成功の鍵は品質管理と技術のアップデートや浸透にあり!システム情報社に聞くDX時代のSIerの品質管理部門のあり方とは。
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成功の鍵は品質管理と技術のアップデートや浸透にあり!システム情報社に聞くDX時代のSIerの品質管理部門のあり方とは。
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株式会社システム情報
アンドエンジニア編集部
2021.07.13
この記事でわかること
システム情報社の品質管理はただの品質管理ではない。
システム情報社の品質管理部門は事業経験者や開発経験者が多く在籍している。
品質管理・技術管理は社内の嫌われ者であるべき。

「Value Engagement Partner(お客様の価値観を共有するパートナー)」をビジョンに掲げ、1980年の創業以来、情報サービスのプロフェッショナルとして情報通信技術を支えてきた、東証一部上場のSIer企業である株式会社システム情報

システム情報社は40年以上に及ぶ開発ノウハウを注入して自社独自の開発標準であるSICP(SI&C開発標準、SI&C system Integration Control Process)を策定。 SICPを全社の開発プロジェクトに適用し、クライアントから高い評価を得ています。

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システム情報社の強みである、CMMI、PMP、SICPへの取り組み

そんなシステム情報社が力を入れているのが、品質管理の取り組みです。 高い品質でプロジェクトを進めるため、どのような品質管理や技術管理を行っているのか。

株式会社システム情報の執行役員であり、システム情報社における品質管理を担当する技術監理本部の本部長を務める髙橋陽二郎氏にお話を伺いました。

会社を裏から支える「技術監理本部」

アンドエンジニア編集部

髙橋さんが管掌されている技術監理本部について、簡単に教えていただけますでしょうか。 

システム情報社 髙橋さん

役割としては、いわゆる「品質管理部門」が一番近いかと思います。

システム情報社 髙橋さん

ただ当社では、「プロジェクトの状況や納品物の品質のチェック」に加え、プロジェクトを遂行するための「開発標準の策定」という役割も担っています。 会社のバックボーンを支えるような組織と言えますね。

アンドエンジニア編集部

ただの品質管理部門ではないんですね…! 技術監理本部が設立された背景はどのようなものだったのでしょうか。 

システム情報社 髙橋さん

当社は中長期経営計画の中で「DXへの対応」を最重要のテーマに据えています。 推進にあたって何がキーワードかを考えると、やはりUXやデザイン志向、アジャイルへの対応などが挙げられます。

システム情報社 髙橋さん

この方向性に沿って当社がお客様へ価値を提供していくためには、まず会社や社員への浸透を進めていく必要があります。 その役割のために従来の品質管理部門を拡大させる形で設立したのが技術監理本部なんです。

アンドエンジニア編集部

元々の品質管理や開発標準の策定以外に、新たに役割が増えたという認識でよいでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

そうですね。技術監理本部は「品質監理部」「PMO室」「技術統括部」の3つに分かれています。

システム情報社 髙橋さん

もともと品質監理部は「品質のチェック」と「開発プロセスの定義と普及」がミッションでした。 そこに「三現主義に基づいた深く入り込むプロジェクトマネジメント」をテーマとするPMO室と、「先進的な技術の標準化や普及」というミッションを担う技術統括部という部門ができたんです。

アンドエンジニア編集部

これらの役割が一つの部署で一体となっているのは珍しいケースでは…?

システム情報社 髙橋さん

私の知る限りですが、ここまで品質と技術の部門が完全に一体化しているケースは珍しいかもしれませんね。 ただ、品質向上のためのプロセス策定にあたっては、そのための技術について決めることが必要ですし非常に重要なので、理にかなっていると考えています。

アンドエンジニア編集部

確かにお話を聞いているとあるべき姿にも感じられます。 技術監理本部の活動について、各部ごとに更に深くお聞かせください。

システム情報社 髙橋さん

品質監理部はシステム開発系の他社と大きな差は無いかなと思います。 最も重要な業務は、PMR(プロジェクトマネジメントレビュー)と呼ばれるものです。 全プロジェクトに対して四半期に1回、評価・チェックを実施しています。

システム情報社 髙橋さん

請負開発では各工程ごとに「工程移行判定」という機会があり、そこでもレビューを実施します。 継続的な案件の場合は請負案件とは異なり、「その案件がどういう状況にあるか」を明確に確認する機会がないので、この四半期に1回のレビューを徹底しています。

システム情報社 髙橋さん

もうひとつ重要な役割はSICPという当社の開発標準の刷新です。 「UXへの対応」や「ファシリテーションの強化」などDXに対応するためのいくつかのテーマを選定し、教育カリキュラムに落とし込んで社員に浸透させる取り組みも大きな仕事です。

アンドエンジニア編集部

「チェック」と「次のプロセスづくり」が役割なんですね。 PMO室はどのような役割を担っているのでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

「三現主義に基づいた現場に深く入りこんでのチェック」がミッションです。

システム情報社 髙橋さん

案件の重要度に応じて「重点プロジェクト」を定め、PMO室のメンバーが実際にプロジェクトへ足を運び、成果物のチェックを行うこともあります。 独自のチェックリストに基づいてプロジェクトの状況を点数化し、現場のリーダーに寄り添いながら一定の水準になるまで指導するという形で進めています。

アンドエンジニア編集部

次に今期から始動したという技術統括部の役割を教えてください。

システム情報社 髙橋さん

技術的に優れた社員が集まり、「技術的な価値を通じてプラスアルファの価値を生み出す」というミッションを担っています。 今後の拡大や技術的な優位性が得られることを見込めるプロジェクトに参画し、技術的な課題の解決やお客様への提案の幅を広げる活動を行います。 さらにそこで得られたインプットの全社展開も担当しています。

アンドエンジニア編集部

なるほど、それぞれのチームが異なるミッションを持っているんですね。

DX推進に潜むリスクと成功の鍵

アンドエンジニア編集部

品質監理部のミッションについては開発標準であるSICPの刷新というお話もありました。

システム情報社 髙橋さん

SICPの初版をリリースしたのは15年前の2006年ですが、プロセスは生き物ですので、これまでもそれぞれの案件からフィードバックをして改善を繰り返してきました。 ただ、今回のDXへの対応では必要な要素が大きく変わってくるので「SICP Advanced」と新しい開発標準を策定しており、年内には改めてリリースしたいと考えています。 

DXにおけるアジャイルのあり方

アンドエンジニア編集部

DXへの対応で求められる新しい要素はどのようなものが挙げられますか。

システム情報社 髙橋さん

メインテーマとして置いているのはUXとアジャイルです。

システム情報社 髙橋さん

アジャイルは元々のSICPにも組み込まれていますが、現在の開発はアジャイルかウォーターフォールかという単純な対比ではありません最初はウォーターフォールで、後半はアジャイルでというような、ハイブリッドアジャイルと呼んでいる形式の開発も増えているんです。

アンドエンジニア編集部

確かに、アジャイルだけでは成立しないこともありますよね。

システム情報社 髙橋さん

他にも「スコープの見える化」というものがあります。 案件が失敗する要因となる「スコープのブレ」をなくすためのものになります。

システム情報社 髙橋さん

アジャイルが“変更に強いプロセス”だと知られることで「仕様をいつでも変更して良い」と思われてしまうんです。 それで技術者が変更要望を何度も受けて苦しくなると失敗の要因になりますので、この「スコープの見える化」はハイブリッドアジャイルへのキーになると思います。

アンドエンジニア編集部

DX推進においてはそうしたリスクもあるのですね。 ファシリテーションの強化が組み込まれているのも、そうした理由からでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

ファシリテーションという言葉は「ステークホルダーをゴールに導いていく力」と解釈しており、この能力は強化することが必要だと考えています。 確かな技術や立派なプロセス定義があっても、それをしっかり伝えられないとDXは実現できませんから。

技術管理における事業経験やエンジニア経験の意味

アンドエンジニア編集部

技術監理本部には、現場のリーダーやプロジェクトマネジメントの経験者が多く在籍しているとお聞きしたんですが、メリット・デメリットはどのような点が挙げられるでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

メリットは「お客様はこう考えているのではないか」「こういう資料を作った方がスムーズに提案をできるのではないか」と非常に具体的なアドバイスが可能なことですね。 加えて、事業責任者の経験があることで現場と上長の間に立って手を差し伸べやすい存在にはなっているのかなと思います。

システム情報社 髙橋さん

反面、前へ前へと出て現場のリーダーと話していくと、事業部門の独立性を損なう可能性があります。 主体性を損なうのは本意でないので、そこのバランスについては気を付けています。 実際にレビューを行ったメンバーでも振り返りを行い、「ここは現場に任せよう」「ここは早めに介入しよう」など、その進め方についてもチェックしています。

アンドエンジニア編集部

PMO室には開発経験のあるメンバーも在籍されているとか。

システム情報社 髙橋さん

元々、開発経験のあるメンバーが在籍することは多くなかった部署だったため、それだと開発面の細かい問題をキャッチできないこともありました。 開発経験者がチェックの立場に回ることで、開発面でも問題が起こりそうな可能性を察知して事前にフォローアップができています。

システム情報社 髙橋さん

PMO室の副室長は大型の請負案件を回してきた実績もあるので、レビューの段階で「こういう視点が足りてないんじゃないか」と的確なアドバイスが行えています。 現場からすると、「口うるさいおじさん」と思いつつもメリットを感じてくれていると思います。

アンドエンジニア編集部

事業の責任者や開発を経験してきたエンジニアがこうした部署に在籍するのはよくあるのでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

当社は意識的にそういう形にしていますね。 品質管理の役割を持つ部門としては、年齢も他社よりも若いかなと感じています。

品質管理は「社内の嫌われ者」であれ

アンドエンジニア編集部

今回は現場のご意見をお聞きしたいと思い、井出さんにもお越しいただきました。

システム情報社 井出さん

ソリューション本部でAI(コグニティブ)サービスに所属しておりまして、主にAIやIoTなど先端技術の研究・開発を行っています。 立ち上げ期から参画しておりまして、今年で5年ほどになります。

アンドエンジニア編集部

現場の井出さんは技術監理本部によるPMRやサポートを実際に経験して、どのように感じますか。

システム情報社 井出さん

プロジェクトの現場にいるとどうしても視野が狭くなるので、見落としへのアドバイスも有難いですし、経験に沿った第三者目線の意見はすごく役立ちます。

アンドエンジニア編集部

プロジェクト評価の点数化やリスクの可視化というお話がありましたが、具体的にどのようなチェックを行われているのでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

プロジェクトのリスク面の評価についてはこれまで点数化できてなかったので、PMO室主導で、チェックシートを作成して過去のプロジェクトのリスクを点数化する取り組みを試験的に行っています。 ただ、チェックの頻度や項目が増えると現場の負担になるので、「評価項目が妥当なのか」という目線も入れつつ作成しているところです。

アンドエンジニア編集部

重点プロジェクトについてはさらにPMO室が深く入り込むと。

システム情報社 髙橋さん

そうです。重点プロジェクトは、案件の背景や狙い、お客様の性質、参画するメンバーのレベルなどを勘案して選定しています。 PMO室がピッタリと寄り添って週次で会議することもあれば、基本設計の3か月のうち半分くらいなどを目処に内容をチェックすることもあります。

アンドエンジニア編集部

重点プロジェクトの選定においては、受注の背景以外にもポイントがあるのでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

「重点プロジェクトになるルール」は存在しますが、ルール以外に重視しているものはあります。 「このプロジェクトを成功させたい」という営業戦略に基づくこともあれば、「この体制は甘く見ていると危険だ」と感じるものをこちらからお願いして重点プロジェクト化することもあるんです。

アンドエンジニア編集部

点数化については今まさにPDCAを回されている段階とのことですが、その過程で「リスクの可視化」ができてきているんでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

新しく取引を始めるお客様については、そのお客様の文化なども分からないといけないんですが、それが「分かっていない」ということが分かるだけでも大きいです。 リーダーがリスクを見落としていることに気付けますし、点数の重みづけはまだまだPDCAが必要ですが、イメージとのギャップの把握には非常に役立っていると感じています。

アンドエンジニア編集部

将来的には点数評価も信頼できるものに、ということですね。 「チェックの頻度や項目が増えると現場の負担になる」と言う言葉も印象的でした。

システム情報社 髙橋さん

基本的に全員が現場経験者なので、お客様への対応ではなく社内への対応に過度に工数を割くと良くないことは分かっています。 ただ、忖度しすぎると役割を果たせません。 「品質管理は社内の嫌われ者であるべき」であり、チェックする立場だという意識を持つことが重要だと考えています。

プラスαを生み出すための「技術監理本部」

アンドエンジニア編集部

ここまでのお話では、技術監理本部は非常に広い範囲をカバーしているように感じます。

システム情報社 髙橋さん

元々は別々だった組織をまとめているんですが、その一番の理由は品質監理部に「プロセスを定義する」というミッションがあり、それを実現するためには技術と距離が遠くてはいけないからです。

システム情報社 髙橋さん

定義したプロセスを実際に動かしていくにあたって、技術は切り離せません。 ピックアップしているDX、アジャイル、ハイブリッドアジャイルといったテーマに対応するならDevOpsなどの基盤が必要になります。 例えばハイブリッドアジャイルという型を作っても、それを回していくには絶対にCI/CDへの自動化への基盤は作らないといけないですし、別々に進めていては非効率なんです。

システム情報社 髙橋さん

今後を見据えて、その先にあるローコード開発ツールの選定やテストの自動化についても当社としてのやり方を決めていきたいですね。 現在は限られたメンバーで策定したDevOpsの導入支援サービスについて、実績とノウハウを蓄積している段階です。

アンドエンジニア編集部

技術統括部は時にはプロジェクトチームの中に入っていくこともあるとお聞きしました。

システム情報社 髙橋さん

各メンバーがそれぞれの分野でトップクラスの技術を持っています。 そのため、ほとんどのメンバーが稼働の半分以上をその技術的な強みが生かせるプロジェクトで使い、活躍しています。

アンドエンジニア編集部

トップクラスの技術を持つ人なら100%現場にアサインすることも十分に考えられますよね。 そうではなく技術統括部に入ってもらうのはなぜなのでしょうか。

システム情報社 髙橋さん

プラスアルファを生み出すことがこの組織のミッションだからです。 現場に100%コミットしているエンジニアにプラスアルファを求めるというのは難しいし、こちらも「できないかもしれない」と思いながら求めることになってしまうので、100%のアサインをしないようにしているんです。

システム情報社 髙橋さん

もちろん各現場ごとの目的や解決すべき問題があるのでそれが優先ですが、その目的の達成や問題の解決にあたって使った技術は一般化できるものなのか、そのプロジェクト固有のものなのかを常に考えてもらっています。 そうして自社に持ち帰った技術やノウハウが、新しい案件にも繋がっていくんです。

アンドエンジニア編集部

たしかに組織の進化や新しい案件に繋がるんですね…! 先端技術事業を扱うソリューション本部の立ち上げメンバーの井出さんは、このような変化をどう感じていらっしゃいますか。

システム情報社 井出さん

この組織は出来た当初からウォーターフォールがなくなって完全にアジャイルになりましたし、「要件からお客様と一緒に考えてく」という感覚で進めてきました。

システム情報社 井出さん

DXが盛り上がる以前からの取り組みだったので、意識はしていませんでしたし、気付いたら会社も周囲もDXという形で盛り上がっていたという感覚です。 ただ、この言葉が出て来て「仕事のやり方として、これで合っていたんだな」と思えましたね。

システム情報社 髙橋さん

ソリューション事業立ち上げ時から取締役が責任者なので、これまで得たインプットは中長期経営計画や新しい開発標準であるSICP Advancedにエッセンスとして入っていくと思います。 先端技術事業を扱うプロジェクトでのインプットが、当社の進化につながっているんです。

アンドエンジニア編集部

システム情報社の今後の取り組みや技術監理本部の活躍を楽しみにしています…! ありがとうございました!

ライター

アンドエンジニア編集部
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