ITコンサルタントが独立するメリット・デメリットとその方法
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ITコンサルタントが独立するメリット・デメリットとその方法
アンドエンジニア編集部
2021.12.16
この記事でわかること
ITコンサルタントが独立するためには、コンサルタントとしての実績を積んだり公的資格を取ったりする必要がある
独立後は収入が増えたり自由に時間が使えたりするが、収入の不安定さや経理の手続き面が面倒になることもある
DX推進役としてのフリーランスITコンサルタントの将来性は高い

ITコンサルタントが独立するために必要なこと

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どのような職業に就いても、仕事ができるようになると「いつかは独立したい」と考えるのが人の常です。自分の能力を最大限に生かせるITコンサルタントの立場であれば、多くの方が独立を考えるのではないでしょうか?

この記事では、ITコンサルタントを目指し、将来的には独立も視野に入れている方に対して、ITコンサルタントが独立するために必要なものや、独立後のメリット・デメリット・年収・将来性などについて解説します。計画的に独立するための参考にしてもらえれば幸いです。

経験を積む

フリーランスのITコンサルタントに仕事を依頼する際、契約の決め手は実績の有無です。実績が豊富なコンサルタントと、そうでないコンサルタントのどちらに仕事を任せたいかと問えば、誰もが前者を選びます。当然、未経験での独立はかなり難しくなります。

在職中でも実績を作ることは可能なため、大規模プロジェクトから小規模まで幅広く参加し、自分の能力が証明できる実績作りが必要です。コンサルティングファーム(企業)での実績作りはメリットが多く、各企業それぞれ独特のやり方やノウハウがあります。それらはマニュアルから得たものではなく、それぞれの成功と失敗の体験から培われたものです。

現在、在職しているファームで仕事の流れやプロジェクトの動かし方、トラブル発生時の対応など、実績以外の仕事も経験値として蓄えておきましょう。また、在職中に個人で副業として案件をこなすのも有効です。独立するともなれば、豊富な経験が必要かつ不可欠なため、自ら知恵を絞り、汗を流した経験こそが独立のための鍵です。

公的資格を取る

大手のコンサルティングファームに所属していると、会社が後ろ盾になってくれていますが、独立すると後ろ盾を失って丸裸になります。コンサルティングファーム時代のコンサルティング実績を経歴書に書くのは構いませんが、それだけでは個人の能力を証明するには客観性に欠け、訴求力がありません。

独立する際には公的資格が信用力を高めてくれます。 「中小企業診断士」「ITストラテジスト」「ITコーディネータ」などの資格は在職中にできるだけ取得しておくことをおすすめします。退職した後も資格は生きるため、これらの資格を名刺に入れると、名刺の威力が一気に増します。

ITコンサルタントになるために必要な資格は?仕事内容や年収も

人脈をつくる

大手コンサルティングファームでは営業担当が顧客を開拓し、紹介してくれるため、ITコンサルタントは人脈を作るのにさほど苦労することはありません。しかし独立し、会社の看板を失うと大手顧客からは敬遠されることがあります。

大手顧客は取引先に対して信用力を求める傾向が強いため、フリーランスや小規模事業者となったITコンサルタントには見向きもしなくなることがあります。したがって、在職中にはできるだけ顧客との人的つながりを強めておく努力が求められます。強固な人脈を作っておけば、独立後に必ず力を貸してもらえます。

人・モノ・金を用意する

独立後に、フリーランスとして1人でコンサルタントをやっていくという手もありますが、簡単なことではありません。案件を受注できても、プロジェクトを編成する際にはアシスタント・SE・プログラマーを確保しなければなりません。

協力会社を作っておくことでも対処できますが、やはり人材は自社調達の方が何かと有利です。人・モノ・金は簡単に用意できるものではないため、在職中から準備をしておきましょう。

独立する場合は、できれば法人設立を目指し、融資も含めて最低でも1,000万円くらいの資金と最低限の人材は確保しておきたいものです。またオフィスも必要なため、レンタルオフィスなども検討しておくことをおすすめします。

ITコンサルタントが独立するメリット・デメリット

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ITコンサルタントとして独立を考えると、ついメリットばかりに目が向きがちですが、デメリットも少なからずあります。メリットの最大化、デメリットの最小化を考えながら事業計画を立てておきましょう。

独立のメリット

1. 収入が増える 組織に属している以上、どれだけ稼いでも稼ぎの大半は会社にいきます。大手コンサルティングファームが大手顧客と契約する場合、シニアコンサルタントの派遣については人月単価で契約することがあります。時には1人月500万円というような高額契約もありますが、本人に支払われるのは月給換算で150万円程度、つまり2/3は会社の利益です。

独立すれば、諸経費を差し引いても売上の半分程度は報酬として手にできます。つまり、独立後に500万円/月で契約できれば、250万円程度の報酬を得られる計算です。事業が軌道に乗れば、確実に得られる収入は増えるでしょう。

2. 自分のペースで自由に仕事ができる 独立すれば組織に縛られることがありません。上司から命令されることもなく、余計な報告書作成や報告会議もありません。自ら意思決定し、自分のペースで仕事に打ち込めます。特に自由を求める方にとっては理想的な仕事環境が手に入るため、独立の動機に「自由に仕事がしたいから」という方も多いです。

3. 価格競争に勝ちやすくなる 独立すれば、Slerやコンサルティングファームよりも低い単価で仕事を受注できるため、価格競争ではフリーランスに強みがあります。Sler・コンサルティングファーム時代と同じ成果でリーズナブルな単価なら、顧客満足度も高くなり、リピートもされやすくなります。

独立のデメリット

1.収入が不安定になる 収入が増えるには、在職中並みの仕事があることが条件です。独立すると、思うほど仕事を取れないケースが出てきます。しかも、客先は資金力が乏しい中小企業を相手にするケースが増えるでしょう。

中小企業に対して人月単価500万円の提案をして採用される可能性は極めて低いです。収入の保証がないというのが独立するデメリットの1つです。

2. 社会的信用力が低下する 社会的信用力は、個人よりも組織や企業に付与されます。フリーランスになると、社会的信用力が低下します。未経験の場合はそもそも信用がありません。例えば事務所を構えるにしても信用力がないため、契約には保証人が必要です。クレジットカードの契約や銀行からの融資など、審査が厳しくなります。

独立前に必要なものをピックアップし、在職中に契約可能なものはできる限り済ませておきましょう。

3. 税務手続きや申告をしなければならない これまでは社内の財務部門がやってくれていたことも、独立すると全て自分で対応しなければなりません。これをすべて1人でやっていたのでは、本業に専念できないため、税理士・アドバイザー・事務アシスタントなどとの契約や採用も考えておく必要があります。どんなに小規模な会社でも、財務や経理の業務は必須です。

また、人を雇えば労務管理・勤怠管理・給与計算のために人事部の機能が必要になり、仕事獲得には営業や販売促進機能も必要です。さらに、ホームページの立ち上げや広告宣伝、Eメールやワークフローも準備しなければなりません。こうした経営全般についても、在職中から積極的に勉強して独立に備えておきましょう。

独立ITコンサルタントの年収

ITコンサルタントの平均年収は、約600万円が相場です。フリーランスの場合、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。往々にして、ITコンサルタントの年収は独立後の方が高い傾向にあります。また、ファーム在籍年数が多ければ多いほど信用度が上がるため受注案件単価は高くなりやすく、それに比例して年収も高くなります。

一例として、ファーム在籍年数が5〜10年未満の場合は、一般的に案件単価が130万円/月ほどで、10年以上だと案件単価140万円/月以上です。

大手の顧客は、大手コンサルティングコンファームであれば500万円/月でも契約をしますが、フリーランスや小規模事業者相手では500万円/月の契約は難しいでしょう。独立に際しては、想定顧客とその顧客のコンルティング案件における報酬の相場をしっかり把握しておくことです。

分相応の単価を設定し、まずは顧客獲得に努めましょう。成果を積み上げ、顧客からの信頼が高まれば自ずと仕事は増え、報酬も増えていきます。

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ITコンサルタントが独立に際して注意しておくべきこと

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ITコンサルタントとして活躍の場が増えてくると独立を考える方が増えますが、安易に独立すれば失敗するリスクも高まります。ここでは、独立を目指す際に注意すべきことをまとめました。

ビジネスドメインを明確にする

大手のコンサルティングファームに所属していると、苦手な分野の案件でも社内の誰かがサポートしてくれますが、独立するとすべて自分の力で対処しなければなりません。思うように契約が取れないと、ついつい間口を広げて身の丈に合わない案件まで受注してしまいがちです。

自信のない分野の案件まで受注すると、自分の首を絞めるばかりか、結果的には顧客にも多大な迷惑を及ぼすことになりかねません。まずは事業ドメインを明確にしておきましょう。自分の強み・弱みを客観的に分析し、できるだけ強みを生かせる分野を中心に仕事をしてください。自分の得意分野を強化し、成功事例を積み重ねながら、顧客獲得をしていきましょう。

リスクヘッジをしておく

フリーランスや弱小コンサルファームは、自ずと資金力の乏しい中小企業を相手にするケースが増えてきます。そうしたクライアントの倒産リスクや、支払遅延リスクをあらかじめ予見しておく必要があるのです。

取引先の選定基準や取引基準を明確にし、与信能力を客観的に判断し、不用意に問題案件を抱えないための防衛策が必要です。クライアントの与信判断ができるよう外部の信用情報データベースサービスなどの利用を考えておきましょう。

必要資金を確保しておく

「ITコンサルタントが独立するために必要なこと」の章でも述べましたが、独立に際しては「人・モノ・金」が欠かせません。とりわけ必要なのは資金です。資金がなければ、人材の確保やモノの調達ができません。事業が軌道に乗るまでの運転資金、生活資金もしっかり確保しておきましょう。

案件確保にはマッチングサイトも有効

フリーランスとして活躍するなら、コンサルタントと企業をマッチングしてくれるサービスなども活用しましょう。豊富な案件の中から、自分に合う案件とマッチングできるため、フリーランスになりたての方や副業として実績作りがしたい方にもおすすめです。

独立ITコンサルタントの将来性

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ITコンサルタントの独立について、メリット・デメリットや注意すべきポイントについて解説しました。ここでは、フリーランスITコンサルタントの将来性や可能性について説明します。

ITコンサルタントの需要

かつては、顧客の要求に従ってシステムデザインができるSE(システムエンジニア)に対する需要が高まっていましたが、現在では顧客の経営課題を解決するITコンサルタントの需要が高まっています。

企業内においても、コスト部門と言われたIT部門が今や戦略部門として見直される時代ですが、企業内でITコンサルタントの役目を果たせる人材が不足しているのが現状です。そうしたこともあり、小回りの利くフリーランスITコンサルタントに対する需要はさらに高まっていくと考えられます。

システムエンジニア(SE)とは?仕事内容や年収、必要スキルを解説!

DXコンサルタントが必要とされている

日本経済の再生のためには諸外国と比べても遅れが指摘されている、日本企業の活性化と成長が欠かせません。その鍵が、DX(デジタル・トランスフォーメーション)です。

日本情報システム・ユーザー協会が2020年4月に公開した「※企業IT動向調査2020(2019年度調査)」によれば、企業の2019年のIT予算が過去10年間で最高でした。予算増加の最大要因は「基幹システムの刷新」ということから、DX推進が背景にあると考えられます。

企業IT動向調査2020(2019年度調査)

このDXの推進役として最も期待されているのがITコンサルタントです。DXでは従来のビジネスモデルを根底から覆し、まったく新たなビジネスモデルへの転換と、新しいサービスや顧客体験を創出することが求められています。具体的には、企業を下支えする業務プロセス・業務システム・組織構造・企業文化をITによって変革することを意味しています。

ここで必要とされるのがDXコンサルタントであり、それは「デジタル+経営改革」に対する深い知見や経験を有し、企業の組織構造改革を手助けできるITコンサルタントの役目なのです。政府が危機感をもって提唱するDXですが、一方でDX推進に必要なITエンジニアが絶対的に不足しています。

そのITエンジニアを率いるITコンサルタントに対する期待が急速に高まる中、小回りの利くフリーランスITコンサルタントの活躍の場が急速に広がっています。ITコンサルタントを目指す独立志向の旺盛な方は、将来の独立に向けて、今からご自身の将来設計を明確にしておきましょう。

DXとは?その意味と日本の現状、DX推進の障壁となる要因を分かりやすく解説!
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