プログラミング言語を難易度別に紹介、言語別「できること」も【初心者対象】
プログラミング言語といっても、その種類は無数にあります。いざプログラミングを学ぼうとしても、どれを選んでいいかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、プログラミングを学ぶ上での難易度をプログラミング言語別に説明します。
プログラミング言語の難易度は何を基準に変わる?
まずは、プログラミング言語の違いについて解説します。
実行方式による違い
プログラミング言語には、実行方式がコンパイル方式とインタープリタ方式の2種類があります。
コンパイル方式
一旦ソースプログラムを機械語に翻訳して、実行する方式です。この翻訳する作業をコンパイルといい、翻訳するプログラムのことをコンパイラといいます。
コンパイル方式はプログラムの実行速度が速い一方で、プログラムをコンパイルする手間がかかったり、コンパイル済みのプログラムは他の環境で実行できなかったり、という特徴があります。
インタープリタ方式
プログラムの命令を一文ずつ機械語に解釈して実行します。作成したプログラムをすぐに実行できるのでテストなどがしやすいですが、コンパイル方式に比べると処理が遅いといった特徴があります。
記述方式による違い
プログラミング言語は記述方式によって手続き型、オブジェクト指向型、関数型の3つに分類できます。
手続き型
コンピュータへの命令を順番に記述することでプログラムを構成する方式です。コンピュータが処理する機械語を、人間にもわかりやすく翻訳したものといえます。
オブジェクト指向型
関連するデータやそれを処理する命令をオブジェクトとしてひとまとめにし、オブジェクト間で指示やデータを送り合うことでプログラムを実行します。オブジェクト化することで、複雑な処理も管理しやすいといった特徴があります。
関数型
関数を組み合わせることで計算や処理を実行します。手続き型やオブジェクト指向型は問題解決の手順を記述し変数によって現在の状態を保持しますが、関数型では再帰的に関数を呼び出して処理を進め、現状を保持しないのが特徴です。
習得難易度はどれくらい?プログラミング言語の用途も一緒にご紹介
具体的にどのようなプログラミング言語があるのか、難易度別にみてみましょう。
難易度「低」★
PHP
PHPは、主にWeb開発に用いられる*スクリプト言語です。プログラミング言語の中でも比較的仕様や文法が簡単であるため、初心者でも習得しやすいのが特徴です。MySQLなどのデータベースとも連携が容易であり、WordpressなどのWebアプリケーション開発にも使われています。
JavaScript
JavaScriptはWebブラウザ上で動作する*スクリプト言語です。Webページに対して文字や画像を拡大・縮小したり、動画の再生、メッセージを送付したりするなど、動的なコンテンツを実装できます。HTMLに対して直接書き込むことができるため、少ない命令で実装することができ、難易度は比較的低めになっています。
Ruby
Rubyは日本人によって開発されたオブジェクト指向の*スクリプト言語で、言語を作る人・使う人・学ぶ人すべてが楽しめることを目的としています。汎用性が高く様々な環境下で動作するため、WebサイトやSNS、チャットボット、人工知能(AI)など幅広い分野での開発言語として用いられています。記述がシンプルであるため学習難易度も低く、日本語の記事や書籍も多いため、プログラミング初心者でも安心して学習できます。
スクリプト言語とは
スクリプト言語とは、比較的容易に記述でき、習得が簡単になるように工夫されたプログラミング言語です。他の言語と比べてすばやく開発ができ、すぐに実行できるといった特徴があります。ただし、言語として厳密に定義されているわけではなく、抽象的な総称としてこう呼ばれています。
難易度「中」★★
Python
Pythonは汎用性の高いスクリプト言語で、アプリケーション開発からWebシステム開発、人工知能(AI)など幅広い分野で活用されています。できることの幅が広いため初心者にはどうすればいいか迷ってしまうかもしれませんが、シンプルな構文でわかりやすいため、プログラミング学習にも最適といえます。
C#
C#はマイクロソフトが開発したオブジェクト指向型のプログラミング言語で、WindowsアプリケーションのほかmacOSやスマートフォンアプリ、Webアプリなどの開発に用いられています。JavaとC++の特徴を取り入れて作られているため言語体系がやや複雑ですが、開発環境も整えやすく習得はそこまで難しくありません。
Go
GoはGoogleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。「軽量・高速・シンプル」を掲げており、実行速度が速く並列処理に強い、消費リソースが少ないといった特徴があります。
そのため、WebアプリケーションやAPIサーバー開発、PaaSなど幅広い分野で活用されています。まだまだ歴史の浅い言語であるため実例が少ないですが、シンプルなためプログラミング学習も比較的容易といえます。
Objective-C / Swift
Objective-CおよびSwiftは、iOSやmacOSのアプリケーション開発用にAppleが提供するプログラミング言語です。Objective-Cはその名が示す通りC言語をベースにオブジェクト指向化したもので、iPhoneが発表された当初、iPhoneアプリ開発の標準言語として使われていました。
その後、iOSやmacOSの高機能化が進み、開発効率を上げるにはObjective-Cでは限界となり新たにSwiftが開発されることになりました。Objective-Cは表記が独特で初心者には扱いにくい言語でしたが、Swiftでは覚えることが比較的少なく開発環境も整えやすいため初心者でも習得しやすい言語といえます。
難易度「高」★★★
C言語
C言語はプログラミング言語の中でも特に知名度の高い言語です。汎用的に使えるため、Webアプリやスマホアプリからロボット制御の組み込みアプリなど様々な分野で活用できます。
ただし、アプリ開発に時間がかかるうえ、人間よりも機械に近い言語で構文もやや読みにくいため、学習難易度は高めです。しかしC言語を習得すれば、様々なプログラミングの基礎となる知識が身につくので、大学などの教育機関で学習対象となっていることがあります。
Java
Javaは大企業での大規模システム開発から、最近ではAndroidアプリの標準言語としても使われているほど、幅広い分野にて使用されている人気言語のひとつです。
JavaはJVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)上で動作するため、JVMに対応していればOSやデバイスを問わずどのような環境でも動作できるのが特徴です。
しかし高性能な分、学習難易度は比較的高めです。特にオブジェクト指向を理解していないとJavaでの開発が効率よく進められないため、実用レベルまで習得するのに時間がかかりがちです。
C++
C++は、C言語を機能拡張したプログラミング言語です。そのため、家電などハードウェアの操作システムからPC・モバイルアプリの開発、業務システムなど、幅広い分野でのプログラムを作成できます。
ただし、C++はC言語をオブジェクト指向できるよう機能拡張しているため、言語仕様がとても複雑になっています。ほかの言語では簡素なコードでもC++では何行も書かなければならないケースもあり、学習コストは高めといえます。
どんな企業で働きたいか、何を作りたいかで学ぶべき言語は変わる
プログラミング言語によって、「できること」「できないこと」は異なります。そのため、プログラミングを学習する前にどんな企業で働きたいか、どんなものを作りたいかを明確にしましょう。
例えば、Webシステムを開発したい場合はPHPやJavaScriptの習得は必須となりますし、人工知能(AI)の分野であればPythonが盛んに使われています。
またエンジニアとしてのキャリアを目指す場合、年収や求人数にも注目しましょう。なぜなら、エンジニアとして扱えるプログラミング言語で、年収や求人数が異なるからです。
企業側からの需要が高く扱える人が少ない言語ほど、年収や求人数が高くなる傾向にありますので、自分がやりたい分野の求人があり年収が納得のいくものであるか確認したうえで、プログラミング言語を学びましょう。
まとめ
今回は、種別や難易度別にプログラミング言語について紹介しました。
言語によって得意不得意が異なるため、それによって出来ることも変わり求人数や年収も違ってきます。
特にプログラミング言語を習得するには時間がかかるため、目的にあった言語を選ばないと大きく時間をロスしてしまいます。エンジニアとしてのキャリアを目指すなら、そのキャリアプランをしっかり立てた上で習得すべきプログラミング言語を選びましょう。
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