## 情シスと社内SEの違いとは？

システムエンジニアには「SE」や「社内SE」、「情シス」などさまざまな呼び方がありますが、具体的にどのような違いがあるのか知っている方は少ないかもしれません。

**しかし、実は同じシステムエンジニアでもこれらの呼称には明確な区別があります。**ここでは担当する業務内容や適性、年収などに注目して違いを解説します。

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SEは「システムエンジニア」の略称で、一般的には単に「SE」と呼ぶ場合は社内SEと区別して、外部の顧客向けのシステムに関わるポジションであることが多いです。

顧客との折衝や開発プロジェクトの管理、サポート対応などさまざまな対応が発生しますが、顧客との良好なコミュニケーションが重要で、慎重かつ丁寧な対応が求められます。

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情シスは「情報システム部門」の略称ですが、そこに所属するエンジニアのことを指すこともあります。

**情報システム部門は社内のIT関連業務を幅広く担当する部門で、情シスに所属するエンジニアは業務用PCのセットアップや業務システムのサポート業務から、システムの企画・設計・構築・開発・運用・保守に至るまでさまざまな業務を担当します。**

マルチスキル・マルチタスクが得意で適応力・順応力が高い方は適性があるでしょう。

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社内SEは、その名の通り社内向けの情報システムを扱うエンジニアのことです。これには**情シスに所属するエンジニアも含まれますが、社内SEは必ずしも情シス部門に所属しているとは限りません。**

そして、社内SEは情シスと比較するとシステム開発やインフラ設計など、特定の分野に特化したスキルを持つ人材が多い傾向にあります。

技術や手を動かす事が好きで集中して取り組むことができる方は適性があると言えるでしょう。

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情シスや社内SEに年収面の違いはあるのでしょうか。結論から言うと、実際には所属する企業やキャリア、担当する業務やポジションなどによって差がありますが、どちらもシステムエンジニアという職種に含まれるため、大きな差はないと言えます。

システムエンジニアの平均年収は「マイナビエージェント職種図鑑」によると、431万円（※2024年9月執筆時点）と算出されています。また、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」における「エンジニア/プログラマ」の平均年収を参考にすると、592万円でした。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、**システムエンジニアは国内の平均年収と同等か、それより高い年収が設定されていると言えます。**

情シス・社内SEのどちらを目指すかにおいては、両者はそれほど年収に差はないと言えるため、自身の適性や希望に応じて職種を決めるといいでしょう。

また、経験を積んでマネージャーなどの管理ポジションに就くことができれば、平均以上の年収を得ることも可能です。

【参考】：[マイナビエージェント職種図鑑/システムエンジニア](https://mynavi-agent.jp/it/jobindex/04.html?utm_source=and-engineer&utm_medium=content-text&utm_campaign=acv07_2)
※【平均年収 調査対象者】2020年1月～2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】：[IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別（P7）](https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11623215/www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf)
【参考】：[民間給与実態統計調査-国税庁](https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)

## 情シスと社内SEの転職方法やキャリアパスの違い

情シスと社内SEでは、担当する業務の範囲が異なることを解説してきましたが、未経験から目指す場合の転職方法やキャリアパスについても若干の違いがあります。

ここでは、求人数の違いや習得すべきスキル、取得した方がいい資格などについて紹介します。

企業のIT化が進んでいる現代では、自社でSEを育てようとする企業が増えているため、**情シスも社内SEも求人数は安定していると言えます。**ただし、情シス部門が存在しない企業もあるため、求人数では社内SEの方が多い可能性があります。

社内SEへの転職は難しいって本当？転職成功のポイントを解説！

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情シスは社内システムに関わるさまざまな領域の業務を担当するため、幅広いスキルを身に付けることができますが、反面、守備範囲が大きいため浅く広くなりがちなデメリットもあります。

キャリアパスとしては、技術に特化するよりも幅広い知見と経験を活かしてマネジメントの領域に進むことが多くなるでしょう。

一方、社内SEはシステム開発プロジェクトなどの経験を活かして他のエンジニア職やコンサルタントへの転向といったキャリアパスも考えられます。

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情シスは数あるエンジニアの職種の中でも特に幅広い領域を担当する特性上、マルチタスクや管理能力が高い人に適性があります。未経験から転職を目指す場合は、前職でのマネジメントの経験や、ITの全般的な基礎知識を証明する「基本情報技術者試験」などの資格を取得してアピールできると良いでしょう。

一方、社内SEは開発などの実作業の割合が多くなるため、プログラミングを習得したり、MOSを取得したりするなど、Officeなどの扱いに習熟していると評価が高まります。

社内SEにおすすめのプログラミング言語は、システムの系統によっても異なりますが、一般的な社内向け基幹システムであれば「Java」や「C言語」で開発されていることが多いです。

【参考】：[基本情報技術者試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html)
【参考】：[マイクロソフト オフィス スペシャリスト（MOS）](https://mos.odyssey-com.co.jp/about/)
【参考】：[Java](https://www.java.com/ja/)
【参考】：[C 言語のドキュメント](https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/c-language/?view=msvc-170)

情シスにおすすめの資格8選！資格を活かして転職する方法も解説

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## 情シスと社内SEの違いを理解し、希望する職種に転職しよう


情シスと社内SEは、どちらもシステムエンジニアの呼称の1つですが、そこには明確な違いがあることが分かったのではないでしょうか。

目指すべき職種が決まったら、転職に向けた活動を行っていく必要がありますが、未経験からの転職では企業の選び方や応募書類の作成、面接対策などに不安があるかもしれません。そのような時は転職のプロである転職エージェントを利用するのがおすすめです。

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システムエンジニアには「情シス」と「社内SE」という分類がありますが、その違いがよく分からないという方も少なくないのではないでしょうか。今回は、情シスと社内SEの仕事内容や向き不向き、キャリアパスや転職方法など細かな違いについて紹介します。

情シスは情報システム部門のことを指し、社内のIT関連業務を幅広く担当するSEのこと

社内SEは主にシステムの開発・保守といった技術的な業務に従事するSEのこと

情シスと社内SEの違いを理解し、なりたい職種を目指そう

システムエンジニアの情シスと社内SEの違いとは？転職方法も解説

**情シスは、情報システム部門に所属し、社内で扱う情報システムの企画・開発・運用・保守などを行うシステムエンジニアのことを指します。**情シスが担当する業務範囲は事業によっても異なりますが幅広いため、資格を取得しても業務や昇進、転職に活かせるのか疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

今回は、情シスが資格を取得することのメリットや、おすすめの資格について紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

システムエンジニア（SE）とはどんな仕事？スキルや年収なども解説

## 情シスが資格を持つことのメリット

まず、情シスが資格を取得することのメリットについて考えてみましょう。情シスの業務内容はPCの不具合やインターネットに接続できないなどのヘルプデスク対応から、IT機器の資産管理、新システムの導入や運用など、企業によって様々です。

そのため、インフラエンジニアやプログラマーのように限られた専門的な知識や技術を身に付ける資格の取得を目指すよりも、*IT全般の幅広い知識が身に付く資格を取得しておくと業務に役立てられます。*

### 未経験の業務でも任されやすくなる

情シスの業務範囲は幅広いため、次々に経験したことのない業務を任されることもあります。実務経験があるに越したことはありませんが、**資格を取得していれば相応の基礎知識を持っていると判断できるため、信頼して任せてもらえる範囲が広がります。**

情シスが取得すべき資格はITの全般的な理解を証明するものであるため、キャリアアップや他の職種へのキャリアチェンジを目指す転職の際にも評価されやすくなります。

転職活動における書類選考や面接では、採用担当者は応募者の普段の働きぶりを直接見ることができないため、書類上の資格の有無も適性や学習意欲の判断材料とする傾向があります。

資格を持っていないと転職できないわけではありませんが、**経歴や人柄の評価が同じ場合、資格を持っている人と持っていない人であれば前者を採用する可能性が高まります。**

情シスの年収事情を見ていきましょう。情シスにはキッティング、ヘルプデスクなどのITサポート部門、ネットワーク管理、サーバ管理などのインフラよりの部門、システム導入などサービス部門があり、部門や企業によっても年収にはバラつきがあります。

ここではそれらをまとめて「社内SE」として捉え、一般的な平均年収を紹介します。

社内SEの平均年収は「マイナビエージェント職種図鑑」によると512万円（※2024年9月執筆時点）です。また、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」における「顧客サポート/ヘルプデスク」の平均年収を参考にすると、390万円とされています。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、**社内SEは国内の平均年収と比較すると、ヘルプデスク等のITサポート部門では平均より低く、社内システムの運用や保守部門では平均より高くなる傾向です。**

なお、部門内で管理職などのポジションに昇進すればより高い年収を得られる可能性があります。

【参考】：[マイナビエージェント職種図鑑/社内SE](https://mynavi-agent.jp/it/jobindex/12.html?utm_source=and-engineer&utm_medium=content-text&utm_campaign=acv07_2)
※【平均年収 調査対象者】2020年1月～2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】：[IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別（P7）](https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11623215/www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf)
【参考】：[民間給与実態統計調査-国税庁](https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)

## 情報システム部門で役立つ資格8選

情報システム部門では、主にITサポート対応やセキュリティ対策、システム運用、システム開発・構築などの業務を行います。そのため、資格を取得する場合もこれらの担当業務に沿った知識を得られる資格を身に付けるのがおすすめです。

ここでは、情シスエンジニアが取得すべきおすすめの資格を8つ紹介します。

ITパスポートは、情報セキュリティなどのIT全般の基礎知識をはじめ、個人情報漏洩や著作権侵害、商標登録侵害などの法的知識を身につけられる資格です。

**ITリテラシー向上施策の一環として取得を推進している企業もあり、認知度の高いリテラシー資格として人気です。**転職や社内での評価に有利になるという性質のものではありませんが、その分難易度も高くないため、手始めに取得するのにおすすめです。

【参考】：[ITパスポート試験](https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html)

ITパスポートとはどんな資格？メリットや難易度、合格率を解説！

ITパスポートと同様のIT全般の基礎的な知識に加え、経営組織論などの企業活動に関わる知識や、アルゴリズムなどのプログラミングの基礎知識を学ぶことができます。

**ITパスポートよりも難易度は高くなりますが、その分資格としての評価も高いため、情シスとしては持っていて損はない資格です。**

【参考】：[基本情報技術者試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html)

基本情報技術者試験とは？試験概要や合格率、ITパスポートとの違い

基本情報技術者よりもさらに専門性が高まり、システム設計やプログラム開発にまで踏み込んでいます。

対象者は高度IT人材として必要な応用的知識や技能を習得している人材とされており、例年の合格率も20％前後と難易度が高い試験ですが、受験に制限はないため自信があれば挑戦してみましょう。

**情シスとしてプロフェッショナルを目指すなら取得しておきたい資格です。**

【参考】：[応用情報技術者試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html)

応用情報技術者試験とは？申し込み方法や合格率、過去問などを解説

### マイクロソフト オフィス スペシャリスト（MOS）

MOSは、その名の通りMicrosoft社のオフィスツールであるMicrosoft Officeに関する資格です。文書作成のWord、表計算のExcel、プレゼンテーション・スライド作成のPowerPoint、簡易データベースのAccess、電子メールのOutlookなど、大手企業を中心に職場で実際に使われているツールの扱いについて理解を深められます。

**ITヘルプデスク対応などではOfficeの扱いに関する問い合わせも少なくないため、MOSで予習しておけば頼れる人材になれるでしょう。**

【参考】：[マイクロソフト オフィス スペシャリスト（MOS）](https://mos.odyssey-com.co.jp/about/)

ITILは「Information Technology Infrastructure Library」の略で、「アイティル」と読みます。**ITILはITシステムのマネジメントやコスト効率の改善などといった知識を幅広く学ぶことができます。**情シス部門で管理職クラスになるならぜひ取得しておきたい資格です。

【参考】：[PeopleCert／ITIL(R) ファンデーション試験](https://www.prometric-jp.com/examinee/test_list/archives/9)

ITILとは？概要や活用のメリット、構成要素について解説！

【ITIL資格一覧】ITIL資格とは？取得方法や受験料、難易度について解説！

### 情報処理安全確保支援士試験

情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティに関する専門的な知識や技術を認定する日本で初めての国家資格です。

**情シス部門は社内システムのセキュリティを担当することも多いため、有資格者は頼りにされるはずです。**

【参考】：[情報処理安全確保支援士試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sc.html)

情報処理安全確保支援士試験とは？難易度・必要な勉強時間を紹介

### プロジェクトマネージャ試験

情シス部門の中でもプロジェクト開発を率先して行うPMOを担当する部門では、プロジェクトマネジメントの知識が必要です。

**プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトのスケジュール計画、人材確保といったプロジェクトマネジメントに関する総合的な知識を身に付けることができます。**

【参考】：[プロジェクトマネージャ試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html)

プロジェクトマネージャ試験の難易度は？合格率やメリットも解説

**情シス部門の中でも社内システム基盤の設計・構築を行う部門では、システムアーキテクト試験を取得するのがおすすめです。**

システムアーキテクトとは、情報システムの構造の設計を行ったり、開発に必要となる要件を整理したり、システムのセキュリティを確保したりといったシステムを実用的で信頼性の高いものにする重要な役割です。

【参考】：[システムアーキテクト試験](https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/sa.html)

システムアーキテクト試験とは？難易度・年収・勉強法を解説

## 情シス資格を取得して転職しよう

情シスには多岐にわたる職務があり、IT全般の知識と、担当する業務に必要な知識を身につけられる資格を取得するのがおすすめです。

資格を取得したら、社内での業務に活かして評価を上げていきましょう。*資格を取得しても任せてもらえる業務の幅や年収などの評価に繋がらない場合は、転職を検討するのもいいでしょう。*しかし、多くの求人がある中で資格やこれまでの経歴を正しく評価してくれる企業を見つけるのは簡単ではありません。

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社内システムの開発・管理やIT機器の運用・管理、ヘルプデスクにセキュリティ対策と幅広い業務を担当する情シスですが、持っていると有利な資格はあるのでしょうか。ここでは、情シスにおすすめの資格を8つ厳選して紹介しますので参考にしてください。

情シスの業務に資格は必須ではないが、資格があると未経験の業務でも任されやすくなる

情シスは幅広い業務を担当するため、IT分野の全般的な知識を理解するのに資格がおすすめ

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## 情シスとはどのような職種？

企業に勤めている方であれば「情シス」という職種を1度は聞いたことがあると思います。業務で使用するPCのセットアップや、IT関連のトラブルサポートなどで世話になったことがあるのではないでしょうか。

しかしながら、情シスの本来の役割や仕事内容を正しく知っている方はあまり多くないでしょう。本記事では、**情シスの仕事内容を解説しつつ、情シスを目指すメリットや求められるスキルを紹介していきます。**

## 社内のIT業務全般を引き受ける縁の下の力持ち

情シスについて、どのような職種か結論から言うと、社内のITシステム全般を支える縁の下の力持ちという表現が適切です。情シスは「情報システム部門」の略語でありますが、その名の通り社内の情報システム全体を統括する立場にあります。

多くの方にとって馴染みのあるITトラブルのサポートデスクとしての役割は、ほんの一部の業務でしかありません。**社内のITシステムに問題が起きていないか保守対応をしつつ、会社にとって最も合理的なITシステム導入の提案を行うことが、大きな役割です。**

社内のITシステムは個々の部門における業務効率を左右することもあり、間接的に利益への影響もあるため、重要な職種であるといえます。

## 情報システム部門の仕事内容

前項で簡単に情シスの仕事内容や役割を説明しましたが、ここではもう少し詳しく説明していきます。また、気になる年収についても触れていきます。

### 情報システム部門の社内での立ち位置

情シスは社内においては、前述したように社内ITシステムの導入を支援し、保守をする立場です。社内全体の業務を支えるという意味では非常に重要なポジションですが、実際に開発を行う立場ではなく、成果をアピールしづらい仕事であるため社内では軽視されがちです。

そのため、「ひとり情シス」と呼ばれるような少人数体制を強いられている会社もあります。保守するITシステムには社内ネットワークも含まれており、外部からのサイバー攻撃やウイルスの対策を立案することも情シスの役割です。

決して軽視されていい立場でないことは認識しましょう。*スキルの高い情シスならば、業務で使用するのに最適なITシステムを選定し、提案することも可能であり、開発効率向上や設備投資のコストダウンにも貢献することもあります。*

### 情報システム部門の業務一覧

情シスの業務は多岐にわたりますが、一般的には以下のような一覧にまとめられます。

*◼︎ITシステム導入の企画提案*
業務効率を引き上げる新たなITシステムの導入を会社に提案することは情シスの代表的な役割です。社内のITインフラを把握していて、ITシステム全般に詳しい情シスだからこそ最適なシステムを提案できると言えます。

*◼︎社内ITシステムの運用と保守*
情シスの業務として最も割かれる時間が多いものが、この社内ITシステムの運用と保守です。システムと述べましたが、サーバの設置から保守も情シスの仕事です。トラブル時は迅速な対応が求められるため非常に重要な役割です。

【システム運用・保守】必要なスキルや仕事内容、将来性について解説

*◼︎社内のITトラブルへの対応*
ITシステムのトラブルではなく、個人個人のITトラブルへの対応も情シスの仕事です。例えば、業務用パソコンが動作しなくなった、IT機器が破損してしまったといったことも情シスがサポートを行います。

*◼︎社内のセキュリティ対策立案*
近年リスクが高まっているサイバー攻撃やウイルスへの対策も情シスの役割です。堅牢な社内システムの構築からセキュリティ対策ソフトの更新作業含めて全般的な業務を行います。

情シスと似た職種に社内SEがありますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。情シスつまり情報システム部門というのは部署の名前であり、その部署に属する社員を情シスと呼びます。

一方、*社内SEは、それ自体が社内ITシステムの構築や保守に関わる職業を指し、必ずしも情報システム部門に属しているとは限りません。*例えば人事部や総務部に属する社内SEが、情シスと同じ仕事をすることもあります。

情シスとして働くエンジニアの年収はどの程度なのでしょうか。ここでは社内システム企画の職種として見ていきましょう。

社内システム企画の年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング」での平均年収は512万円（※2024年8月執筆時点）、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT運用・管理（顧客情報向け情報システムの運用）を参考にすると、平均年収608万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、社内システム企画は平均よりもやや高めの年収であると言えるでしょう。

社内システム企画としての情シスは、その社内での立ち位置からそう多くないと予想されます。*その門戸は決して広くはありませんが、その分安定した年収が期待できるでしょう。*もちろんスキルアップを重ねることで、社外ともやりとりのあるシステムエンジニアなどにキャリアチェンジすることも可能です。

【参考】：[マイナビエージェント職業別年収ランキング](https://mynavi-agent.jp/helpful/income2020/category/it03/?utm_source=and-engineer&utm_medium=content-text&utm_campaign=acv07_2)
※【平均年収 調査対象者】2019年12月～2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方
【参考】：[IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別（P7）](https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11623215/www.meti.go.jp/press/2017/08/20170821001/20170821001-1.pdf)
【参考】：[民間給与実態統計調査-国税庁](https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/002.pdf)

## 情報システム部門を目指すメリット

ここまでで、情シスの業務内容を解説してきました。ではこのような業務を行う情シスを目指すことにどのようなメリットがあるのでしょうか。

### 社内で完結するため社外の顧客対応をする必要がない

情シスの大きな特徴として、顧客が社内のみであり、社外の顧客を一切持たないことが挙げられます。世の中の多くのエンジニアの仕事は利益創出のために社外顧客とやりとりを行うため、IT関連の職種としては特殊な立ち位置と言えます。

そのため、*責任ある社外との顧客対応を好ましくないと考える方にとってはメリットと言えるでしょう。*ただし、社内が顧客といっても責任がないわけではありません。企業によっては、より迅速な対応や重い責任を求められることもあるため注意が必要です。

### 仕事内容に大きな変化がなく安定している

情シスの業務は社内保守が中心となるため、業務に大きな波が発生しづらいという特徴があります。なぜなら、*大半は既存のシステムが問題なく動作しているかを見ていくことになるため、業務量も予想がつきやすいためです。*

ただ、新たなシステムの導入となると、その導入前後はもちろん忙しくなり、突発的なトラブル発生時には迅速な対応が求められます。そのため、必ずしも業務が安定しているとは言い切れないのでこちらも注意が必要です。

### 様々なITスキルを身に付ける機会がある

情シスはその業務内容から、様々なITシステムに触れるチャンスが多く、またサーバの設置と運用を担当することもあるため、ネットワーク関連の実務経験を積むことも可能です。また、ウイルスやサイバー攻撃対策を通じて、セキュリティ関連のスキルや知見も身に付けられるかもしれません。

このように、*情シスは様々なITスキルを身に付けられることがメリットであると言えるでしょう。*特定分野のエキスパートが転職に有利に働くことは言うまでもありませんが、広範な知識とスキルを持つこともキャリアチェンジやキャリアアップには有効になることもあります。

## 情報システム部門に求められるスキル

情シスとして働くことに対するメリットを紹介してきましたが、実際どのようなスキルが現場では求められるのでしょうか。最後に求められるスキルを解説していきます。

意外に思われるかもしれませんが、コミュニケーション力は情シスで重要なスキルの一つです。その業務の性質から、*社内のあらゆるメンバーと関わり合いを持つ可能性があり、広範な人間と上手くやりとりを進める力が求められます。*

IT関連のトラブルでは、対応先の社員が必ずしもIT知識があるとも限らないため、原因と対処を噛み砕いてわかりやすく説明する必要があります。また、新たなITシステムの導入提案では、コミュニケーション力に加えてプレゼンテーション力も求められるでしょう。

### ITシステムやITそのものへの理解

情シスではもちろん誰もが想像する通りITシステムを含めたIT全般の知識が求められます。メリットでも述べましたが、*情シスは特定分野を掘り下げる職種ではなく、広範な知識が求められます。*社内で発生したITに関するトラブルは、PC関連であろうとネットワーク関連であろうと全て情シスが対応を行うためです。

このような情シス特有のITスキルは、通常の勉強ではなかなか身に付けることはできないでしょう。そのため、情シス向けに出版された書籍を参考にすると良いでしょう。

以下に紹介する「社内SE1年目から貢献！ 情シス 企画・開発・運用 107のルール」では、情シスとして働くために必要なルールを107項目にまとめ、わかりやすく解説されています。

*■「社内SE1年目から貢献！ 情シス 企画・開発・運用 107のルール」*
▪著者：加藤 一
▪ページ数：288ページ
▪出版社：技術評論社
▪発売日：2024/3/21
【参考】：[社内SE1年目から貢献！ 情シス 企画・開発・運用 107のルール](https://gihyo.jp/book/2024/978-4-297-14059-5)

## 情シスとして働くための企業を見つけるためには

本記事では情シスの業務内容や役割を解説するとともに、情シスを目指すメリットや求められるスキルを紹介してきました。ITエンジニアの中でも特殊な立ち位置にある情シスですが、仕事内容が自分に合っている、と感じた方もいるのではないでしょうか。

一方、**情シスはその役割から多くのポジションが用意されているわけではなく、求人を出している企業も限定されてくるのが現状です。**ましてや、情シスの求人の中から企業風土や業務内容が自分に合ったものを探すのはかなり難しいでしょう。

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情シスは社内のITシステム全般を支える縁の下の力持ち

主な業務には、社内のITシステムの導入から保守、ITトラブルのサポートがある

情シスにはIT関連のスキルだけでなくコミュニケーション力も求められている

「情報システム」と聞くと、エンジニアの皆さんは何を思い浮かべますか？「情シス」と呼ばれているクライアントのシステム部門を思い浮かべる人がいるかもしれません。分かっている方でも、いざ説明をしようとすると、言葉に詰まってしまうかもしれません。

「情報とは？システムとは？情報システムとは何か？」、普通に使われる言葉でありながら、正確に答えるのは意外に難しい言葉です。ここでは、情報システムに関わる職種を目指す初心者の方に向けて、**「情報システム」に関する基本をやさしく解説していきます。**

よく「データ処理」や「情報処理」という言葉を耳にしますが、データと情報との違いはなんでしょうか？データは数字や文字などで表される事実や事象を示すものであり、**情報とは、人の行動や判断につながる意味を持ったデータのことです。**

たとえば、「20歳から30歳」というのは単なるデータですが、「来店客の8割が20歳から30歳」というデータは情報になります。それは後者のデータから、「来店客の年代層を対象とする品揃えにする」という戦略を導き出すことができるからです。

簡単に言うと**システムとは「インプットをアウトプットに変換するための仕組み」のことです。**例えば、会社は「人・モノ・カネ」をインプットに、アウトプットとして「利益」を生み出す仕組みを持つ組織です。

天気予報においては、インプットは気圧や気温、湿度などであり、アウトプットは天気の予報です。つまり天気予報もシステムの1つです。

ここまで、「情報」と「システム」について解説しました。続いて情報システムの定義について見ていきましょう。

**「情報システム」とは、情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みのことです。**情報システムの代表的な事例としては、「人事システム」「経理システム」「受発注システム」「売上管理システム」など、どこの企業や組織にもあり、稼働しています。

「IT」と「情報システム」を同一のものと見る人が少なくありませんので、その違いを説明しておきましょう。「IT」とは（Information Technology）の略で、「情報技術」のことです。情報の入手、加工や編集、保存や伝達、それら一連の処理を電子的に行う技術のことです。

それらを実現するために、コンピューターとネットワークなどのインフラに加え、ハードウェア技術、ハードウェアを思い通りに動かし、管理するためのソフトウェア技術などが「IT」には含まれています。これら「IT」を使い、ビジネスの効率化や生活向上を図る仕組みが「情報システム」です。すなわち、**「情報システム」を実現するための技術が「IT」なのです。**

情報化社会と言われて久しいですが、特にこの数年は情報システム化が著しいと感じます。私たちの**身近にある情報システム、情報処理システムなどの利用例、活用例を挙げてみましょう。**

ネットショッピング、スマホによるバーコード決済、マイナンバー、ATM、チケット予約など誰もが日常的に利用しており、ないと困るものばかりです。

「情報システム」とは、情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みであると説明しましたが、企業の「情報システム」は大別すると2つに分けられます。二つ目は以上、**情報システムには「基幹系システム」と「情報系システム」の2種類があります。**

一つ目は「基幹系システム」と呼ばれ、**事業活動そのものに関わるシステムを指します。**たとえば、売上管理システム、受発注在庫管理システム、物流システムなどです。それぞれ日々の営業活動、事業活動に関わるデータ処理やそれらの記録が行われています。

また「基幹系システム」は顧客との接点となるサービスとも密接に関係し、「基幹系システム」が停止すると、事業ばかりか顧客に対しても大きな影響を及ぼします。

「情報系システム」と呼ばれ、すべての従業員が利用するメールシステム、スケジューラー、グループウェア、Web会議など**事務の効率化や社内外とのコミュニケーション、情報共有などを図るためのシステムです。**

円滑な業務遂行に必要なシステムが多い反面、万が一システムダウンがあっても、代替手段を講じることが可能ですので、短時間の停止であれば事業活動に深刻な影響を及ぼすことは少ないでしょう。

### 基幹系システムと情報系システムは分ける

「情報システム」には大別して「基幹系システム」と「情報系システム」の2種類がありますが、この2つは分けて開発・導入・運用をすることが求められます。サーバーやネットワーク構成は十分に考慮し、外部からの**不正アクセスや障害などの影響を最小限に抑えなければなりません。**

## 情報システムを構成する3つの要素

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