事だけでなくゲームもしたいという方向けのPCはありますか?

こちらの「GALLERIA RM7C-R47」がおすすめです。i7とCPUも高く、重たいゲームも快適にプレイできるスペックです。

なるほど、かなりスペックが高いですね。

もちろん作業やプレイするゲームにもよるのですが、お客様にご案内する中では一番スペックが高い部類のPCです。こちらのPCであればゲームを作ることもできますし、その他の作業もかなり快適にできると思います。
ボタン一つでAIを呼び出せる”AI対応モデル”がトレンド

PCの最近のトレンドなどはありますか?

今注目されているのがAI対応モデルのPCです。Copilotキーという、ボタン一つでAIを呼び起せるボタンがついているPCです。Core UltraというCPUがついているのが目印です。

ボタン一つで起動できるのは便利ですね。

そうですね。AIに頼めばコードを書いてくれたり、Excelの関数を作ってくれたりもします。ただ、AIに全て任せてしまうと自分のスキルが身に付かないなどのデメリットもあるので、付き合い方はうまく工夫するのが良いと思います。
<取材後記> 今回はエンジニアにおすすめのゲーミングPCを中心に紹介していただきました。ハイスペックなモデルはたくさんありますが、高ければいいというわけでもなく、自分の作業内容に合わせて選ぶことが重要ということでした。また室温などの作業環境も重要なポイントですね。ぜひ一度、ご自身の作業内容や作業環境などを把握した上でパソコンショップに足を運んでみてください!
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